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ソラノムコウのブログ一覧

2020年10月18日 イイね!

5.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編

5.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編秘密のプライベートビーチを後にして車に乗り込む。
だが、ここでコバルトラインに戻れば良かったのだがわざわざ沿岸部に沿って走ることにした。

テト『おい、女川に行くんじゃないのか?』

「ああ、昔ね。この道を通って行った時に考えていた事があってね、あの頃の気持ちに戻ってみたいと思ってたんだ」

テト『なんだそれ?いちいち君は面倒くさいな』
テトは怪訝な表情をしながらもしょうがないなと言わんばかりに小さくため息をついた。
この道を全く知らなかったときに道の先を知りたくて好奇心の赴くままに走った。あの頃のような新鮮な気持ちになれるかどうかはわからなかったが昔の自分に出会えるような気がして走りたくなったのだ。
「確かにそうかもしれないね、はは」

すると途中に不自然に開けた駐車場が見えた。

「なんだここ?」


駐車場の中にはポツンと小さな看板があった。作品はこちらと書いてある。

確かこれは…数年前にあったアートフェスティバルみたいなものがあったんだけど、その残骸のようだ。

ああ、そうだ!ここにツリーハウスもあったんだ。確かそうだ。
なんかのネットニュースで一時期盛り上がったのを覚えている。その時は全く牡鹿半島に近付こうとは思わなかったんだが…。目の前に山のように積み重ねられた仕事に圧倒されていたのだ。
車から降りて周辺を散策するもツリーハウスは残念ながら消失していた。残骸すら残ってない。

誰かが歩いたような階段があったがそれも腐食しており虚しく自然に還ろうとしていた。

その反対方向には『白い道』と題された作品が今でも残っていた。


誰も管理していないようでかなり草が生い茂っている。コンスタントに誰かが訪れるスポットだったらいいのだが…これではなぁ。

ちょっとガッカリしながらも先へと進む。

テト『おい、まだ先に行くのか?何があるんだ?』

「うーん、わからない。何となく道の先って気になるじゃない?行っても何も無いんだろうけど…とりあえず先っぽまで行ってみようか」

歩きにくい玉砂利の道を歩いていく。


テト『蚊に刺せれたお…たくさんいるお!』

た、確かに蚊が尋常ではない。もうこんなに涼しくなっているのに蚊がこんなにいるなんて…気が付けば至る所を刺されている。
久々に現れた人間に歓喜しているようだ。空腹に苛まれ凶暴化した蚊が次々に刺しては血を吸っていく。

「かいぃぃ!」
ボリボリ掻きながら思った。
好奇心は猫を殺すってな…この先に何も無かったらきっとテトは不機嫌になるだろう。あるにしても何があるのかは疑問だが…。


テト『足刺されたお!』

「ええ!大丈夫?どれどれ…」
テトの太ももにポツンと赤い斑点が出来ていた。


テト『うう…痒いお~』

「あまり掻かない方がいいよ。あとからムヒとか塗れば大丈夫だよ」

(それにしてもなんという絶景…!)


道の先が見えてきた。何となく嫌な予感が的中したようだ。


見事に何も無い…。道の先は茂みだった。道自体が作品だったのだ。


周りを見回しても何も無い。
目の前には金華山。ああ、そうか。この景色自体が道の先のゴールだったのだ。
そして道は自然に還ろうとしているのか。


テト『…帰ろっか?』

「そうだね…」

とにかく蚊が多くて長居は無用。やや上り勾配となり体力を大幅に消耗しながら駐車場へと戻る。

とにかく自然に還ろうとしていたのだ。人の仕事というものは時間と共に失われていくのだと実感した。

あの作品だって出来上がった時は多くの人が集まったかもしれない。

牡鹿半島は時間に取り残されたものが多いな。私の気持ちだってそうだ。好奇心の赴くままに走ったあの頃…。

あれ?

