GUCCIと聞いて思い浮かべるのは赤×緑もしくは赤×青のシェリーライン。
このシェリーラインを内外装にまとったチンクエチェントは、古今東西のあまたあるコラボ限定車の中でも最も魅力的な一台だと思ってる。
当時GUCCIのクリエイティブ・ディレクターであったフリーダ・ジャンニー二女史が手掛けたフィアット500/500C by GUCCIは、国内には500が300台、500Cが100台しか入ってこなかったんじゃなかったかな?
※拾いもん画像
ちょうど近所のイタ飯屋の駐車場に500C by GUCCIが置いてあってね。まあ、これ以上にないくらい絵になる組み合わせだったな。今は置いてないから売っちゃったのかな?
さて、映画の方であるが、老舗ブランドのグッチにそんな創業者一族によるお家騒動があったとは今回初めて知った。
高級ブランドのお家騒動といえば、日本でもデザイナー君島一郎氏の身内による骨肉の争いがありましたな。こちらもグッチ家に負けず劣らず登場人物のキャラが濃すぎてマスコミと大衆の格好の餌食にされ、結局ブティックは消滅。
グッチがスキャンダルによってブランド価値を棄損しなかったのは、既にアラブ資本に経営権が渡っていたのと、トム・フォードのディレクションに依るところが大きかったのでは。
さて映画の方であるが、何といってもパトリツィアを演じたレディ・ガガがまさにはまり役。アダム・ドライバーも商才もないのに虚勢だけのボンボン社長を上手く演じていたと思う。
それよりパオロを演じたジャレッド・レトの豹変ぶりには驚いたわ!知らない人が見たら『ジャスティス・リーグ』のジョーカー役と同一人物とは思えんわな。
まあ、それなりに面白かったけど、何箇所か突っ込みたいところもあって、
(実は鑑賞前に事件のあらましを予習しとってん)
その①マウリツィオとパトリツィアの結婚式のシーンでBGMがジョージ・マイケルの”Faith”って、二人が結婚したのは1972年だから、ジョージまだ小学生やで。
その②グッチのクリエイティブ・ディレクターにトム・フォードを招聘したのがまるでマウリッツオであるかのように描いてるが、トム・フォードが就いた時にはマウリツィオは既にグッチの経営からは外れていた。
※デザイナーであり映画監督でもあるトム・フォードは”まるでコント”と本作を酷評してるみたい。
その③ロドルフォから株券を相続した際の署名偽装の廉で経済警察だか財政警察の捜査を受けるのだが、捜査車両がアルファロメオの75と155。史実では1990年前後のことなので、1992年デビューの155は存在しないはず。
まあ、細かい部分をあげつらっても仕方ないが、上述のアルファのように車好きには結構気になる車両がいっぱい出てくんねん。
前半でアルドの待つコモ湖の別荘をマウリツィオとパトリツィアが訪れた際に、二人が乗っていたのが恐らくは初代マセラティ・ギブリ。でも改めて予告編見ると、微妙にリアクオーターガラスの面積が大きいんだよな。
マウリツィオ殺害の犯人が犯行時に乗っていたのが深緑の初代ルノー・ルーテシア前期型。
それよりも何といってもグッチの社長に就いたマウリッツオが、はしゃいで買った白のカウンタック25thアニバーサリー!!
いつの世も金と権力手にすると、クルマとオンナに走るのは定番ですなあ~
そして足元はお約束のホースビットローファー。
うちの女房もグッチが好きでねえ、GGキャンバスのバックや時計なんか買わされたけど、俺はグッチ(てかハイブランド全般)なんて全く興味ねえ。成金趣味のビットローファー買う金あったらAldenかJ.M.WESTON買うな。
※20代の時にNYに遊びに行った時、会社の女の子にビットローファーを頼まれて、5番街のブティックに買いに行ったなあ。
2時間39分という比較的長めの尺だけど、美しいコモ湖やサンモリッツ(実は撮影はグレッソネイらしい)などのリゾート地に、セレブ一族の裏側に殺人事件も絡んでって、まるで二時間サスペンスドラマ(笑)
悪い意味じゃなく、考察云々よりも純粋に娯楽映画として楽しむ作品。
Posted at 2022/01/31 21:10:28 | |
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