ここ最近、過去のJTCCのリバイバル記事や雑誌等の発売があり、中を確認していたところ非常に興味深い写真を見つけました。
車種としてはBMW 318i(E36型)のサスペンションに関してです。
その車はJTCC用としてイギリスから輸出されたレーシングマシンで1992年のBTCCのチャンピオンマシンをそのまま1993年から開催のJTCCでも使用し、チャンピオンをとったマシンです。
このマシンはBMWワークスのシュニッツァーのものですが、サスペンションを画像や映像等確認すると前後ツインスプリング仕様になっておりました。
フロント
リア
画像から確認するとサブスプリングもキチンとレートを発生させるために線形も太めなEibach製のものを使用しているようで90年代初頭から欧州の方ではこのような試みを実際にレースの現場でも行っていたことに非常に感銘を受けました。(市販車と異なり、リアはコイルオーバー化。)
おそらく、姿勢変化をなるべくさせたくないためにスプリングを高レートを使用してロール量を抑えたいという側面を主体にした結果、縁石等での姿勢の乱れを抑えたり、激しいバトルの際のブレーキング等の接地性が減ることを軽減させつつ、コントロール性を向上させる手段としてのツインスプリングの利点をその時代で手法として行き着いていたことということでしょう。
面白いことにその後のJTCCのアコードやプリメーラ等の日本勢で真似をしているところが少ないのは計算上や特性把握がしにくいというツインスプリングのデメリットから敬遠されたのではと思いました。
また、レース用ダンパーの性能向上により、スプリングで上記の利点を作らなくても似たようなことができたことも真似をしなかった点かな?と思います。
改めて古いレースなどを見ると面白いですが、手法等も現在と異なるために意外な発見があり、非常に勉強になりました☺
~追伸~
今でも某〇耐では市販車ベースのためにツインスプリングでセットアップしているチームもありますので決して今でも通用しない方法ではないと思いますし、耐久だからこそドライバーへの負担軽減という意味ではアドバンテージにできるかも?
~追々伸~
上記の某耐久車両とはスーパー耐久に当時の埼玉トヨペットでオリジナルで走らせていました、ST-3クラスの2代目マークXのことです。
だいぶ前のことなので今更だと思いますので書きますが、当時オートサロンで展示されていた際に実車を拝見してメカニックの方とお話しさせていただきましたが、市販車のボディ補強をしての旧来の車両の作りであり、GT3・GT4のような車両ではないためにシングルスプリングでは高レートにしなければならず、コースや天候によってもだいぶ異なるセットが必要とのことでした。
タイヤの摩耗やドライバリティも高めることでの模索からSwift製アシストスプリングを用いて元々は30kg/mm台のスプリングを用いていた中、ツインスプリング化で20kg/mm台でセットできるようになったとのことで非常にふところも減らせて耐久に必要なタイヤへのダメージの分散化も可能になったとのコメントでした。
当時、友人の100系チェイサー向けのドリフト車両のセットを使用としていた矢先でしたので非常に参考になりつつ、レーシングカーでも同じアプローチが効く車両があるのだということも理解したことは確かです。
その時は比率云々は計算上で合わせるというよりは乗り味でセットしていたので私もまだツインスプリングに関して理解を深めるためにどのような方策で行えばいいのか?と考えていた過渡期でもありました。
また、某車高短系メーカーに今では当たり前のように伸びストローク確保のためのヘルパースプリングを使用する仕様が近年出てきましたが、当時はヘルパースプリングを追加してくれと話ししても???、縮みストロークから伸びストロークへ比率を変えてトラクション確保したいのでストローク長も教えてくれということにも???でした…。
HPを拝見する限り、今であればその辺りも相談の上、ある程度加味をしてバネレートも提案してくれるようになったように見えます。
製品自体、ショートストローク気味ですが、何台か、超車高短向けでない限りリセッティングも可能ですし、実績もありますが、ストローク長が短い可能性もあるので新品購入であればストローク長を理解しているならいいですが、そうでないならメジャーなメーカーの製品を買ったほうが私は良いかな?というのが感想です。
では✋
Posted at 2020/06/10 11:51:54 | |
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