あの頃と変わってないぞ?
取り巻く環境や交友関係など。仕事もそうだ。
私もまた過去に囚われ時間に取り残されてる存在なのかもしれないな。

考え事をしながら走ってるとやたらに道路に落ち葉が散乱している。

テト『なんかおかしくないか?誰もここを走ってないような感じじゃないか?』

うむ。確かに轍も無いしかなり前から車は走ってないような気がする。
何となく不安な気持ちを抱えながらも走っていく。

テト『あっ!?』


「なんてこった…」
道が完全に塞がっていた。はっきり言ってこれ以上は進めない。それにし転回する場所も無い。つまり…走ってきた道をバックで戻るしかないのだ。

この道もまた自然に還ろうとしているのか?

ここまで進んできた倍の時間をかけて戻った。はっきり言ってバックは苦手だった。

元の道に戻りコバルトラインを走る。スイフトRSの走行性能は実に良い。次から次に現れるコーナーを軽快にクリアしていく。
そしてゴールである女川に到着した。


テト『駅が綺麗だな!』

うん、温泉も併設されてて実にオシャレな外観になっているよ。目の前には商店街があるしこれからどんどん面白い町になっていくと思うよ。

そう、震災で壊滅的な被害を受けた女川は着実に生まれ変わろうとしているのだ。
以前は正直に言うと寂れた漁師町といった風情だったが今は比較的若者も多く訪れる町になった。

とりあえず今日の旅はここまでだ。

「女川で美味しい海鮮丼でも食べていこうか?」

テト『やった!』


訪れたのは商店街のメインストリートから裏手にある
『ニューこのり』さんである。

入口は高級料亭っぽいが至って庶民的なお店だ。

確か仮設店舗時代にあの井之頭五郎さんが訪れている。孤独のグルメだ。
あの時は何を食べたんだっけなぁ…思い出せないな。

とりあえずオーダーしたのは

三色海鮮丼。
ん~実に美味しそう!
まるで宝石箱のような美しさ。


すごくキラキラしてる。なんか休日にこういう贅沢すると気持ちもリフレッシュされていいな。

おや?テトさんの姿がないぞ?

全く、いつも神出鬼没に現れては突然いなくなるんだな。

今回のドライブでスイフトRSがすごく楽しい車だということは再認識した。
これからも頼むぜ!相棒!




次回予告

「うへ~酔っ払ったのだ~」
私は青森県八戸に滞在していた。これまた新しい土地での暮しだ。
いつになったら定住の地に巡り会えるのかわからん。

おっと、美味しい肴に美味い酒。こんないい街だったらずっと住んでもいいかなぁ。

などとぼんやり考えていたら目の前に可憐な女性が現れた。

テナ『ふふ、ソラノさんったらまたここでサボってるんですか?』

テ、テテ、テナさん!?

こうして偶然というか突然現れたテナさんと行動を共にすることに!?


『テナテナうぉーく~八戸恋慕情編』




あるかもしれない…。ないかもしれない。
Posted at 2020/10/27 10:26:32 | コメント(1) | トラックバック(0) | テトテト散歩 | 日記
2020年10月07日 イイね!

4.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編

4.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編御番所公園を出て車で五分程走ると1軒の廃墟が存在する。
かつてはドライブインだったようだが今は見る影もない。
ここで食事が出来たらさぞ楽しかったろう。栄枯盛衰…。


