
ガレージの中から以前にバラしたFDのエンジンの一部が出てきました。
サイドハウジングやエキセントリックシャフトは廃棄してしまいましたがローターハウジングとローターは飾っておこうと保管していました。
ちょっと見てみましょう・・^^;
お馴染みの焼きオニギリ(笑)ことローターです、意外と重くて?5Kg位あるでしょうか。
これがローターハウジングの中をグルグル回転するわけですね。
ローターを裏返すと、このように穴がありローター内部に空洞があります。
エキセントリックシャフトにあるオイルジェットという穴からオイルが噴出してこの穴からローター内にオイルが入りローターを冷却するようになっています。
これがロータリーエンジンにとって重要なアペックスシール、レシプロエンジンでいえばコンプレッションリングに相当します。
アペックスシールは年式で種類が多数ありますがこのエンジンは3型のFDのエンジンでアペックスシールはこのように3分割になっていて気密性の高いものです。
ローターの頂上にある丸い物がコーナーシール、その両側の細長い物がサイドシールで縦溝の部分にアペックシールが入るわけですね^^;
ローターハウジングを見てみましょう、2つの穴はプラグホール(連通孔といいます)ですが左側の穴(T側)はとても小さいですね、これはT側の穴をアペックスシールが通過する際に燃焼ガスがこの穴から吸入工程中の作動室へ吹き抜けるのを防止するために穴の大きさを小さくしています。
これは圧縮上死点の位置ですね。
リープス5のロータリーエンジンは排気ガス対策として低中速回転の時はT側を失火させてL側だけの点火にしています。
ロータリーエンジンは画像のように圧縮上死点の状態の時はS/V比(燃焼室の表面積と燃焼室の容積の比率)が大きいのでこの状態で点火すると燃焼室表面に形成される消炎層によって未燃焼成分(HC)が増えてしまいます。
S/V比が大きいと前述のようにHCの排出量が多くなるので昔のアイドルHC特殊エンジンの認定要件の一つにもなっています。
そこでL側のみの点火にして燃焼を遅れさせてローターが移動して燃焼室の容積が増えS/V比が小さくなったところで燃焼させる事でHCの発生を抑え、尚且つ燃焼遅れによる排気ガス温度の上昇でサーマルリアクターの反応性を向上させるというものです、当時の排気ガス対策の苦心ぶりが窺えますね^^;リープス5Eではサーマルリアクターの改良と構造の簡略化でT側の失火制御は廃止され常時点火となっています。
こうして見ると本当にコンパクトなエンジンですね、補機類を外した状態だとミカン箱くらいでしょうか?(笑)このコンパクトさがRX-7のように低いノーズやフロントミッドシップならでは回頭性の良さを実現出来たわけですね(^^)
Posted at 2009/01/30 23:53:55 | |
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