以前質問をいただいた、Q&Aのまとめになりますので私のブログを見て疑問点等があった方は解決できることが書いてあるかもしれませんのでまずこちらを読んでいただいてもよろしいかもしれません。
Q1. 「脚のストロークとバネレートに関して」の考え方
バネレート前後比(レバー比換算):前後2kg/mm以内
これは比率が1:2以内ということなのか?
それとも前後のレートの絶対値の差が2kg/mm以内ということなのかどっちの意味でしょうか。
大変お手数ですが、教えていただければ幸いです。
A. バネレートの前後比 2kg/mm以内に関してですが、文字通り
「A=バネレート÷レバー比² 」
で算出して前後で2kg/mm以内にした方が良いという意味になります。
S2000を例にすると
レバー比 F:1.50 R:1.49
前後バネレートを18kg/mmの場合
F:8.00kg/mm R:8.11kg/mm
F:8kg/mm=18kg/mm÷(1.50×1.50)
R:8.11kg/mm=18kg/mm÷(1.49×1.49)
前後2kg/mm以内なのでフロントを例えば22kg/mmにしてもF:9.78kg/mmになるのでその辺りであればバランスを取れます。
※一部車種等々の例外でその方程式?が通用しない場合があります。
上記の補足ですが、1G密着させない場合で合成レート域でスプリングレートが下がり過ぎて動き過ぎて前後バランスが取りづらいことがあります。
1G密着で乗れるサブスプリングであればその部分は考えなくてすみますが、合成レートで1G密着させずに乗る場合の私が行わない手法の場合では合成レートも考えなくてはならないためにそこは注意点です。
Q2.低レートでも脚を動かしつつ、タイムも出せる脚にしたい。
A. 個人的にはツインスプリングで模索せず、低レートであればシングルスプリングでも伸縮のバランスも極端な数値になりません。
その場合にはレートが緩やかに立ち上がる低反発系のスプリングだと乗り心地の確保はしやすいですが、こと走りになると初期のレートが柔らかい分で惑わされやすくもありますが、シングルで構築するならありな選択だと思います。
また、その場合にはヘルパースプリング等で足りなくなった伸び側の調整等での必要はある可能性はありますが、その程度でセットアップ可能です。
メインスプリングで規制をしない分、プロドライバーのような無駄な荷重変動をなるべくおこさせない”丁寧な運転”が必要なので、ある一定以上のタイムを出すことは非常に難しいと私は思います。
Q3. 乗り心地を担保する為に前後共線間密着させないサブスプリングはアリですか?
A. アリだとは思いますが、スポーツ性を求めない前提の方が良いと思います。
前後の場合にはレスポンスが犠牲になるのでフロントが特にダルになります。
Q4.サブスプリングの耐荷重の設定は?
A. 私的にはフロントは1G密着をさせるサブスプリングを使用してリアは密着させるもさせないのも方向性次第です。
ただし、私的には耐荷重がリアに関して高すぎるものは使用することは車重を上手く使えない=潰しきれないため使用しません。
具体的には車種、車重によって変わりますので難しい質問です。
※簡単に私的な考え方を纏めたのが過去の内容でありますので参考になればと思います。
・フロントへのサブスプリングの選定
「ツインスプリングをセットするにあたって3」
☆
https://minkara.carview.co.jp/userid/3206330/blog/43622613/
・フロント・リアでのサブスプリングの選定参考例
「ツインスプリングを行う時の注意点1」
☆
https://minkara.carview.co.jp/userid/3206330/blog/43629183/
Q5.車高測定はどこを基準に?
A. ジャッキポイントで前後左右を決める方がズレが出ません。
その後、水平に揃えた状態でショックの部分で車高を調整して前下がり・後ろ下がり等を決めていきます。
ただし、ツインスプリングを初期試しての際には駆動等関係なく、先入観は捨ててまずは水平から調整しないと迷走の可能性は非常に高いと思います。
Q6.前後車高バランスは?
A. 乗り味で決めますが、FRだと大体は水平か後ろ下がり。FFは若干前下がり。ジャッキポイント計測では5mm前後差はない程度で収まってます。(経験上)
それ以上前後差があると極端なセットになっている可能性があるので迷走する可能性があると思われます。
※例外的な車もありますが、まずは上記で行うのが良いかと思います。
Q7.低レートでのツインスプリングはどうか?
A. メインスプリングをしっかりとした、ある一定以上のレートでないと動きの収束が悪く、ボヨンボヨンと弾む動きになるので低レートなら素直にシングルでセットの方が無駄な動きが少なく、迷走しづらいので良いです。
ツインスプリングにするならある程度高レートで行った方が良いと思ってます。
低レートの場合にはレバー比、ストローク、すべてが動く分難しさになりますので構築は難しく、迷走する可能性大ですので覚悟が必要と思いますし、ストローク長の比率が伸側過多になっているケースも多々あります。
Q8.リアにヘルパースプリング入れたけど良くならない。
A. まずは入れた方のストローク長を確認して縮側→伸側へどれくらい変更したかと入れていない方のストローク長を加味して前後バランスを考えて構築しましょう。(伸び:5-6・縮み:5-4)
また、シングル時からバネレートを上げていないようであれば収まりも悪くなりますし、単純に入れれば良くなるということは全くありません。
Q9.バネレートが前後で異なるのはなぜ?
A.上記、Q1の答えの通り#レバー比に対してバネレートを換算して実効バネレートがでますが、レバー比が高ければバネレートは高くしてもレバー比換算後の実効バネレートは低くなるのでそれを加味して計算で決めています。
Q10.スプリングはどのように決める?
