
コスモAPにはリミテッドとスーパーカスタムにセーフティーパネルが標準装備されている事はオーナーさんには周知の事ですが、このセーフティーパネルは集中警告灯でして天井に装着されています、当時の流行ですね(´ー`)
このセーフテーパネル、エンジン始動前にキーがONの位置で各ランプが全て点灯するようになっていて電球が切れていないかチェック出来るようになっています。
このテストモードでの全点灯はエンジンが始動すると消灯します、エンジンが始動してオルタネーターが発電(チャージ)を始めるとその作用で消灯する仕組みになっています。
なので発電系にトラブルが起きてチャージをしなくなるとチャージランプが点灯するのはもちろん、セーフティーパネルも全点灯するのですぐに分かります。
ではセーフティーパネルと充電系統の関係は・・

まずは充電系の事から・・これはオルタネーターに挿さっているカプラー・・F端子、E端子、N端子に繋がる3本の配線があります。
E端子はアースなので、まぁこれはいいとして・・F端子、これはオルタネーター内のローターコイル(プーリーで回されるローター部分)に流す電流(励磁電流)を供給する端子です。
オルタネーターは回転するローターコイルに励磁電流を流して発電する仕組みですがボルテージレギュレーターは励磁電流を増減してオルタネーターの発生電圧を一定に保つようにする作用をしています。

エンジンを始動せずにキーONの位置でこのF端子にバッテリー電圧が来ていれば正常です(画像は私の青コスモで撮ってますが少し電圧降下してますね、ヒューズ部分で測定しても同じなのでエンジンキーSWかコネクターあたりで電圧降下しているのではないかと・・^_^;)ここにバッテリー電圧が来ていなければヒューズ切れかボルテージレギュレーター不良、もしくは配線不良となります。
測定電圧がバッテリー電圧より大幅に低ければボルテージレギュレーターの接点不良の可能性があります、この場合はボルテージレギュレーターを交換ですね。
なおF端子の電圧を測定する時はオルタネーターからカプラーを外した状態で測定します。

次にボルテージレギュレーターのフタを外して中を見てみます。
この角度だと分かりづらいですがコイルが2つあります、説明するのは非常にややこしいので簡単にいきます、画像左側は励磁電流調整用コイルでこれはいいんですが、右側がとりあえずチャージランプとセーフティーパネルの消灯用・・としておきます^_^;

これは横から見たところ・・この角度だとコイルが良く見えますね(紙が巻いてある部分)このコイル、要は電磁石なんですがコイルの電磁力で矢印の方向にL字アームが引かれる事でL字アームの接点がON、OFFする仕組みです。

これは励磁電流調整用の接点・・真ん中の接点は調整用コイルの磁力で引かれる事で動く可動接点で、バネの力で低速側接点に押し付けられています。
エンジン回転が低くオルタネーターの発生電圧が低い時は調整用コイルの電磁力も小さいので可動接点は画像のようにバネの力で低速側接点にくっついた状態になっています、そうすると励磁電流が低速側接点を通ってローターコイルに全て供給されるのでオルタネーターが発電を行います。

エンジン回転が上がって調整用コイルの電磁力が増えると調整用コイルの磁力が可動接点を押し付けているバネの力に勝つ事で可動接点が引かれて低速側から離れます、この状態では低速側、高速側どちらにも可動接点が触れていないので励磁電流は調整抵抗を通ってローターコイルへの供給を制御される事でオルタネーターの発生電圧が規定値以上に上昇するのを防止します。

更に回転が上がって調整用コイルの電磁力がもっと増えると可動接点は高速接点側に引かれてくっつきます、そうすると励磁電流は高速側接点を通ってアースされてローターコイルに供給されなくなるので、やはりオルタネーター発生電圧が規定値以上に上昇しないようになっています。
エンジン回転が下がってオルタネーターの発生電圧が低くなれば可動接点はバネの力で戻ります、これらの作用を繰り返してエンジン回転数に関係なくオルタネーターの発生電圧を一定に保つようになっています。

次に右側のほう・・画像上の接点はセーフティーパネルのテストモードのアースとチャージランプのアース用の接点です、この状態では接点が繋がってますね、この時はセーフティーパネルの各ランプを点灯させた電流とチャージランプを点灯させた電流がこの接点を通ってアースされています、なのでどちらも点灯した状態になります。

エンジンが始動するとオルタネーターのN端子に出力電圧が出ます、その電圧がコイルに作用すると接点が引かれて画像のように接点が離れます、するとアースが断たれるのでセーフティーパネルとチャージランプが消灯します、そして今度は下にある接点が繋がっていますね、この接点は励磁電流調整コイルのアース用の接点です。
この接点がくっつく事で励磁電流調整コイルが作用して励磁電流の制御が行われるので万が一、N端子からの配線が断線したりするとチャージランプやセーフティーパネルが消灯しないだけでなく励磁電流調整コイルが作用しないのでエンジン回転が上がっても低速側接点がくっついたままになるのでオーバーチャージ(過充電)になります。

N端子はステータコイルのスター結線の中性点の出力端子ですがオルタネーター発生電圧の約半分の出力になりますので7V位になります(ちょっと専門的過ぎますね・・^_^;)

ここでちょっと実験・・矢印の配線がセーフティーパネルとチャージランプのアース線です。

この配線をアースさせると・・

エンジン始動中でもセーフティーパネルが点灯します、という事はこの配線が何処かで擦れたりして車体金属部に触れるとエンジン始動中でもアースされてセーフティーパネルが点灯する事になります、でも配線不良でセーフティーパネルが消灯しないケースは少ないでしょうね。
ちょっと難しい事を書きましたが私自身が勉強する意味合いもありますので・・^_^;それにしても車の構造って難しい・・( ̄∀ ̄)
Posted at 2012/11/26 00:30:03 | |
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