
本日は身延から早川町に向かう「南アルプス街道」に行ってみました。
ここは糸魚川-静岡構造線に沿ったルートで切り立った山間の谷沿いの県道です。静岡県北部は険しい山が多いため道が突然細くなるような酷道、険道が多いのですが、南アルプス街道(山梨県南部)はかなり整備されてて走りやすかったです。起伏もそれほどありません。
強いてあげるならば途中の橋が幅が狭く、欄干が低いところが怖いくらいかな。
途中に糸静線の断層が露頭している場所(天然記念物指定)が何箇所かあります。
断層の看板が気になったので沢沿いを歩いて観光
タイトル写真に線を入れましたが、右上から左下に走るラインが断層だそうです。

ここは地質学的には逆断層というらしいです。
途中の橋の上から撮影。
下を流れるのは早川、町の名前の由来です。

このあたりの川は富士川へと流れ、やがて駿河湾にたどり着きます。
ほんとに人里離れた山奥で、早川町自体が限界集落の上を行くというか、日本一人口が少ない町(福島の原発影響を除く)だとのこと。
街道沿いは所々の拓けた平らな土地に役場があったり、しばらく走ると郵便局があったりと小さい集落が道沿いに分散している感じ。
田畑もほとんど見かけない崖と川の間の道路なのですが、周辺市町村に唯一繋がる生活道なので道幅と舗装はかなり良好です。(数年前の大雪の際は孤立した)
そんな街道をさらに奥へ奥へと進んで目的地の奈良田地区に到着。

遠くが小さく映るのでわかりにくいですが、かなり周りの山が高く、空を見上げるくらいの断崖です(汗)
このあたりの集落は風情があって情緒豊かで離島の集落っぽい雰囲気も感じました。

集落をしばらく登っていくと奈良田湖が見渡せます。
そして本日のお目当て、奈良田の里、女将の湯に到着。

古民家のような小さな温泉ですが、町営で食事処と休憩所があります。
かなり山奥なので客も少ない知られざる名湯のようです。
泉質はトロミのある化粧水のような感じで少し温め(源泉掛け流しのため)です。おかげで長い時間入れます。
浴室も小さめだし露天もないですがこの泉質目当てに遠くから来られる方が多いとかで、湯船で一緒になったバイカーは東京と群馬から来たと言ってました。
ゆるキャンでも登場する聖地らしく、観ることを強く勧められましたw
そして食事処で名物のベーコン丼をいただきました。

山梨の山奥の秘境の名産がベーコン?とちょっと驚きました(汗)
塩気がほとんど感じられないあっさりした超厚切りベーコン。新鮮?なのか独特のベーコンっぽさをほとんど感じないポークステーキのような感覚でとても美味しかったです。
帰路はちょっと寄り道して雨畑という地域に寄ってみました。
トンネルを抜けたらいきなり雨畑地区

写真は集落に入ってすぐにある学校跡?のようでした。
とても小さな集落で雨畑硯(すずり)が有名らしいです。
そして発電用のダムと大きな雨畑湖

湖面に水がほとんどない土砂の湖。
大雨がふると満水になって周辺の家が浸かるほど堆砂がヤバイらしく、水を枯らして底の砂を大量の大型重機で掘り出していました。

どこまで行っても土砂・・・
このあたりの山が崩れて大量の土砂を運んでくるみたいですが、途方もない量。
たくさんある重機やトラックでもとても時間がかかりそう。そしてその土砂はどこに持ってくんだろうか・・・
今年は桜エビが大漁だとのニュースを見ましたが、昨年まではほとんど獲れなくて化学物質が混じった土砂の不法投棄による水質汚染が原因ではないかと騒がれていました。(真相は不明)
興味がある方は「富士川 死の川」で検索すると、このダム湖や支流で使われる凝縮剤(土砂をまとめやすくする)の水質汚染が原因ではないかと言われている一連の公害問題にヒットします。
しかし、この時代に公害ってホント?と思いつつも眼下に広がる、なんとも言えない怖さを感じる非日常的な光景・・・
私には縁のない、いつかどこかで聞いことがある遠い場所の出来事のはずが、バイクに乗り出したことでとても身近なことだと感じられました。
なんというか、現実を目の当たりに感じられたことで部外者から当事者になったような感覚・・・
アテのない楽しいバイクツーリングから一転、色々と考えさせられ、複雑な思いが巡った初夏の出来事でした。
ブログ一覧
Posted at
2023/04/23 22:24:14