
点火プラグは燃焼室内の混合気に電気火花で着火する部品なのは周知の事ですがレシプロエンジンでは燃焼室内に突き出た電極間の火花で着火を行っています。
ロータリーエンジンではローターハウジングの内面が燃焼室の一部を形成するわけですがアペックスシールがロータハウジングの内面を移動する以上、点火プラグの電極を燃焼室に突き出す事が出来ないのでレシプロエンジンに比べて着火ミスを起こしやすい欠点があるのでカブリ対策として特殊な点火プラグを採用しています。
ロータリーエンジンは画像のように1ローターあたり2本の点火プラグが付いていて下側をリーディング側(L側)、上側をトレーリング側(T側)と呼んでいます。
開発当初のロータリーエンジンは1ローターあたり1本の点火プラグでしたが運転状態によって点火プラグの最適な位置が変わるので、それに対応して2本の点火プラグになりました。
ロータリーエンジンは燃焼室が細長いので燃焼速度が遅い事とS/V比が大きいので燃焼温度が低い特性があり(Noxが少ない理由ですね)燃焼ガスの温度と燃焼室内の圧力は、ほぼ比例するので燃焼効率を上げる事がエンジン出力向上につながります。
ロータリーエンジンでは最初にL側の点火プラグで混合気に着火してローターに回転力を与え、少し遅れてT側の点火プラグが着火します。
ローターが回転するので圧縮工程で圧縮された混合気は回転方向へ強く押し出される事でスキッシュという混合気の速い流れが起こり、これに着火する事で燃焼速度を速める効果があります。
着火で起こった燃焼による火炎は回転方向に対してはスキッシュの影響で速く伝播しますが回転方向と逆側(T側)にはゆっくりと伝播していきます。
ここでT側の点火プラグが着火する事でT側に残った混合気を燃焼させる事で効率的な燃焼を行うというものです。
つまり燃焼室形状に起因する燃焼温度の低いロータリーは、先にL側で点火してその火炎伝播を補う形でT側が点火するのですね。
なのでロータリーエンジンでは基本的にL側の点火でエンジンが回り、T側が燃焼の補助として点火しているのでL側のみの点火でもハードな走行は別として普通にエンジンは回ります、実際にリープス5では排気ガス対策のために低中速域でT側を失火させてL側のみの点火ですから・・。
リープス5Eの赤コスモはL側、T側は常時点火ですが私には5と5Eでは、どちらも走行フィーリングの違いは感じられません・・私が鈍いだけでしょうか?^^;
Posted at 2009/02/16 23:55:28 | |
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