廃墟の脇に小さな舗装路がある。路肩が崩れており長いこと放置されているようだ。

テト『もしかしてここから歩くのか?』

「そうだよ。ちょっと過酷な道だけど我慢してね」

廃墟脇の道を下る。非常に荒れてて足元も悪い。
ある程度の管理はされているようだが殆ど朽ち果てており普通の人は決して近付かないだろう。


テト『本当にここ大丈夫だろうな?』

「大丈夫だよ。転んだりしないようにね。あ、それとこの辺はヤマビルが出るから気を付けて!」

テト『ヤマビル!?』

「おん。今日は涼しいから大丈夫だとは思うけどこの辺にはヤマビルが多く生息してていつ間にか足に食い付いてたりするんだよ。食いつかれたら厄介だから気を付けて!」

私が夏場に近付かないのはこういう理由で蚊、蜂、虻、ヤマビルと無傷で帰還するのは非常に稀なのだ。
道も荒れてて危険とくれば尚のことだ。

テト『一体どこに行くつもりだ?』

「プライベートビーチ」

テト『プライベートビーチ!?凄いな!君が所有してるということなのか!?』

「いやいや、まさか。みんなのプライベートビーチってことだよ。閑散期には独り占めできる場所だからね」

テト『そうだと思った…君がそんなお金持ちになれるわけないもんなぁ…』

「ははは、お金持ちになってもビーチなんて買えないよ」

しばらく降りていくと草むらの中に看板を見つける。

テト『ん?霊洞があるのか?そんなのどこにも無いぞ??』

そうここには悲しい歴史があって霊洞と云われる洞窟があるのだ。だが、看板の周りには存在していないトラップだ。

「ここには無いよ。下の砂浜にあるんだ。もっともにしてこの時間帯じゃ行けないけどね…」

テト『どうしてだ?』

「干潮時じゃないと行けないんだよね。今は満潮に近いだろうから水没してて入れないと思う」

テト『へぇ…でも看板によると…』

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平安の昔平泉から財宝を積んで北上川を下り京都に向かう途中暴風のため遭難した際にうら若き女性がただ一人が助かりこの洞窟に住みついたが前は海後は断崖絶壁のため発見されることなくこの世を去ったという。この洞窟で千年もの間供養もされずにいたため霊魂は没しきれずにいたためか附近を通る船は幽霊を見たと伝えられたが不治の病で七年間床に伏していた秋田県の信隆寺住職の妻に霊魂がのりうつりこの地に来て供養を行ってから幽霊も出なくなりその後この地に来て供養すると不思議と病が治ることから霊洞として知られるようになったと伝えられる。

--------------------

テト『だそうだ。住んでいたということは水没してなかったんじゃないか?』

「真偽はわからないけど震災等で地盤が沈下したんじゃないかな?いずれにしてもここで遭難したのに今じゃ人が行き来してるなんてね」


テト『おお!海だ!』

結構波が荒い。以前から荒波が来るスポットであった。

テト『おお!大変だ!人が溺れてあるぞ!!助けないと!!』

「なに!?マジか!?」
これは困った。私は泳げないのだ。かなり嫌な予感がして海を見ると確かに人影がある。

「あれはサーファーだよ。ここは波乗りスポットだから季節問わずにサーファーが訪れるんだよ。あー!ビックリした」


テト『ボクも驚いたお…こんな季節に海に入ってるなんて思わなかったから…』

テトは恥ずかしそうに頬を赤らめると私を凝視する。

「どうしたの?」

テト『もし…もしもだぞ!ボクが溺れていたら…君は助けに来てくれるかなと…』


テト『え…と、今のナシ!大体ボクが溺れるわけないしな!君なんかに助けを求めないお!』

「ははは、確かにそうだね。逆に私が助けてもらうかも」


左手には滝がある。結構落差がある。


テト『山に海に滝に自然が盛り沢山だな』

「結構アクティビティに溢れてるでしょ?知る人ぞ知る砂浜なのだよ!」


テト『凄い波だな』

「波乗りにしては嬉しいだろうね。人も滅多に来ないし。んで霊洞はあそこだよ」

指差した先には当然道など無く岩に波が叩きつけられていた。

テト『あそこにずっと一人でいたのか…すごい心細かったろうな』

「そうだね…ずっと助けが来るのを待っていたのかもしれないね。本当は供養してやりたいけど、今は行けないからね。その代わりもう一つ洞穴があるんだよ」

テト『へぇ!』

砂浜の奥に歩くとそれはひっそりとそこに存在していた。



一人入れるくらいの小さな洞穴だ。


テト『ボクならちょうどいい感じだお!』

「本当だwテトさんもここに住んだら?」

テト『ここにはフランスパン無いからダメだお!』


いたずらっぽく笑うテトさんを見てふと何かを思い出したような気がした。

ああ、前にもこんなやり取りを誰かとしたような気がする。
デジャブ?

