
昭和40年代に自動車の普及と共に排気ガスによる公害が社会問題となり、やがて本格的な排気ガス規制が実施され各自動車メーカーはその対策に追われる事になりました。
ロータリーエンジンはNoxの排出量がレシプロエンジンの約3分の1と少ないので排気ガス対策には有利でしたがコスモの複雑なREAPSシステムを見るとマツダがそれなりに排気ガス対策に苦心した様子が伝わってきます。
もちろん排気ガス対策に苦心したのはどのメーカーも同じでしたが各自動車メーカーはそれぞれ独自の手法で排気ガス対策に取り組んでいました。
トヨタの排気ガス浄化システムのTTC、画像のクラウンは酸化触媒とEGRによるTTC-C方式を採用
これはオーソドックス?な方式で酸化触媒でCOとHCを浄化してEGRでNoxの排出量を抑えるものです。
日産の排気ガス浄化システムのNAPS、基本的にトヨタのTTC-Cと同じく酸化触媒とEGRの組み合わせです。
三菱の排気ガス浄化システムのMCA、マツダのロータリーと同じサーマルリアクターに加えてEGRを装着。
イスズの排気ガス浄化システムのI・CAS、酸化触媒にEGRの組み合わせでTTC-CやNAPSと基本的に同じ。
そして有名な?ホンダのCVCC、副燃焼室に濃い混合気を導入して点火しその火炎で主燃焼室の希薄混合気に点火して(複合渦流層状燃焼)結果的に希薄燃焼を可能とし触媒やサーマルリアクター等の後処理装置が不要という画期的なもの、スゴイ!
ダイハツの排気ガス浄化システムのDECS-C、レシプロエンジンでは一般的な酸化触媒にEGRの組み合わせ。
スバルの排気ガス浄化システムのSEEC-T、総アルミのエンジンで冷却効率が良く燃焼温度が適度に保てる事で希薄燃焼を可能にし排気ガスに二次エアを送り込んで酸化反応を促進、CVCCと並んでレシプロエンジンでは画期的なシステム。
スズキの排気ガス浄化システムのSuzukiTC、ハニカム触媒を2段装着。
と・・各社とも苦労しながら独自の方式で規制に対応させるべく努力していたのですね。
やがてO2センサーの実用化で三元触媒が効率的に使用出来るようになった事や電子制御化が進んで国産車は80年代に入りパワーウォーズへと突入していきます。
排気ガス対策車は走行性能が悪いと嫌われましたがメカニズムやデザイン等、現在の車に進化する際の過渡期の車だった事が私には却って魅力的に映ります^_^;
確かにパワーダウンしたりスポーツモデルがカタログから消滅したりとネガティブ要素もありましたが排気ガス規制があったからこそエンジンがより一層研究され現在の高性能化に繋がっていると私は思います。
排気ガス規制の頃の車たちは現在の高性能車を生み出す礎を築いた功労者?私にはそんな気がします(笑)。
Posted at 2008/06/02 23:56:02 | |
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