
久し振りの更新です(`・∀・´)コスモに乗れない冬は何も出来ないのでネタもなく・・(笑)
今回はDCバルブについて書いてみようと思います。
排気ガス対策時のロータリーエンジンはリープスという浄化システムで排気ガス規制をクリアしていました、このリープスは1から始まり2、3、4、4E、5、5E、53年規制リープスという具合に進化していくんですがコスモAPがデビューした当時、ロータリーエンジンにはリープス5という排気ガス浄化システムが採用されていて、DCバルブ(デセラレーションコントロールバルブ)という物が装着されていました。
このDCバルブのエア吸い込みによるエンジン不調は結構あるので今回はこのDCバルブの作動の仕組みについて書いてみようと思います。

まずは整備解説書に出ているこの断面図・・DCバルブはコースチングバルブ(CstV)とアンチアフターバーンバルブ(AAV)という二つのバルブが一体になったもので一見すると複雑そうですが仕組みが分かれば簡単な構造です、ダイヤフラムで空気室と負圧室に仕切られた空間(ここでは作動室と呼ぶ事にします)と、それぞれのダイヤフラムに接続されたシャフトに付いたバルブが付いています。

アンチアフターバーンバルブ(AAV)の作動室を例に着色してみました、赤い色が気圧が高く、青いほうが気圧が低い状態です、気圧は高いほうから低いほうへ移動しますから、この状態だと高いほうの気圧にダイヤフラムが押される事でダイヤフラムに接続されているシャフトが押されてバルブが開きます、これがDCバルブの基本作動原理です。
ではAAVの作動を見てみます、AAVは減速時にスロットルバルブが全閉になった際にインテークマニホールドの負圧が急激に高くなる事でインテークマニホールド内壁に付着した燃料が一気に気化して混合気が過濃になるのを防止するため、インテークマニホールドにエアを供給する(積極的にエアを供給するというよりエアを送る通路を開けるという表現が正しいですね)ものです。
通常の走行時は空気室への通路はソレノイドのニードルで閉じられているので作動室内の負圧室側にインテークマニホールドの圧力が導入され、この圧力はダイヤフラムに開けられた小さな穴(バランスホール)を通って空気室にも導入され、空気室と負圧室の気圧の差がないのでダイヤフラムは押されないためバルブは閉じています。
減速してアクセルを離してスロットルバルブが全閉になるとインテークマニホールド内の負圧が高くなる事で負圧室の気圧が低くなるため空気室の気圧でダイヤフラムが押されてバルブが開き、エアがインテークマニホールドに供給されます、そしてダイヤフラムのバランスホールで両室の圧力差がなくなるとバネの力でバルブは閉じます。
なおアクセル全閉のアイドリング時はインテークマニホールド内の負圧も高いですが先述のようにダイヤフラムのバランスホールで両室の気圧の差がないためバルブは開きません。
このようにバルブが開く条件は空気室の気圧のほうが負圧室の気圧より高い状態、そして負圧室の気圧が急激に下がった場合・・つまり減速時ですね。
定速時や加速時は・・空気室と負圧室はバランスホールで繋がっていますから同じ気圧になるわけですが当然ながら両室とも減速時より高い気圧になっています、そこで減速して急激に負圧室の気圧が低くなればバランスホールで両室の気圧が同じになるまでは空気室の気圧でダイヤフラムが押されてバルブが開くわけですね。
AAVは他にも開く条件があるんですが今回は減速時の作動だけを書いてみまし
た。

これは以前に作ったバンダイ1/20コスモAPのエンジンルーム・・ちゃんとDCバルブが再現されています、しかもパイピングまでするようになっています(このパイピングの作業が大変でした)40年前のキットながら精密ですね(゚∀゚)
Posted at 2015/02/17 00:43:25 | |
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