A. メインスプリングに関してはレバー比換算2kg/mm以内とレバー比換算後の実効バネレート7〜9kg/mm(10kg/mmも条件有りなら可)辺りから想定コースによってで始めていきます。
・目安
7kg/mm ストリート〜ミニサーキット
8kg/mm ミドルサーキット以上
9kg/mm 国際サーキット以上
10kg/mm Sタイヤ前提でストリート走行基本的には無し
それ以外に関してはストローク長に対して許容荷重が超えないスプリングを選定し、その中で安いスプリングや特性が分かりやすく癖が無いメーカーのスプリングを選定することが多いです。
サブスプリングは別ブログの耐荷重値での話になるのでそちらを参照願います
Q11.ツインスプリングを施した場合にボヨンボヨン・ヒョコヒョコと跳ねる動きがある。
A.ストロークが有りすぎて収束方向に向かっていないために動きにお釣りをもらっている状態なのでその動きが大きい側(前後どちらか)の脚へプリロードをかける方が良いです。
なのでまずはメインスプリングやサブスプリングのレートを上げる前に一度プリロードを多めにかけて改善するか?を確認した方がよいかと思います。
Q12.ヘルパーやプライマリーを装着してプリロードをイジっても変化しません。
A.前後バランスが悪い可能性が高いのでまずは車高はジャッキポイントで水平状態にしてプリロードを調整すれば変化した感覚がわかりやすくなるので何が良くて悪いかがわかるかと思います。
Q13.FF車のフロントをツインスプリング化しましたが、うまくいきません。
A.FFだから駆動輪を接地させたい=フロントのツインスプリング化は間違えというか、迷走の元です。
駆動輪に関係なく、リアから構築するとフロントの重要性とリアを伸ばすことでフロントへ荷重を掛けやすくなる動きを作れ、コントロールできるため、何がその後必要なのかが分かります。
そうすると四輪をバランスさせられるので迷いづらいかと思います。
Q14.乗り心地を良くしたいためにツインスプリングにしたいです。
A.スポーツ走行との両立なら可能だと思いますが、単純に街乗りオンリーで乗り心地を良くしたいのであればオススメできません。
そういう方は素直にワンオフオーダー車高調か低レートで仕上げた方が絶対的に良いです。
Q15.サブスプリングが0Gでも既に密着しているか、未着まで残りわずかな風に見えるのですが、アレくらいの作動長であっても、ツインスプリングの効果は感じられるものでしょうか?
A.残り数mmでもツイン化の効果はありますし、高い耐荷重かレートのサブスプリングの方が動きに出てきます。
プライマリースプリングのような高い耐荷重のモノを使うとロール感は増えますが、動きがゆったりしてコントロールはしやすい傾向です。
ただ、細かいコーナーが連続するジムカーナのような競技の場合はレスポンスも重要なのでその場合には1G密着させて扱う耐荷重値のアシストスプリング程度を選択するアプローチは良いと思います。
Q16.伸縮ストローク比率の求め方と必要なデータと計算方法はどのようなものでしょうか?
A.今までは私自身は公開していませんというか、他の方々の方が詳しく解説されていますし、ネットでググれば分かるので解説してきませんでした。
ですが、要望もありましたので今更ですが、乗せておきます。
※分かりやすくするためにフロントの数値のみで計算しています
※参考 計算式用データ
・計算式
・伸縮ストローク長比率
※あくまで上記は計算式用に作った仮想数値ですので特定車種にそのまま当てはまるものではありません。(こんなに綺麗に前後比と伸縮比率が揃う車はないのでね^^;)
ご自身で計算機やエクセル等で計算してみて正しいかを確認してみてください。
必ず、ストローク長やバンプラバー長等は実測値を測っていただき、レバー比は(HKSのハイパーマックスの個別車種(HP)か有識者等)、車重に関しては車検証情報を確認してください。
そうすれば上記のように計算可能と思います。
ちなみにですが、私が上記のフロントに対して調整を行うならプリロードを下記の数値(8mm)程度を掛けて下記の比率に調整するとは思いますので参考になればと思います。
Q17.ツインスプリングを試すにあたって1G密着させる or 1G密着させないセットだとどちらがセットしやすいでしょうか?
A.使用条件によっても異なりますが、ツインスプリングを最初に試すのならサブスプリングはヘルパー・アシストスプリングを用いた1G密着させるセットから始める方が迷いづらいですし、ストローク配分のみで追い込めるので計算も楽なのでオススメです!!
速度域が低いことの多いジムカーナ・1G密着させないセットだとレスポンスが悪くロールが緩やかで逆にコントロールがしにくいドリフトは1G密着させないセットは難しくなるだけなのでオススメしません。
まずは1G密着させるセットで慣れてから1G密着させず、ある一定の荷重値から密着するセットを試すことが迷走しない方法だと思います!
私はリアは1G密着させないセットからスタートしましたが、過去に間野さんリセッティング済みの脚を作っていただいたから迷走せずにある程度形になりましたが、予備知識無しでは難しいと思いますので近道は上記方法からになります
サブスプリングの選定の考え方は下記リンクのブログ内の耐荷重値のサブスプリングを目安にするとわかりやすいと思います!
・合成レートに関して
☆
https://minkara.carview.co.jp/userid/3206330/blog/44807908/
では🖐
Posted at 2020/11/28 19:23:37 | |
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