
遅くなりましたが新年あけましておめでとうございます、といってもコロナ禍は相変わらずで緊急事態宣言も発令されて新年の祝賀ムードはないですが・・コロナに感染しないようにマスク、うがい、手洗い等、私も気を付けていますが目に見えないだけに怖いですね、医療従事者の方々には心より応援を申し上げる次第です。
今日はコスモのボンネットにお供えした鏡餅を降ろし、ボディーに被せている毛布をめくってダッシュボードが割れていないか、ちょっとビビリながら確認しました(^^;)

割れてなくてホッとしました、何年か前のお正月にエンジンをかけてその時は何ともなかったのに、その2日後にダッシュボードが割れていたのにはビックリでした。
割れを修理して初めての厳寒期ですが、素材が収縮する厳寒期は特に割れやすくて心配になります、ここ数日は朝の気温がマイナス20℃位でしたので厳寒期のテスト?としてはうってつけだったかも知れません、この気温で割れていなければ暫くは大丈夫でしょう(^-^)
いつもならエンジンを始動するところなんですが厳寒期に無理にエンジンをかけるのもなぁ・・というのとアイドリングしか出来ませんからカーボンが溜まるような気がするので冬季はエンジンをかけない事にしました、エンジンをかければヒーターも使いますからダッシュボードに寒暖差を与えるのも良くない気がして・・まぁ衝撃を与えたりしなければ大丈夫だと思いますが。
そういえば以前に隣町のワンオーナーのコスモAPオーナーさんが冬の夜に踏切の段差を通過した際にバキッ!と音がしてその時は夜で分からず、翌朝に乗ったらダッシュボードが割れていたと言っていました、冬は気温の低下で素材が硬化したり収縮する事でダッシュボードには厳しい季節ですね、白コスモも冬眠している間にダッシュボードが割れていたし(^^;)何はともあれダッシュボードが無事で何よりです(笑)

冬は何も出来ないので、せめてもの作業という事で代替ローターハウジングを部屋に持ち込み、以前にプラグホールを拡大した際の切削痕が粗いのでGM-8300という高性能の金属粉入りエポキシパテを塗って磨きました、まぁ性能には全く関係ないし大して目立たない部分ですから完全に自己満足ですが(笑)このGM-8300というパテはなかなかの優れモノで、10年前に白コスモの外装を部分補修した際に鈑金パテの代わりに使いましたが施工して10年が経過してもパテ痩せや剥がれは一切なくエポキシで防錆力も優れているので錆も出ていません、接着力が強く耐熱性もあり、私は信頼して使っていますがちょっと高価なので鈑金パテの代わりにするには面積が少ない個所でないと不経済かも知れません。

メッキが剥離したコスモのローターハウジング・・予想外のメッキ剥離で苦労するハメになったわけですが40年以上経ってますからね、まぁ仕方ないですが・・(^^;)
ロータリーエンジンといえばアペックスシールの開発にマツダが苦心した事はロータリー車オーナーさんなら良く御存知だと思います、ロータリーエンジン発売当初はアルミニウムを含侵させたカーボン製のアペックスシール、そして排気ガス規制や燃費改善でシール性に優れた分割タイプの金属製のアペックスシールへと進化していきました、しかしロータリーエンジンにとってアペックスシール同様に重要なのがローターハウジングのトロコイド面の処理でした。
ローターハウジングはアルミ製なのでアペックスシールが接するトロコイド面には耐久性を確保するためにクロームメッキされていますがコスモスポーツのような初期の頃のローターハウジングはアルミの地肌に直接クロームメッキをしていました、しかしクロームメッキの密着が良くなかったので昭和45年にカペラがデビューした際の新型12Aのローターハウジングはアルミの上に炭素鋼を溶射してその上にクロームメッキを施して密着性の向上を図り、これをTCP処理と呼んでいました。
やがてトロコイド形状の鋼板をハウジングに鋳込み、その上にクロームメッキを施すSIP処理へと変化しました。

これはコスモのローターハウジングのトロコイド面です、矢印の部分を良く見ると鋸刃のようなギザギザがありますね、このギザギザの部分がハウジングに鋳込まれた鋼板で、ハウジングとの食い付きを良くするためにこのような鋸刃の形状になっています、そしてクロームメッキ処理の際に電極の電流操作でメッキの表面に網目状の微細な傷を付ける事でオイルの油膜が保持出来るようになっています、ポーラス処理と呼ばれるものです。

これはサイドハウジング・・コスモスポーツのエンジンはサイドハウジングもアルミ製なので耐摩耗性向上のために炭素鋼を溶射していましたが、それ以降のロータリーエンジンはサイドハウジングが鋳鉄製になり、更に1979年からサイドハウジングに窒化処理という表面硬化処理が行われるようになり、これによってロータリーエンジンの白煙問題は完全に解消しました、しかし私の赤コスモは1977年製で、この処理が行われる前でした(^^;)

ロータリーエンジンはこうした地味な努力によって進化し耐久性も向上しました、ロータリーエンジンの進化は金属素材の表面処理技術の進化でもありますね、進化というとスペックの数値ばかりに目が行きがちですが、こうした表に出ない技術の進歩にはエンジニアの方々の多大な努力があった事を忘れないようにしたいものです(^-^)
Posted at 2021/01/07 22:22:54 | |
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