
ルネサスエレクトロニクス株式会社
日本の半導体メーカー。
日本製の半導体が世界シェア5割を超える最盛期だった1980年代後半に
世界シェア1位・2位・3位であったNEC・三菱・日立の3社の経営統合会社。
三菱電機および日立製作所から分社化していたルネサス テクノロジと、NECから分社化していたNECエレクトロニクスの経営統合によって、
2010年4月に設立された。
日本、中国、東南アジア、米国に12の自社生産拠点を所有。
日本国内には、前工程を担う5工場(那珂、川尻、西条、高崎、甲府)と、
後工程を担う3工場(米沢、大分、錦)を抱え、特に那珂工場ではロジック向けとしては国内最先端である40nmプロセスのLSIを製造している。
ただし、必要最小限の製造能力のみを維持するファブライトの方針のため、
28nmプロセス以降の製品は外部のファウンダリ(主に台湾のTSMC)に生産委託しているほか、自社工場で賄える40nmプロセス以前の製品においても、外部製造の比率を高めている。
2023年における半導体企業売上高ランキングで16位。
日本国内では2位の売上である(2024年時点)。
車載MCU市場シェアランキングでは、インフィニオン・テクノロジーズに続く
2位であり(2024年時点)、MCU市場全体のシェアランキングでは、
NXPセミコンダクターズ、インフィニオン・テクノロジーズに続く
3位である(2024年時点)。
自動車業界との関係
日本だけでなく世界中の自動車メーカーにルネサスの製品が使われているが、特にトヨタグループと強い関係がある。
産業ピラミッドの頂点であるトヨタ自動車とそのティア1(1次下請け)であるデンソーがルネサスの株主となっている。
トヨタは特定のサプライヤー(デンソーとアイシン精機)への依存を避けるため、
2000年代以降に下請けを分散させる方針を取っていたが、2011年の東日本大震災で那珂工場が被災した際、ほぼすべてのサプライヤーが2次下請けであるルネサスの那珂工場からECUを調達していたことが判明し、問題となった。
これは2016年時点でも解消されておらず、2016年に熊本地震で川尻工場が被災したために再びトヨタの工場が休止した。
2020年から2021年にかけてのコロナ禍における半導体不足の状況下で、
2021年2月にNXPとインフィニオンのオースティン工場がテキサス寒波による停電で停止し、同年3月にルネサス那珂工場が火災で停止した際は、世界のほぼ全ての自動車工場が稼働を停止した。
ルネサスの工場が停止するとトヨタや他の自動車メーカーのみならず日本国の経済にも影響を与えるため、ルネサスの工場が停止した際はトヨタグループや日産、ホンダなどの自動車業界だけでなく、ルネサスに半導体露光装置を納品しているキヤノンやルネサスの母体である三菱電機、日立、NECなどが支援に動く。
2011年の東日本大震災時には、自動車関連の完成車メーカー、部品メーカー各社が加盟する日本自動車工業会(自工会)主導で復旧支援にあたることとなった。
そして、母体三社にも支援してもらうべく、トヨタはNEC、日産は日立、ホンダは三菱電機と分担して支援要請を行い、三社の支援をこぎつけた。
また、壊滅的な被害を受けた半導体露光装置は新規に製造する時間もないことから修理で対応するしかなく、製造元のキヤノンの支援が不可欠だったが、キヤノン自体も被災しており支援する余力は少なかった。
しかし、そのような状態でもキヤノンは支援要請に応じ、ベテランの技術者を派遣し早期復旧に貢献した。
この結果、那珂工場は3か月という驚異の速さで復旧した。
このような支援体制は以後もたびたび見られ、2016年の熊本地震で機材が損壊した川尻工場は1週間で復旧した。
2021年2月の福島県沖地震で停止し、同年3月に火災で再び停止した那珂工場の復旧には経済産業省からも支援が入り、24時間体制で復旧に当たったことにより、火災で真っ黒になったクリーンルームが1か月で復旧した。
この際、ルネサス社長兼CEOの柴田英利は「通常では考えられないような奇跡的な支援を受けて、予定よりも早く生産を再開できた」と述べている。
2021年に那珂工場が出火した後の復旧に関する日経の調査によると、ルネサスが本社を構える東京都江東区から那珂工場に派遣された応援よりも、
愛知県豊田市(トヨタ)、神奈川県厚木市(日産)、大阪府池田市(ダイハツ)から派遣された応援の方が多く、特に愛知県からは圧倒的な人員が投入された。
これがそのまま2021年時点のルネサスの、自動車メーカー各社の
サプライチェーン(供給網)への影響力の甚大さを表しているとしている。
Wikipediaより
ルネサス 目標達成を5年延期 中国企業との競争激化【WBS】
Posted at 2025/08/18 18:32:56 | |
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