
ロータリーに限らずエンジンが冷えている時の始動直後は混合気の状態が悪く、エンジンオイルの粘度も高くて回転の抵抗になるので始動直後はアイドリング回転数を高くする機構があり、これをファーストアイドル機構と呼んでいます。
コスモを例にすると、チョークノブを全引きするとチョークバルブが全閉します、これは当然ですね。
以下の画像はリープス5Eの赤コスモのキャブの画像ですがファーストアイドル関係はリープス5でも同じです。
始動前にチョークノブを全引きすると、このようにチョークバルブは全閉しています。
以前にもブログで書きましたがエンジンを始動すると完爆ダイヤフラム(チュークオープナー、チョークブレーカーとも呼ばれます)の作用でチョークノブが全引きでもチョークバルブが僅かに開くようになっています。
チョークバルブが全閉したままだとエンジンが始動した時(完爆時)に混合気が濃くなり過ぎてエンストやプラグのカブリといった不具合が出るので、それを防止するためのものです。
エンジン始動直後のチョークバルブです、チョークノブは全引きしていますが僅かに開いているのが分かるでしょうか?このようにエンジンを始動するとチョークノブを全引きしたままでもチョークバルブが僅かに開くのが正常です。
完爆ダイヤフラムは直接チョークバルブを開くわけではありません。
チョークバルブはエンジンの吸入負圧によって開きます。
画像でも分かりますがチョークバルブをシャフトに固定するネジの位置が中心より偏っていますね。
つまりチョークバルブの回転する支点(シャフト)はチョークバルブの中心から偏芯して取り付けられています、これによって吸入負圧でチョークバルブが開きます。
完爆ダイヤフラムはチョークバルブを閉じる作用をするチョークハウジング内の渦巻きバネの閉じる力を少し弱める作用をします、それによってエンジンの吸入負圧でチョークバルブが開きやすくなるわけですね。
完爆ダイヤフラムは吸入負圧でダイヤフラムのロッドが引かれる事で渦巻きバネの閉じる力を弱める補正をするのですが、画像の矢印のスクリューでロッドのストロークを調整する事で補正量を変えて完爆時のチョークバルブの開き具合を調整出来るようになっています。
エンジンを始動してダイヤフラムのロッドが引かれれば作動は正常です。
チョークノブを全引きすると連動してスロットルバルブが開かれてエンジン回転数が高くなるようになっています、本題が遅くなりましたが(笑)これがファーストアイドル機構です。
チョークノブを引いていくと途中から少し重くなるのはスロットルバルブを開くからです。
画像の矢印のロッドがチョークと連動してスロットルバルブを開きます、ファーストアイドル時のエンジン回転数の調整はこのロッドを曲げて行います。
普通は大きく狂うものではないので調整する機会は少ないとは思いますが^^;
Posted at 2009/02/26 23:38:50 | |
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