
現在では消滅してしまったポイント点火方式・・コスモAPの年代の車では主流だった方式ですがこれについてちょっと書いてみます^^;
ポイント点火方式はアメリカ人の技術者チャールズ・ケタリングによって発明されたものでケタリング方式という呼び方もあります。
ガソリンエンジンはキャブレーターで燃料を霧状にし、その霧状の燃料が空気と一緒になった混合気になってエンジン内に入り圧縮される事で温度が上がって気化します。
その気化した状態になって初めて着火しやすい状態になりそこに点火プラグの電気火花で着火して燃焼が起きるわけですが・・圧縮された気体の中でなおかつプラグの電極に空中放電させて火花を出すには点火プラグに2万V前後の高電圧を送る必要があります。
ではその高電圧をどうやって作り出すのか?乗用車のバッテリー電圧は12Vですがこれがまず点火コイルに入ります(外部抵抗器付きは点火コイルの前にこれを通るのですがここでは省略)点火コイルの中には1次側と2次側という2つの電線が鉄芯に巻かれてコイルになっています、つまり点火コイル内には1次側コイル、2次側コイルという2つのコイルがあります。
ポイント接点が閉じている時のバッテリーからの電気の流れとしては点火コイル1次側のコイルを通り、その際にコイルで巻かれた鉄芯を磁化させ、それからポイントに入り接点を通じてアースされバッテリーに戻ります、この電流を1次電流と呼び、この回路を点火系の1次回路といいます。
そしてここからが重要ですがポイントの接点が開くと点火コイル内の1次側コイルに流れる電流が遮断されます、するとコイルが巻かれた鉄芯の磁力も消滅するのですが、この時に磁力を保持させようとする起電力が1次側コイルに発生します。
この起電力は300V位になるのですがこの時に1次側コイルと密接している2次側コイルに1次側コイルで発生した電気が誘起されます。
この時に2次側コイルに発生する電圧は2次側コイルの巻き数が1次側コイルの巻き数より多ければ多いほど高い電圧が発生します、これが高電圧を発生させる仕組みです。
なので当然1次側コイルより2次側コイルの方が多く巻かれています。
こうして発生した高電圧がデスビから点火プラグに配電されて火花を出すわけですね。
このように高電圧を発生させるためにはポイントが開いた際に1次電流を確実に遮断する事がとても重要になります。
ポイント接点が開いた時の隙間は非常に小さいので単にポイントが開いただけでは接点間で放電して1次電流が完全に遮断されず2次電圧が低下するのでポイントにコンデンサーを並列に接続し、接点が開いた時に1次電流がコンデンサーに流れるようにして接点間の放電を防いで1次電流の遮断を確実にしています。
ポイント接点が断続を繰り返す際には構造上、僅かにスパークが発生しますがこのスパークがポイント接点の汚れを飛ばす作用もあります(ポイント接点の自己清浄作用)セミトラのようにポイント接点に流れる電流が少ないと接点間のスパークがないので自己清浄作用がなく接点が汚れると電流が少ないために導通不良を起こして失火するため、昔のトヨタの一部車種のように純正でセミトラを採用していた車は接点にダストカバーが付けられていました。
ポイント接点は油脂類を付着させると導通不良や焼損して寿命が短くなったりするので油脂類や汚れの付着は厳禁で扱いにはそれなりの注意が必要ですがポイントがない車が主流の現代ではこういった話も聞かなくなりましたね(笑)
Posted at 2008/11/16 00:34:18 | |
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