ソラノムコウのブログ一覧

最初に言っておこう。

これは夢である。


ある日、私はいつものように現場で仕事をしていた。
胃腸が弱い私はいつものように腹痛を起こし仮設便所へ向かってダッシュしきちんとロックをかけてズボンを超速で下ろしポジションについた。

するとどこからともなくT SQUAREの『TRUTH』が流れてきた。



え？…え？何？

すると仮設便所の壁がパタンパタンと倒れてウンティンポジションの私の姿が露わになった。
すると何故か周りの景色がサーキットになっていたんだ。

熱狂的な観客の歓声！鳴り響く爆音(屁？)！

どうなってんの？

スタートの合図と共に爆音(屁？)を鳴り響かせ他の仮設便所レーサーが飛び出す。
私はわけのわからないまま水洗レバーを倒すと便所が動き出し一気に加速した。

なるほどこれがアクセルってわけか。

最初のホームストレートからのカーブを華麗にドリフトして走り抜ける。ケツが横に流れる。


ズギャギャギャ！！

他のレーサーも負けじとドリフトして追走してくるではないか。
伊達にグランツーリスモで鍛えてきたわけではない。

立ち上がりでアクセル全開(レバー全開)で加速する。すると前を走っていた洋式便所がスピンしていく。
なるほど重心が高くなるからコーナーからの立ち上がりで不安定になるのだ。

豪快にスピンしタイヤフェンスへと激突しタンクの糞をぶちまけた。
それが路面まで飛び散って後続便器をスピンさせていく。

ふははははは！！一気に後続を引き離しトップへと食らいつく。

だがトップレーサーとの差はかなり開いている。

すでにアクセルは全開。ホームストレートでは勝ち目がない。
S字コーナーへと差し掛かりアウトインアウトで抜けていくが差が縮まることは無い。

これがマシン(便器)の差か、或いは腕の差なのか！？

このままでは負けてしまう！

だがここでトイレットペーパーが尽きてしまった。トイレットペーパーが無くなればケツを拭くことが困難になる。すかさずピットインしトイレットペーパーの補充をする。

ピットクルー達はすでに手にトイレットペーパーを携え待っていた。

『あと一周です！』

手馴れた手つきでトイレットペーパーを交換するメカニック達。
絶大なる信頼関係がそこにあった。

そこからの追い上げは凄まじいものがあった。何より時間が残されてはいないのだ。

和式便所の宿命である足の痺れである。足が痺れてくればカーブでケツを揺らして重心を取ることが出来なくなるのだ。

トップレーサー達はケツをリズミカルに左右に振り不安なくカーブをクリアしていく。
まずいこのままでは差を縮めることは出来ない！

その時、転機が訪れた。

腹の中にガスが溜まってきたのだ。
昨夜のポテトチップスが上手い具合に腹の中で発酵されガスが溜まってきたのだ。なんたるタイミング！

前二台との差は縮まることはなく均衡を保っていた。


－その時、歴史が動いた！


最後のヘアピンカーブを抜けてホームストレートへと到達。

ここだ！！

腹に力を込めてケツを上げる。そして己を信じ一気に放出した。

『これがビッグバン・ブースト・アタックだ！！』

地面が割れんばかりの爆音と共に強烈なGが私の体にかかる。頬肉がブルブルと震え私はキンカクシにしがみつく。

ケツが割れそうだ！！

そして前方のレーサーを一気に置き去りにし、私はチェッカーフラッグを横目にウィニングランに興じた。


この人生でここまで達成感を得られたのは初めてだった。

観客もピットクルー達も立ち上がり拍手をしている。

私も立ち上がり空を仰いだ。



これが勝利というものか…。

ケツのトイレットペーパーが風に揺らいでいた。



終わり！！