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ソラノムコウのブログ一覧

2018年09月07日 イイね!

失われた愛

失われた愛愛は失われたのでしょうか

心から体の全てを埋め尽くし
あれほど満ち足りた気持ちにしてくれた
あの愛は
どこへ消えていったのでしょうか


 花を美しいと思った心はとても大切なものだと知ったのは君と遠く離れてからでした。
 「とても綺麗だね」と言って見た君の顔は笑顔で、その笑顔を見てとても幸せな気持ちになれた。

 一人でいたら、道端に咲く花を見ても何とも思わなかったでしょうね。

 愛とは時間と気持ちを共有し合うこと。それに慣れてしまってはいけないのだと後悔した。

 僅かなズレだった。

 そのズレが少しずつ、

気が付かない早さで

 ゆっくりと、

 ゆっくりとズレが大きくなっていく。

 大切な事は当たり前に気付くこと。君が目の前にいるのが当たり前だということに慣れないこと。
 全てが失われていくものだと。

 今は一瞬にして過去になっていく。だから、今こそ気付くべきだった。

 明日も明後日も、そのずーっと先にも目の前に君がいて笑ってくれていることが当たり前じゃないことを。

 もう一度会いたいと願ってもそれは叶わない願い。

 僕も歳を取ってしまったからね。
 
Posted at 2018/09/07 21:21:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然ノート | 日記
2018年09月05日 イイね!

2.銀河鉄道電機譜

『レオノチスの蜜』

 ジョバンナはカンパニュラと親しそうに話をしている。ジョバンナは艶かな黒髪をしており、それに包まれた顔は作りたての雪のように白く透き通っていた。瞬きの少ない瞳は凛とした輝きを放っており、これまた美しいものだと賢治は溜め息をついた。

 ジョバンナが現れたことにより、カンパニュラの厄介な質問攻めにあうこともないだろうと賢治は思った。
 「あ、天気輪の柱が見えるわ。あたし達はあすこから来たのよ!すごく遠いわ。」
 ジョバンナは目を細めて遠くを見つめた。賢治は同じ所を見るがやはり何も見えない。
 「賢治先生、質問ですが」
 「ちょっと待ってくれカムパネルラ。」
 「カンパニュラです。」
 カンパニュラは不機嫌そうに口を尖らせる。

 「あら、先生ったら酷いわ。カンパニュラはカムパネルラと間違えられることをすごく気にしているのよ。」
 「どこに行ってもカムパネルラの方がしっくりくるんです。でも僕のお父さんとお母さんはこの名前を決めるのに一週間もかかったんです。おかげで僕は一週間も名無しだったんです。」
 「それはすまなかった。で、君は何で僕に質問ばかりしてくるんだい?僕は君の担任でも先生でもないのだ。」
 「ここに来たらそういう質問するのが決まりごとになっています。」
 やれやれと賢治はジョバンナを見る。相変わらず可憐な顔を澄ましてカンパニュラを見つめていた。

 「ところで君たちは同じ服を着ているが聖歌隊なのかい?」
 「そうよ。あたし達はずっと歌っているの。喉から血が出るくらい練習するわ。カンパニュラは唇が乾くまで声を張り上げていたわ。」
 「そういえば喉が渇いた。」
 カンパニュラがそう呟くとジョバンナは小さな魔法瓶を出して亜瑠密(アルミ)のコップに麦茶を注いだ。
 「先刻、白樺の蜜を集めていたの。」
 「だから列車に乗り遅れそうになったんだ。」
 「だって、麦茶だけじゃ甘くないわ。」
 「蜂蜜がいい。それもレオノチスの花の蜜。」
 「あの黄色い花のレオノチスね。そんな豪勢な蜜はそこいらでは売ってはいないわ。」
 二人は何やら口論を始めたが、賢治は気にせずに窓の外に広がる闇を見ていた。
 「先生もいかが?」
 突然、ジョバンナに声をかけられ吃驚すると目の前に白樺の蜜が入った麦茶が差し出された。
 賢治はありがとうと言うと受け取り口へ熱い麦茶を運んだ。カンパニュラは猫のように喉を鳴らして飲んでいた。


続く
Posted at 2018/09/05 22:35:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 銀河鉄道電機譜 | 日記
2018年09月05日 イイね!

