2020年03月03日
※今回はダンパーとスプリングどちらが基準にするかという余談です。
サスペンションを考える際に車高調含めてサスペンションメーカーによっても脚の主体をどちらで行うかの思想が異なっていることが多々ありました。
サスペンションを構成している主な部品では、ダンパー と スプリングですが、どちらを主にするかでだいぶセット方法や同じ動きを作るのにアプローチが異なると感じました。
私の考えでは有効ストロークに対してスプリングでどのように動きを作るかを主体にしているのでストローク長があるダンパーをいかにスプリングを用いて動きを構築するかを主体にしております。
そのようなアプローチでは、基本的にダンパーの減衰力でコントロールする一部やスピードをスプリングで行わせており、分業を完全にさせていないということです。
上記のアプローチでスプリングの選定とプリロード調整を行い、車高バランスにより前後左右の動きをまとめていき、減衰で抑えるという風に構築していくようにしております。
そのために6~7割の範囲でスプリングに仕事をさせてダンパーの減衰力は動き過ぎないための規制目的で設定していることが多いですし、ダンパーはストローク長があればある程度の場合には足りてしまうことが多々あります。
ただし、突き詰めていないからこそであり、ワンメイクに近いレースで勝つ、突き詰めたタイムを出すという目的の上では上記のような詰めていないダンパーでは厳しいと思いますのでそのような場合にはワンオフダンパーで寸法指定の上で作成しないとうまく行かないでしょう。
一般的にダンパーを主体に考えているメーカーというか、大多数の車高調メーカーは逆で考えており、いかにスプリングにシンプルな仕事をさせて細かい動きを減衰力の強弱で補うかという形でアプローチしているため、少しストロークが少ないダンパーでも減衰力で何とかして脚をセットする場合が多い印象です。
どちらが正解ということではなく、主体をどちらで考えるかですので誤解なきようお願い致します。
ただし、ツインスプリング仕様をセットアップするのであればストロークがしっかりあり、伸び縮みに対して素直に動くダンパーの方がメイン・サブスプリングの仕事を分けられるために良い結果が導きやすいというのが私的に感じている結論です。
とある純正~レースまでサスペンションを製造・供給している、海外の有名T社のエンジニア様とお話しした際に非常に参考になったのは、そこの会社では低圧ガスではなく、高圧ガスで減衰力保ちつつ、連続周回時どの辺りでピークを設定するかというマニアックなお話しを4年ほど前にお聞きしましたが、スプリングはスプリングの仕事をさせてダンパーは如何に減衰力でコントロールするかの方法についての考え方を垣間見れ、非常に勉強になりました。
どちらが正しいかの話しではなく、何を主体にして最良を求めていくかのアプローチの違いで結論としては、良い脚で乗りたいという目的は共通なのでどの道筋でも求めている結論にたどり着ければどのようなものでも構わないという話しです。
私も完全に理解できてはおりませんのでこのような考え方があるのだという程度の余談と思っていただければ幸いですw
Posted at 2020/05/12 13:38:03 | |
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