
マツダがRX-8の生産を中止した事でロータリーエンジンは生産中止になってしまいましたがロータリーエンジンは模型用でも生産されていました。
画像のエンジンがその模型用ロータリーエンジンで、小川精機という模型エンジンメーカーがラジコン飛行機用として生産していたんですが、そのエンジンも遂に生産を終了してしまいました。
寂しい話ですが、ロータリーエンジンを模型化した事に敬意を表して模型用ロータリーエンジンについてちょっと観察してみたいと思います(といっても実物は持ってないんですが・・)
小川精機が模型用ロータリーエンジンを発売したのは昭和45年・・コスモスポーツの発売から3年後の事ですが、その翌年の昭和43年には既に試作品が完成していたのだそうです。
模型用とはいえ、市販可能なレベルのロータリーエンジンを作る事は大変だったようです、でもそれを実現させた事は実に素晴らしいですね(゚∀゚)
市販されたのは1ローターですが試作品では実車同様の2ローターもあったそうです、マツダがロータリーエンジンの開発を始めた初期は1ローターで試作していましたが2ローターのほうが振動を少なく出来る事から2ローターになりました、模型用2ローター試作品は熱や燃費の問題で市販化は出来なかったようです^_^;
昭和45年に発売された小川精機のロータリーエンジンは改良をされながら40年以上も生産されてきました、初期の頃のものは混合気の吸入方式が実車同様のサイドポート式だったそうです。
サイドポート式とはローターを前後で挟む状態で付いているサイドハウジングに吸入口を設けて混合気を吸入させる方式です、ロータリーエンジンの開発当初はペリフェラルポート式といって回転するローターの外枠部分(ローターハウジング)に吸気口を設けて吸入させる方式でした。
このペリフェラルポート式は混合気が直線的に吸い込まれるので吸入抵抗が少なく、高回転には有利ですがオーバーラップ(吸気口と排気口が同時に開いている時間)が多いのでスロットル開度が小さく吸入混合気の量が少ない低速域では排気ガスが吸入工程の作動室に多量に入り込んで混合気が希釈されてしまい燃焼が安定しないという欠点があります、その対策でオーバーラップを少なくしたサイドポート式が採用されました。
ただ高回転ではペリフェラルポート(RE乗りは略してペリと呼びます)の方が有利なので競技ではペリのほうがパワーを出せますね。
初期はサイドポート式だった小川精機のロータリーエンジンも途中で設計変更されてパワーの出せるペリになりました、模型用エンジンなので実車のようにシビアな低速性能が求められるわけでもないでしょうからパワーが出せるペリにしたのかな?

では内部を見てみましょう、ローターのトップにアペックスシールが付いてますね、レシプロでいうとピストンリングに相当します、作動室の気密を確保するロータリーの要ともいえる部品です。
実車のロータリーエンジンはアペックスシールの他にローターの側面の気密を確保するサイドシールやコーナーシールがありますが小川精機のロータリーエンジンはアペックスシールだけの構成です。
このエンジン、本来はラジコン飛行機用ですが大きさ的にはRCカーに搭載する事も可能です、もちろん改造が必要ですが実際にロータリーエンジンを載せたRCカーを製作した方もおられます、私もやってみたいなぁ♪
ところで・・模型用ロータリーエンジンは小川精機だけではなく日東工作所という会社でも製造されています。
こちらのロータリーエンジンも1ローターで、エンジンの形状は小川精機のものとそれほど変わらないのですが、日東工作所のロータリーエンジンは小川精機のものよりも排気量が大きくて当然ながらエンジン自体も大きいのでRCカーには搭載出来ません、大型のラジコン飛行機用ですね。
排気量が大きい事もあってか?作りはかなり本格的です。

こちらは実車のロータリーエンジン同様にアペックスシールはもちろん、コーナーシールやサイドシールも構成されています。

アペックスシールも何と!実車同様の分割式です、これは完全に実車のロータリーエンジンの縮小版ですね、模型の大きさでこれらの部品の精度を出すのは凄いです。
それにしても小川精機も日東工作所も実車でさえ難しいロータリーエンジンを模型化するのですから素晴らしい技術ですね(^^)ロータリー乗りならインテリア代わりに部屋に飾っておくのもいいでしょうね(´▽`)
Posted at 2013/11/06 23:48:15 | |
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