最近の事。

最近の事。最近、本を読むことが出来るようになりました。

時間が無いとかの理由もあるのですが、長年鬱病を患って本を読むことが出来ませんでした。
鬱病というものはやる気が出ないとか単純にそういうものを差すかと思いますが実際はもっと過酷なもの。

周りの理解が無ければ悪化の傾向にあります。

なぜ本を読むことが出来ないかというと文字から得た情報が上手く頭の中で整理出来なくなるんです。
まず私の諸症状としては人の顔を認識出来ずに覚える事が出来ないというのもあります。
なので映画などでは登場人物を1度で理解出来ずに何度も観て覚える必要があります。

仕事でも営業に向かないのはそういう事でもあり、コツコツと一人で仕事している方が性に合うのかもしれません。

小学生の頃までは普通に本を読んでいました。もっとも本なんて買って貰えなかったので学校の図書室で読んでいました。

初めて手に取った本は宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』でした。

当時は物語を全く理解出来なかったのですが、不思議な世界観に惹かれて読み耽ったのを覚えています。

あれから読んだ本は本当に少なく数える程度しかありません。もっと多くの作品に触れることができたのならばもっと自分の世界観を広げる事が可能だったかもしれません。

語彙力の無さを嘆き苦しむ日もあります。

どうせならば文章を書くこと無く、リアル充実している人生を送れれば最高だと思います。
しかし、現状では文章を書き物語の中に没入することによってしかストレスの発散方法がありません。

今回は『銀河鉄道電機譜』を書き始めました。

これは確か中学生の頃に密かに書いていた銀河鉄道の夜の同人作品でした。
思春期の多感な頃に書いた作品だったのですが、最後まで書ききらずに未完のままです。

登場人物は主人公の賢治。そして風変わりな口調で話すジョバンナ。その友達のカンパニュラで展開されます。

名前にも意味があり、ジョバンナは
ジョヴァンニ(Giovanni)は、キリスト教の聖人ヨハネ(洗礼者ヨハネ)にちなむイタリア語の人名。 ジョバンニと表記されることもある。 ... 洗礼者」という意味のバッティスタ(Battista)が付く場合も多い。 女性名はジョヴァンナ(Giovanna)。
というジョバンニの女性名にしました。その名残で口調を娘のようにしました。

カンパニュラは風鈴草と言われる植物から付けました。
花言葉は誠実な愛、感謝です。
これが物語のキーワードになっていきます。

物語は銀河鉄道の夜に沿って展開されますが自己的な解釈もあります。
今度は最後まで書ければ幸いです。
Posted at 2018/09/05 10:31:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | なんでもない普通の日常 | 日記
2018年09月04日 イイね!

思い出は遠くの日々

思い出は遠くの日々叶うならば、あの頃の君に逢いたいと思う。

何も知らずに無垢なまま、お互いに始める全ての事が初めてだったあの頃に。

僕たちはまだ若くて、起きてしまった事に対してどうすれぱいいのかわからなくて感情をぶつけ合った。

時には激しく涙が出るように、かと思えばお互いを慰め合い抱き締めた。


お互いを知れば知るほど、距離は離れていった。
あの日々は繰り返されるのだと思っていたのに。


街ですれ違った君は少し疲れた表情をし、周りに合わせるように愛想笑いをしていた。

あの頃の君はいなくなってしまったんだね。

一瞬、目が合ったのだろうか…君は口元を締めると下唇を噛んだ。

ああ、僕も変わってしまってたんだね。気が付かないまま時間だけが流れて僕たちは他人になった。


時間は戻らないのに。わかっているのに。
どうしてもっと話をしなかったのだろう。

すれ違い、振り向けば彼女も振り向いているだろうか?