でもこの場所には誰かと来た記憶はない。いや、また忘れてるだけなのか??

テト『どうしたお?またセンチメンタルになっているのかお?』

「うーん、なんだろ?昔にもこんなことがあった気がしてさ。この場所ではないと思うんだけど…」

テト『君の記憶障害にも慣れてきたけど、もう少し今を楽しめないのか!せっかくぼくがついてきたのに…もっと元気出すお!』

「うん、わかったよ。そろそろ出ようか?」

元気か…いつも心の奥に引っかかっている何かがあるんだよな、
それが何らかの拍子に顔を覗かせるんだ。

胸が締め付けられる様な息苦しさを感じてしまう。
元気なんてそんな簡単には…

テト『ちょっと狭かったお』

うおぉ!?元気出た!!


普段はもっと透明な海なのだが空模様も手伝ってそんなに心躍るような景色ではなかった。

何となく私の心情を表しているような気がした。


テト『ほらほらー!シケた面するなお!せっかくここまで来たんだから精一杯はしゃぐお!』

「うおぉ!?I字バランス!?テトさんめっちゃ体柔らかいね!?」

テト『ボクの身体能力を侮ってはいけないお!』

「んじゃ、その元気を貰ってやることやろうか?」

テト『え?な、何をするお!?そ、そんな袋を出して…』

「はい、レジ袋!」

テト『今まさに海洋汚染の濡れ衣を着せられてるレジ袋だお…まさか投棄していくつもりかお?』

「まさかwwwゴミ拾いだよ」

テト『ゴミ拾い?』

「誰も来なくなればたちまちゴミが漂流して溜まっていくんだ。だから来た時に少しでも拾って綺麗にするんだよ。さっきの猫が言っていたことが少しわかった気がするよ。自然を破壊したならその責任を負わなきゃならないと思うんだ。壊したならきちんと維持しろって」

テト『ふぅーん、君にしては殊勝な心掛けだな』


プライベートビーチをあとにした我々は女川に向かうべく車を走らせた。

Posted at 2020/10/09 23:13:23 | コメント(1) | トラックバック(0) | テトテト散歩 | 日記
2020年10月06日 イイね!

3.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編

3.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編閑散とした鮎川に寂しさを覚え、次に向かったのは御番所公園だ。


テト『おお!眺めが良いなぁ!晴れてたらもっといいお!』
御番所公園は牡鹿半島の先端に位置し展望台から金華山と太平洋、網地島が一望できる名所だ。

ここに来たのはもう10年振り…それ以上かな。
ここに来て思うのはあの頃とあまり変わってないなぁということ。自分自身の環境のことなどがね。

テト『どうした?またセンチメンタルになっているのか?』

「まぁね、どこもかしこも思い出の場所だからね。ここにかつて一緒に訪れた人は今はいないんだよ。そういう時の流れが寂しいというか…」

テト『そうか…ここに一緒に来た人って?』

「いろんな人…みんな私の人生を通り過ぎて行った人達さ」


テト『とりあえず今はボクと一緒だ。今を大事にするお!』

「そうだね」

テトが手を差し出し繋ぐと前へと進む。この吊り橋も昔のままだ。ここを一緒にはしゃいで渡った人がいたなぁ。
懐かしいよ。
あの頃に戻りたいと思う反面、やり直せたとして今も変わらずにいただろうか?と思うと不安なものがある。

