
排気ガス規制後のロータリーエンジンには必ず装着されているエアポンプ・・一見するとパワステのポンプか何かのように見えますね、知らない人が見たら何だコレ?と思うでしょう・・^_^;
コスモAPの年代はレシプロエンジンでもエアポンプが付いている車もあったんですが今ではエアポンプが付いているのはロータリーエンジンのみです。
このエアポンプ、ロータリーエンジンの排気ガス濃度を下げるためには必須の装置です、ロータリーエンジンはHC(炭化水素)の排出量が多いという特性を利用してサーマルリアクターという湯タンポのような形状のチャンバーの中でHCを酸化反応させ(燃やすわけですね)浄化する方式を採用しています。
高温の排気ガスに空気を吹き込む事で排気ガス中の未燃焼成分であるHCに酸化反応を起こさせるわけですね、ロータリーエンジンにはうってつけの方法です。

これが‘燃える湯タンポ‘サーマルリアクターです、この中で排気ガス中のHCを燃やすのでサーマルリアクター本体は、かなりの高温になります。
このサーマルリアクター内で酸化反応を起こさせるためには当然ながら空気を送り込まなければいけません、その空気を送るのがエアポンプというわけです。

しかし、ただエアを入れればいいというものではなく、酸化反応を起こし易いように排気直後で排気ガスの温度が高い排気ポート内にエアを噴射しています、画像の排気ポートに対して下から右斜め上になっている部分がエアを噴射するノズルです、このように排気ポート内にエアを噴射するようになっています。
このように排気ガスの浄化には重要な役割があるエアポンプですが、もう一つ役割があります、それはアイドリングと低回転時の燃焼の安定です。
というのは吸入工程の始まりで排気ガスの残留分が吸入される事(内部EGRと呼ばれます)で失火を起こす等、燃焼が不安定になるのです、混合気の吸入量が少ないアイドリングや低回転時は特に影響があります、これはレシプロでも同じですがロータリーエンジンは構造上、プラグの電極を燃焼室内に突出させる事が出来ないので着火条件が厳しく燃焼が不安定になり易い面があります。
エアポンプから送られたエアは吸入工程で残留排気ガスに換わって吸入される事により残留排気ガスによる失火を防ぎ燃焼を安定させます。
エミッションコントロールの為だけの部品と思われがちですが結構重要な役割もあるんですね^_^;
Posted at 2012/03/25 21:34:52 | |
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