2022年11月27日
かつては10年ほどマツダ車のユーザーだったので、最近の良からぬ話を耳にしても「あのマツダならそうだろうな、、、」とすごく納得感があります。
変態技術集団というか、変なこだわりを持った融通の利かない人たちの集まりみたいな会社なので、世間の声とかほとんど気にせず、唯我独尊を貫くメーカーだと思っています。そのこだわりやプライドを具現化した車がたまたま好みだった人には刺さるので、稀にヒット商品を出せることがあるものの、壮大な勘違いのせいで泣かず飛ばずに終わる商品もあります。
初代スカイアクティブが登場した頃もそうでしたが、マツダのフルモデルチェンジもしくは新型車として登場する車の足回りは総じて固いと批判されることが多いです。デザインやエンジンが大絶賛されていても、それらの評判を一気に落としかねないような足回りの仕上げをしてくることがよくあります。
待望のラージ商品群のトップバッターとなったCX-60ですが、レクサスをも凌ぐと言われる高級感漂うインテリアや時代に逆行するような直6エンジン搭載を絶賛する声が多々ある一方で、足回りが固いともっぱらの評判です。もちろん個々人の感じ方の問題もあるので、別に固くないと感じる方には無縁の話ですが、おそらく多くの方は固いと感じるレベルなのだと思います。
高級車と呼ばれる車でも、評論家から足回りの固さをコテンパンに批判されることがしばしばあります。でも、車によっては固さのある乗り心地がプラスに評価されることもあるのに、一体何が違うのだろうか…と考えた時に、やはりその車のイメージと乗り心地が合致しているか、という点にたどり着く気がします。
オフロードをバンバン走るような車に快適性を求める人はいないでしょうし、MercedesのAMGやBMWのMモデルも刺激的な走りを追求していることから、快適性は最優先ではないはずです。その車のキャラクターと実際に走った時の印象が合っていれば、誰も批判しないはずです。
ラグジュアリーカーだと思われている車には相応の快適性が求められて然るべきです。レクサスのLSというフラッグシップモデルがフルモデルチェンジした際に足回りの固さを批判する声が絶えませんでした。かつてセルシオと呼ばれる世界を驚かせるほどの静粛性を誇った車の後継車ですから、そのキャラクターからして圧倒的な快適性の高さは必須条件のはずです。それを無視して勝手にドライバーズカーに仕立てられて足回りが固くなったら、ユーザーの期待からは外れてしまい、批判の声は当然増えます。
今回のマツダのCX-60に関しては全くのニューモデルということで、固定化したイメージはないものの、やはりエクステリアやインテリアのデザインなどからすると、明らかに都会派SUVの雰囲気で、ラグジュアリー要素が強いモデルと感じる人が多かったのではないでしょうか。となると、その乗り味もゴツゴツした固いものではなく、段差も上手く吸収して滑らかに走ってくれることが当然期待されます。その期待値と実際に乗った時の乗り心地にあまりにも落差があったら、やっぱり批判される材料にはなるでしょう。プラットフォームから何から何まで新規開発の上に、足回りもさぞかし凝ったものを採用しているようですが、結局その複雑な足回りのどこかに問題があって、実際の乗り心地の悪さを指摘する声が多数出ているのだと思います。
マツダなりのこだわりがあって、ピロボールを採用した複雑な足回りにしたんでしょうが、変なこだわりを発揮するくらいなら素直に電子制御ダンパーとかエアサスを採用して上質な乗り心地を実現したら良かったのに…と思ってしまいます。下手に95点を狙いに行って、大失敗した挙句に30点くらいに終わるくらいなら、80点くらいを最初から狙って確実に取っていたら、ここまで批判されることはなかったはずです。忖度まみれの評論家ですら、さすがに誉めなかった足回りなので、よほど出来が良くないんでしょうね。次の年次改良で改善できるレベルなのか、大幅改良くらい入らないと直せないレベルなのか分かりませんが、CX-60に今すぐに手を出すのは、けっこうリスクが高そうです。
Posted at 2022/11/28 14:29:56 | |
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