通勤時にはいつも車内でFM802を聴いてんねやけど、年末くらいやったかクリープハイプのこの曲に妙に惹かれたんだ。
尾崎世界観の書く曲は割と好きなんだけど、歌詞の「吹き替えよりも字幕で」とか「ウィノナライダーはたばこをくわえてる・・・、一体何本吸った」が心に刺さって珍しくDLしたんよ。
そしたらこの曲をモチーフに松井大悟が映画を撮ったっていうんで初日の昨日観に行った訳。
タクシー運転手の葉と元ダンサーで今は照明スタッフをしている照生の二人の出会いから別れまでを描いてるんだが、物語は二人が別れた後の2021年7月26日の東京から始まる。
映画はオリンピック開催前後のコロナ禍の日常を淡々と切り取りながら、照生の誕生日の一日の出来事を1年づつ遡っていくという演出なんだな。
”Night on earth”もエピソードの切り替えに世界時計が使われてるけど、本作もそれに倣ってか年表示のないカレンダー時計が各パートの切り替わりに使われてる。
この映画、何といっても照生役の池松壮亮と葉役の伊藤沙莉がこれ以上ないくらいはまってんだな。20代女子のタクシードライバーの設定を違和感なくこなせるのなんて伊藤沙莉しかおらんやろう。
八景島シーパラや高円寺の路地裏のシーンも良かったが、冷静に考えると地理感おかしくないかい?
で、この二人に絡んで来る脇を固める役者さんも素晴らしい(さすが『バイプレーヤーズ』を手掛けただけある)。ニューヨークの屋敷も良かったんじゃない?
劇中でもジャームッシュの”Night on earth”の映像が流れるし、主題歌の歌詞と同様に照生の部屋にもポスターが貼られてるんだけど、あのポスターオリジナル版なのかな?あの図柄は初めて見た。
で、映画でも主題歌でもフィーチャーされてたジム・ジャームッシュのオリジナル映画の方は俺も大好きで、ウィノナ・ライダーのL.A編よりもロベルト・ベニーニのローマ編がいっちゃん好きだな。ベニーニは去年観た『ほんとうのピノッキオ』でゼペット爺さん演じてたな。
てな訳で”Night on earth”に出てくるタクシーのミニカー画像があったんで、並べてみた(L.A編はアメ車に興味がなく分らんので割愛)
パリ編はプジョー504
ローマ編はフィアット124
ヘルシンキ編はボルボ144
『ちょっと思い出しただけ』も東京無線のジャパンタクシーとコンフォートが出てくるんだが、やっぱ映画的にはコンフォートの方が画になるよなあ。
クリープハイプの件の曲の歌詞の中にナイトオンの後、「ジャームッシュは一体何本撮った」とあるが、確かにそれ以降の作品はお世辞にもあまりパッとしまへんな。
一昨年『デッド・ドント・ダイ』観に行ったけど、ビル・マーレイやアダム・ドライバーや ティルダ・スウィントンを据えてゾンビ映画を撮ったんで期待して観に行ったんだけどなあ・・・
あ、ガタイの良いアダム・ドライバーが、劇中で赤の初代スマート・フォーツーカブリオに乗ってるのには笑えたわ。20だか30プリウスも出てくるし、セレーナ・ゴメスも首切られてなかったかな?
まとめ:『ちょっと思い出しただけ』はある意味、尾崎世界観が作った作品とも言える。尾崎君も本人役で登場。近年の邦画では俺的佳作としてランクイン。
折角なんで、次はビル・マーレイが出演するあの映画について。
Posted at 2022/02/12 18:51:53 | |
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