勘のいい方ならお気付きだと思うが、私のハンドルネームは村上春樹氏がかつて経営していたJazzバーの店名を拝借している。
氏の熱心なファンという訳ではないが、大学時代から読み親しんでることもあり、新刊が出れば一応毎回購読している。
『東京奇譚集』に収められてる同名の短編小説の映画化ということで観に行った訳であるが、これは吉田羊のPVか?と思わずツッコミを入れたくなるような出来栄え。
村上虹郎君は存在感があって良かったが、EXILE TRIBEの佐野なんちゃらは正直戴けん。
ただ、原作で描かれている主人公サチの心情はそれなりに表しているとは思う。
映画の中で、サチが息子の訃報を聞きつけカウアイ島に最初に訪れた際に借りたのがトヨタのタコマ。
10年後の設定では、ブルーのフォード・フィエスタをレンタルしている。
原作でレンタルするのは日本車キラーと謳われたダッジ・ネオンなんだが、映画の時代設定は一応現代ということなので、流石にネオンという訳にはいかなかったのだろう。
代わりに、原作にも登場するウォークマン(もちろんカセットの)を効果的な小道具として用いているのは監督の拘りなのだろうか。
※この監督さんは「ウォーターボーイズ」や「ハッシュ!」に出演経験のある役者出身の方。
村上春樹原作の映画って、殆どが作品的にも興行的にも今一つなんだけど、例外的(あくまで個人的な感想)に好きなのは市川準監督の「トニー滝谷」
村上ファンの市川監督だけあって主人公の喪失感をとても丁寧に描いている。
主人公を演じたイッセー尾形だけでなく、西島秀俊の語りも趣があっていい。
トニー滝谷の妻が乗る車は原作ではブルーのルノー・サンク。
映画ではアンティークベージュのシュペールサンクが使われているけど、絵面的にはこちらの方があってる。
白のコットンシャツを着た宮沢りえがサンクを洗車するシーンが、今でも印象に残っている。
59歳という若さで急逝された市川監督。ご存命であったならば素晴らしい作品を撮られたであろうに残念でならない。
Posted at 2018/11/04 12:41:54 | |
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