※私なりの脚の考え方からになりますのでご理解ください。
・ツインスプリングを行う時の注意点
1.メインスプリングのバネレート前後比とレバー比換算値を加味して選定する
前後2kg/mm以内 & レバー比換算バネレート7~9kg/mm狙い(Sタイヤ向けは10kg/mmも有り)
※例えばレバー比換算して実質のバネレートがF:9kg/mm R:7kg/mmであればバランスが取れますが、R:5kg/mmであれば差があり過ぎてバランスを崩すパターンが多いです。
ただし、車種によっては全くあてはまらないケースもあるのであくまで参考です!
2.メインスプリングの許容可能な最大許容荷重を超えないようにする
シングルスプリングの時にも気をつけなければなりませんが、ダンパーストロークに対してスプリングの許容可能な最大許容荷重を超えないようにセットアップが必要です。
付随する話しになりますが、サブスプリングを入れるために短いメインスプリングにすることで上記の点がネックになることが多々ありますし、最大荷重重量が計算上と実際とで変わることもありますので余裕をもってセットアップをしてください。
3.サブスプリングは1G密着させる・させないにしてもリア>フロントの耐荷重のサブスプリングを選定する
サブスプリングを選定するに対してリアサブスプリングをどのようにしたいかということを考えます。
その際に1G密着させる・1Gさせない耐荷重のサブスプリングでも異なりますが、目安は下記に記載しておりますが、1G密着させないサブスプリングを使用する際もリアに関しては車重に対して150kgf以下で密着するものを使用する方がスポーツ性は保てると思います。
何を危惧しているか?は密着荷重が高すぎると合成レートでしかサブスプリングを使用できないために前後バランスをスポーツ目的で使用しづらいからです。
そのためにFF車であっても後片軸重:235kgに対して、耐荷重:375kgfのものを使用してました。(耐荷重:400kgfオーバーですと潰しきれない可能性があるのと乗り心地は良くてもバランスが取りづらいためにセットアップが経験上難しいためです。)
※およその目安としては下記の車の車重が1,290kgの場合での考え方になります。
車重:1,290kg
前車軸重:650kg・後車軸重:640kg
・1G密着させる場合(ヘルパー・アシストスプリング等)
前後片車軸
F:325kg・R:320kg
サブスプリング耐荷重
F:100~150kgf・R:200~300kgf
・1G密着させない場合(プライマリースプリング等)
前後片車軸
F:325kg・R:320kg
サブスプリング耐荷重
F:100~250kgf・R:350~420kgf
※FF車ならフロントの接地性が重要なので耐荷重値は少し高めにするため、フロントは250kgf~300kgfにしてリアは350kgf以上にはします。
4.ツインスプリング化を行う際にはレートは思ったよりも上げる
合成レートの算出値から構築するよりもメインレートをレバー比換算しつつ、実効バネレート7〜9kg/mmと前後レート(レバー比換算)を2kg/mm以内に修める方が結果的にうまくいくと思いますし、そのような設定でセットアップした方が上手くいく車種の方が経験上多いと思います。
5.伸び・縮みのストローク長の比率に関して
以前のブログ「脚のストロークとバネレートに関して」で書きました、割合の話しで5:5~6:4の割合の方が良いとお話ししましたが、比率だけで見るのではなく、単純なバンプラバーを除いた、ストローク長が仮に120mm程度まである場合には、伸び長が50mm(縮長:70mm)程度取れていれば割合は二の次でも意外と結果的にはうまくいきますのでその場合は比率に執着しないで考えてもらえればと思います。
あくまでも調整スタート時の目安値ですので実地調整後に若干外れる場合もあります。
例:ロッド長:150mm・バンプラバー30mm=残り120mm
6.減衰は締め側(硬め側)を使わないようなセットアップを心がける。
減衰はツインスプリングの場合も含めて、真ん中辺りから締め緩め5クリック以内で使うようにした方が良いと思います。
私的に気がついた点としては、他の方への施工の際、意外と減衰は締めた(硬め)方向で使用している方が多く、締め過ぎで使用しているケースが多々あります。
そのために調整後は緩め(柔らかめ)で使用することが非常に多い傾向があります。
また、減衰である程度のバランスを出して、車高・プリロードを合わせていくことだいぶ方向性も出ると思いますので悩まれている方は上記の点をお気をつけていただいた方がセットアップしやすいはずです。
ただし、ツインスプリングだからといって減衰を緩めで使いすぎている方もいらっしゃいますのでバランスをみていただければと思います。
※仮に20段の調整式の場合にはサーキット走行で最強から10段戻し、街乗り15段戻し程度の減衰で使えるように合っていない場合には仕様変更時に変えてもらうようにすれば保ち含めていいと思ってます。
※2 上記の減衰に関しては押さえつけ過ぎず、伸ばし過ぎない程度のバランスという意味ですので減衰を緩めにすればよいわけではありません。
7.前後対角線上での4輪のバランスを意識してセットアップする
フロントのみやリアのみでセットアップするのではなく、4輪でのバランスを意識して対角線上にロールをさせるにしてもきれいに動かし、接地感を減らさないように行っていくようにセットをしていく。
外側から見ると斜めにひょこひょこと動いているようなケースではキチンと制御できているとは言えないためにそのような動きにならないようにしていってください。
きれいにセットできた場合には4輪が常に接地感を薄れず、押し付けている動きになりますので非常に運転していてもわかりやすく、急な操作でも乱れなくなると思います。
※私的にはセットアップ後は弱アンダー気味な動きになり、オーバーにも運転で持っていくことも可能ですので非常に運転が楽で安心な車になるようにセットしているつもりです。
自分なりに纏めました、上記の7点を行えば私式ツインスプリングは構築可能と思いますので色々と試されてみると良いと思います。
では😊
※追伸
上記と被りますが、その後に書いた下記のブログのポイントも加味して試してみてください。
・計算するなの真意(個人的解釈)とセットアップ初期値の私的なアドバイス
☆
https://minkara.carview.co.jp/userid/3206330/blog/45149011/
Posted at 2020/01/11 11:38:31 | |
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