
先日、新型GLAが発表されました。メルセデスの中ではエントリークラスとなるSUVで、けっこう人気のあるモデルでしょうから、世間の注目度もそれなりに高かったのではないでしょうか。

フロントフェイスについては先に発表された新型GLCの流れを汲むもので、特に驚きもなく、こうくるだろうなという予想の範疇に収まっています。

インテリアも同様で、今やメルセデスの最新モデルでは定番となっているディスプレイを3枚並べて一枚ガラスに収めたスーパー?ハイパー?スクリーンとやらです。ここまで見慣れてくると、本当に何の驚きもないというか、デザイナーは仕事してんのかな?って思うレベルですね。もちろん細かいところの質感とかデザインはモデル毎に異なるのでしょうが、写真で見る限りほぼ一緒に見えてしまいますし、内装写真だけではもはやどのモデルなのか分かりません。
昔からよく言われていますが、あまりにもデザインを統一しすぎてしまうと、下位モデルを購入した人にとっては上位モデルと同じという高い満足感が得られる一方で、上位モデルを購入した人からはなぜ下位モデルと同じなのかという不満が生まれやすいというジレンマが起きます。
と言っても、現地価格は900万円〜くらいになるみたいなので、エントリーモデルですらひと世代前のSクラス並みの価格で、もはやエントリークラスなんて概念はないのかもしれません。あるのはボディサイズによる差だけ・・・なのかも。

今回の新型モデルで最も物議を醸しているのは、おそらくこのリアのデザインでしょう。最初に見た時に「マジか・・・」と心の中で絶句してしまいました。フロントで差別化を図るのをやめたのかと思えば、リアは大胆に専用デザインを採用してきました。今までのメルセデスからは全く想像もできないデザインだったこともさることながら、このデザインを好む層が一体どれだけいるのか疑問です。VWのポロとかが採用してきそうなデザインですが、これが1000万円近いモデルのリアデザインとして相応しいのでしょうか。2010年代後半くらいからメルセデスがデザインの大きな変革を起こそうとしていることは感じていましたが、あまりにもかつてのユーザーを置き去りにするような方向へどんどん突っ走っていることに残念な思いしかありません。
これ見よがしに散りばめられたスリーポインテッドスターのブランドアイコンは、もはや多くの人にとっての憧れの存在からは程遠い存在になってしまったように感じます。10年前くらいは田舎の山口県でもそれなりにメルセデスオーナーはいましたし、片道30分くらいの通勤中に何台もすれ違うことは日常的にありました。今や1台見かければいい方です。しかも、それも最新モデルであることはほとんどなく、EVモデルに至っては月に1台も見かけません。
もちろん都会に行けば、田舎よりはたくさん走っていることでしょうが、それでもかつてのような勢いはないのではないでしょうか。
デザインの好みは人それぞれ・・というのは大前提としても、やはり多くの人に注目されるかどうかは、デザインによって大きく左右されるというのも事実でしょう。エクステリアで興味をそそられない車を検討しようと思う人は少数派だと思います。メルセデスのことだから、もちろん中身の性能はこだわって良いものを作っているとは思います。でも、デジタル化を強烈に推し進めて、リビングなのか車内なのか分からないインテリアを作り上げて、下品とまで言われるほどブランドアイコンを散りばめたエクスタりや奇抜なデザインを採用して、軒並み高級車の価格帯に強引に引き上げたところで、ブランドに付いてくるユーザーは非常に限られてしまうでしょう。どの自動車メーカーも生き残りをかけて必死なのは分かりますが、このメルセデスの戦略が正しいかどうかは、5年後、10年後の未来が来たらハッキリします。ただ、個人的な予想としては、今の路線で突き進む限りメルセデスの未来は非常に厳しいのではないかと思います。かつてのような上品さ、気品、威厳のようなものを取り戻して、ユーザーを大切にする姿勢を見せられれば、息を吹き返せるのかもしれませんが・・・。
EQシリーズが大失敗に終わった反省からデザイン戦略を根本的に見直す方針となり、そこから立て直していけるかと思いきや、その後に出てきたモデルを見ていても、とてもV字回復できそうな印象は受けません。
Posted at 2026/08/02 11:19:37 | |
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