綺麗な思い出は綺麗なままの方がいいのかもしれない。

吊り橋を渡ると幾つかデッキがある。


テト『金華山が近く見えるぞ!凄いなぁー!』
いつになくはしゃぐテトだが、何となくわざとらしくもありセンチメンタルになっている私を励ましてるようにも思えた。


「綺麗だなぁ…お、船が見えるぞ!」

テト『本当だお。結構速いんだな』

「うん、あの金華山には神社があってね、三年連続でお参りすると一生お金に困らないそうだ」

テト『ふぅーん、君は三年連続お参りしたのか?』

「いや、全然…それだけ願いを叶えるのは難しいってことさ。どんな願いも簡単にはね…」

テト『でも一生お金に困らなくなるんだお!それと比べたら労力なんて大したことないお!』

「いや、そうだけどさ…なかなかハードルが高いもんだよ。ましてや船を使うわけだし…」


テト『君がお金持ちになるわけないか…あの展望台に行くお』

「私だっていつかはお金持ちになりたいよ!でもなぁ…」

テト『そういう優柔不断なところがダメなんだお!』

テトは颯爽と展望台へ向かって歩く。
そうだ、昔から優柔不断だった。いろんな意味で決断から逃げていたのかもしれない。
逃げて、逃げて…。

でも逃げてなかったらどうなっていただろう?
もしかするともっと悲しい思いをしたのかもしれない。

展望台へ到着すると何となく違和感があった。

ん?こんな建物だったっけ??

なんとなく朧気だがもっとボロかった気もする。

とりあえず階段を上ることにした。

テト『また何か考えてたのかお?』

「いや、別に…ん??」


「こ、これは役得!!」

テト『ん?おい!!何やってるお!!』

テトの強烈なパンチが私の顔にめり込んだ。

「ぐはっ!!」

テト『油断も隙もないお!』


展望台からの眺めは晴れてたら絶景だろう。
残念ながらご覧の空模様だ。


テト『下にベンチがあるお。あそこでお弁当食べたら美味しそうだお』

「そうだねぇ。残念ながらお弁当は買って来なかったけどね…少し腹減ったけど近くの女川で美味しいものでも食べよう」

テト『オナガワ?』

「おん。女川は海産物が美味しいんだよ。お刺身定食とか海鮮丼とか」

テト『楽しみだお!』



展望台を降りてベンチへと向かう。


テト『ん?子猫がいるお?』

「ん!?それは…もしかして…」

子猫「ワシはただの子猫じゃ」

「いやいやいやいや、子猫が喋らないし!それに子猫なのにワシはとか言わねーし!てか、キジムナーさんじゃない!?」

テト『おお!キジムナー!』

説明しよう。キジムナーさんとは沖縄にいる精霊さんでガジュマルの木に住んでいるのだ。
沖縄旅行では大変世話になったものだ。
普段は猫の姿になっているのだが、まさか宮城県にもキジムナーさんが??

子猫「ワシはキジムナーというものではない。遠い友人じゃがな」

「そうなんですか…てっきりキジムナーさんかと…んでどうしてまた我々の所に現れたんです?」

子猫「ヌシらがこの景色を見て綺麗だと言っていたからついな。人間というものは強欲で見栄っ張りで虚栄心の塊じゃ」

テト『ズタボロな言われようだな』
テトはいたずらっぽく笑うと視線をこちらへ向ける。

「いや、私だけを特定して言ってるわけじゃないでしょ!」

子猫「左様。ここもかつては自然があった。人間がこのように作り替えてしまったのだ。自然というものは全てにおいて平等だ。ここに住んでいた者達も追われ姿を消していった」

子猫はやたらに貫禄のある口調で語る。
なんか申し訳ない気持ちになってしまった。沖縄のキジムナーさんも似たようなことを言っていたな…。

「なんか…すいません…」

子猫「お主が謝る必要は無い。これも自然の摂理。弱肉強食の世界なのじゃよ。じゃがな、自らの命が数多くの犠牲によって成り立っていることを決して忘れてはならんぞよ。ヌシらが口に入れるものは全て命だ。命を食い、命を背負って生きていることを忘れてはならない。ここに来たのも何かの縁、よく考えて学ぶのじゃよ」

そういうと子猫は去っていった。

テト『君は今の話は理解したのか?』

「まぁ、何となく…ただこの圧倒的な景色を見て綺麗だと思えたことってすごくいいことなんだなって思った」

テト『ふむ…』

結局子猫の正体はわからなかったが子猫の姿をした何かだったのかもしれない。
でも本当に食べることに対してありがたみというか感謝というか…そういう気持ちが抜けていたような気がした。
でもなかなか難しいな。

何となくモヤモヤした気持ちのまま駐車場に戻ると車に乗り込んだ。

次の目的地は…そう、あのプライベートビーチだ。
Posted at 2020/10/06 22:58:45 | コメント(2) | トラックバック(0) | テトテト散歩 | 日記
2020年09月28日 イイね!