淡い期待を抱くが振り向く勇気もなく、そのまま通り過ぎた。


思い出は遠くの日々。
Posted at 2018/09/04 21:30:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 徒然ノート | 日記
2018年09月03日 イイね!

1.銀河鉄道電機譜

『二人の少年』


 遥か遠くの方から聖歌隊の透き通るような歌声が聴こえてくる。ゴトゴトと揺れる列車に身を委ねて賢治はコクリコクリと首を左右に揺らしていた。

 「賢治先生、石炭袋の闇は夜の闇よりも黒いのでしょうか?」
 突然少年の声がして賢治は目を開けると見た事のない少年が向かいの席に座っていた。

 歳は十二、三歳だろうか。
 「君は誰だい?」
 「カンパニュラ」
 賢治の問いに一呼吸の間を置くことなく答える。少年は金髪に碧眼という異人のような風貌だが、その顔はとても整っていて美しかった。
 「カムパネルラとは違うんだね?」
 賢治の問いにカンパニュラは顔をしかめて首を振った。黒を基調とした服は聖歌隊のものらしく艶やかな模様が刺繍されており、その胸には鳩の徽章が輝いている。

 「先生、質問に答えて下さい。石炭袋の闇は夜の闇よりも暗いのでしょうか?」
 カンパニュラは先程の質問を再び賢治に問いかける。賢治はふと考えて何時からこの少年と列車に乗っているのか気になった。

 「ところで僕は何時からこの列車に乗っていたろうか?君は何時からこの席に座っていたのだ?」
 賢治の質問にカンパニュラは明らかに不機嫌な表情を浮かべて窓の外を見る。その仕草から賢治の質問には答える気はないのが見てとれた。

 賢治は小さくため息を吐くと窓から外を見る。自分の吐息で白くなる硝子を指で拭うと白い花がいくつも咲いているのが見えた。

 「あの花はなんだろう?」
 誰に問うわけでもなく呟くとカンパニュラがそれを聞き「あれは竜胆の花です。」と答えた。

 「白い竜胆の花は滅多に見ないからね。」
 「ここじゃ竜胆の花は白いものと決まってます。ところで賢治先生、質問ですが天の川を流れる光の一粒一粒はミルクのような液体なんでしょうか?」
 カンパニュラは賢治の返答を聞く暇を与えず早口で質問を投げかけた。賢治はそれを煩わしいと感じながら石炭袋の質問を聞かれなかったので答えなくともよいと考えた。

 「ところで君は一人でこの列車に乗っているのかい?」
 賢治が質問するとカンパニュラは再び怪訝な表情をし、窓の外を指差した。賢治は指を差した方向を見るが闇が広がり何も見えない。
 「あすこに友達が居ます。ほら、走ってる。きっと乗り遅れたから走っているんだ。あ、間に合った。今乗った。」
 賢治がどこを見ても暗闇で何も見えなかった。

 「カンパニュラったら酷いのよ。ねぇ、賢治先生聞いてます?」
 カンパニュラとはまた別な声がしたので席の方を見ると黒髪の少年がカンパニュラの隣に座っていた。

 「君は誰だい?」
 「あたしはジョバンナ。」
 ジョバンナはカンパニュラと視線を交わすとクスクスと肩を揺らし笑い合っていた。


つづく
Posted at 2018/09/03 21:17:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | 銀河鉄道電機譜 | 日記

プロフィール

「@aero-century コンビニはPB商品になってしまったし、イオンなどに行けばまだあるかも?ただどのパンも高くなって手を出しづらくなった感はありますねぇ…😅」
何シテル?   02/16 14:37
人生一期一会。
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今日も少しづつ生きていけばいいよね 
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