
今ではキャブの車も生産していませんから昔のようにキャブ調整をするといった機会は旧車オーナーくらいしかない事でしょう^^;
画像のコスモAPのキャブはAAS(エアアジャストスクリュー)とMAS(ミクスチャアジャストスクリュー)の2つの調整スクリューがありますがアイドリング回転数は上側のAASだけで調整するのが基本です、このキャブはエアバイパス式なのでアイドリング時のスロットルバルブ開度はいじらずにアイドリング回転数を調整出来るようになっています。
ノンAP用キャブはアイドリング回転数をスロットルバルブ開度で調整するようになっていますがAP用キャブはスロットルバルブの開閉を検知するアクセルスイッチが付いているのでスロットルバルブ開度を調整するとアクセルスイッチの調整もしなければいけなくなるのでアイドリング調整時に、いちいちアクセルスイッチの調整をしていられないのでAP用はエアバイパス式にしたのではないか?と推測します^^;
下側のMASはアイドリング時の燃料流量の調整を行なうものです。
アイドリング時の燃料供給はキャレター内のスロージェットで燃料が計量されエアブリードで空気が混入されて泡状になったもの(エマルジョン)がアイドルポートという穴から供給されるようになっていますがMASはこのエマルジョンの量を調整するスクリューで、これの調整でアイドリング時の空燃比が変わるのでアイドリングの安定性や排ガス濃度に影響します。
MASを閉めすぎればエマルジョンの供給量が少なくなり混合気が薄くなりますがアイドリング時は濃い混合気を必要とするので混合気が薄くなると失火するのでアイドリング不安定やサーマルリアクターが十分な酸化反応が出来ないので排ガス中のHCが増えて目が痛くなります^^;
MASを緩めすぎると混合気が濃くなり過ぎるのでサーマルリアクターが反応し過ぎて過熱の危険がありますから調整としては独特の甘い匂いがする状態になるように出来るだけMASを締めこんで調整すると燃費面でも経済的です。
アイドリングの状態と排ガスの匂いで調子を探りながらキャブを調整・・愛車との一体感?を味わえる旧車ならでは楽しみの一つですね、まぁ私の場合は冬は乗らないので一度調整したら殆ど調整する事はないんですが・・^^;
Posted at 2010/09/09 00:14:13 | |
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