2.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編

2.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編ツリーハウスをあとにした我々は鮎川港へと向かう。
鮎川港は牡鹿半島で一番大きい漁港だ。
確か最後に行ったのは震災前の一年前だな。その時に金華山の山の頂上にある小さな神社まで行ったのだ。

今回は金華山はスケジュールに組み込まれていないのでスルーすることにしてメインはやはり新しく買ったスイフトRSの走行性能だ。

もちろん搭載しているレイたんには少しお休みしてもらうがね。

タイトなコーナーをスイスイと曲がっていく。



テト『おいおい!あまり飛ばすな!怖いだろ!』

スイフトRSの減衰力の高いダンパーはさすがだ。素直にハンドルの操作に反応する。
いくつかのカーブを気持ちよく超えていく。

こうしてたどり着いたのが鮎川だ。
だがかつて訪れた知ってる町ではなかった。今だに震災の爪痕が残っている。
まだまだ復興には程遠いと感じた。
多くの人が訪れる街は復興が加速しており急激に成長するが特別観光地でもない田舎の漁港はまだまだ復興が終わらないのだ。

鮎川に来たのは震災初となるが今までは何度も訪れたものだ。
ただ海が見たくて。それだけの理由で足を運んでいた港だったのに自分の中でもいつしか遠い場所になっていたのだ。


テト『何にもないお…』
車から降りるとテトは周りを見渡す。目の前に広がるのは海だ。
ただ静かに緩かな波が時折岸壁に当たり音を立てていた。


テト『海ときたらこれだお!』
テトは目の前にあるボラードに足を上げる。誰が最初にやり始めたものなのかはわからない。
「いや、それ足を上げるためのものじゃないし…」


テト『ツインテールだお!』

「本当だw」
あのモニュメントは見覚えがある。ということはここら辺にあのレストランと物産館があったわけか。
後ろを振り向くとなかなか立派な建物がある。



テト『あまり人がいないお…』

「まぁ、この天候だしね…それにしても…」


本当に人がいない。
中には飲食店とお土産屋が入っているがそこも決して多いとは言えない。
奥にはホエールランドが併設されているがそちらも閑古鳥だ。

やはりここだけでは観光客を呼び込むのは難しいのだろう。
特に若い世代だと尚更だ。



ここまで来て牡鹿半島のドライブは終わりに近付いてくる。
残る最後の場所は『御番所公園』だ。

御番所公園は太平洋と網地島、金華山を望むことが出来る絶好のビューポイントだ。

しかし、残念なことにここで雨が降り始めていた。

テト『雨だお~…』

「うーん、金華山も霞みがかってきたなぁ。ここまで来たのに…」

果たして絶好のポイントから金華山を拝むことは出来るのだろうか?
Posted at 2020/09/30 10:27:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | テトテト散歩 | 日記
2020年09月27日 イイね!

1.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編~

1.テトテト散歩~ぶいぶい牡鹿半島編~誰かが消し忘れた夏のスイッチを押したように猛烈な暑さをもたらした夏が過ぎて一気に秋が深まってきた。

私はというと相変わらず労働に励み、その季節の移ろいなどまるで無頓着に過ごし、2週間も3週間も休み無しで働き人生の残り時間を無駄に浪費していた。

「なんか寒くなったな…そして今日は久々の日曜日の休みか…さて」
そう、今日は待ちに待った日曜日の休みだ。大変散らかった部屋の片付けもそこそこに身支度を済ませると車に乗り込む。
鼻歌交じりに向かった先は宮城県の先っぽ『牡鹿半島』だった。


牡鹿半島は走り屋達の間でも話題に上がるほどタイトなドライブコースとなっている。

特に絶景が拝めるコバルトラインは人気だ。
気を付けなければいけないのは野生の鹿がとびだしてくる事故だ。それさえ気を付ければ楽しいドライブとなる。

石巻渡波から牡鹿半島へと進入する。

さあ、ワクワクのドライブ開始だ!

するとだ。後ろに気配を感じる。

テト『よお!』

「どわっ!?テトさん!?」

後部座席にちゃっかりと座っていたのは重音テトだ。

テト『君がいそいそと何か準備していたからこっそりと車に乗って待っていたお』

「ぬぬ…ということは私の一人カラオケを聞かれていたのか?」

テト『家からずっとな…もう少し音程をなんとかできないのかお?もっと教育が必要だお!』

「参ったな…またテトさんと一緒か…」

テト『ん?何か不満か?』

「いや、別に…んで今回は牡鹿半島なんだけど…特に大きなイベントは無いと思うけど?」

テト『だからこそボクの出番なんじゃないか。君が一人で旅行記事を書けるとは思えないお!』

「それは確かに…お!早速最初の目的地に着いたよ!」


目の前に現れたのはスタンド・バイ・ミーで見たようなツリーハウスだ。

テト『おお!』

「ツリーハウスだね。誰もが憧れた秘密基地ってやつさ。
スタンド・バイ・ミーって映画が好きでこういうのを作るのが夢なんだよね。これはカフェはまぐり堂のメンバーが浜の復興を願って制作したらしいんだ」
テト『へぇ、そのはまぐり堂とやらは?』


「この階段を降りた先だろうか…まぁ、車で行けるとは思うんだけど時間的にのんびりしてる余裕はないからね」

テト『天気も良くないしな…』
本当は秋晴れの日に撮影に望みたかったが奴隷労働者の私は天気が良いと皮肉にも仕事なのだ。
今日のようにどんよりした日しか休めない…。
無論GoToキャンペーンなんて無縁坂だ。


テト『中に入れるのかお?』

「おん!入れるよ。まぁ、入ったとしてもあのサイズじゃね…とりあえず上がってみようか?」

梯子を登ろうとすると手すりがグラグラする。
しかも木が腐食し始めているではないか!?
これはちょっと危険だな…きちんと防腐剤を塗るなりして管理してほしいものだが…。



しかしここまで上がってきて思ったのだが先にテトを行かせるべきだった。理由は察してほしい…。
まぁ、いいや。


途中の踊り場。なかなかオシャレな雰囲気だな。こういうのは結構好きだ。夜に明かりを灯したらさぞいい雰囲気だろう。


小さな入口から中を除くと小さな椅子が三つ並んでいた。まさに子供用のサイズだ。空間も決して広くはない。


テト『大人三人だとキツそうだお』
入口からテトが覗き込む。テトの小さな体でも身を屈めないと入って来れない。
「うん、まさにミニマムな雰囲気だね。鬼太郎でも昼寝してそうだ」


テト『ボクとミクとネルならちょうどいいお!』

「そうだね、君らそんなに大きくないし…私だともう床とか抜けそうだし…」
確かに床が少し軋んでいる。中で動くのは結構怖いものだ。
あくまで子供用だな。いつの間にこんなにでかくなったんだ自分…。


テト『結構高いお!』


「侮れない高さだな…」
腐食して崩れたら大怪我する高さだ。子供の頃なら大したことないと思うかもしれない。
大人になるにつれて高いところが苦手になってくるのだ。もっと歳を取るともっと高いところに行くのにな。


テト『写真撮っておくお!あとでネルに見せるお!』

こうして始まった牡鹿半島の短い旅。まさかのテトの乱入。果たしてどうなる事やら。

Posted at 2020/09/28 12:38:34 | コメント(2) | トラックバック(0) | テトテト散歩 | 日記

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