
Eクラスは安全・快適装備がてんこ盛りの車なので、これを超える車はなかなかないだろうと思っていました。メルセデスで言えば、まだ上にSクラスがあるので、最上級ではないにしろ、一般的にみたら十分に高級車の部類に入る車だろうし、実際に乗っていても所有満足度は相当高いものがあります。自分でも次はどんな車を選ぶのか、ある意味楽しみでしたが、結果的に選んだのはアコードでした。
今回の乗り換えによって得るものと失うものがあるわけですが、個人的に思うところを列記してみようと思います。
<失うもの>(Eクラスの優位性)
・木目パネルやアンビエントライトといった華美な装飾で彩られたインテリア
・コンサートホールのような高音質を奏でてくれるブルメスタースピーカー
・操作性までよく考えられた先進安全装備の数々
・9ATとディーゼルの組み合わせによる力強さと低燃費性能
・直進安定性が高く、素直なハンドリング特性
<得るもの>(アコードの優位性)
・アダプティブダンパーやアクティブノイズコントロール、ノイズリデューシングホイール採用による極上のコンフォート性能と静粛性
・ハイブリッドの滑らかで力強い加速性能と低燃費性能
・質素なデザインながら、シンプルで飽きの来ない(であろう)インテリア
・開放感の得られるサンルーフが標準装備
・5年保証を付けたことで、故障の不安なく長く乗ることができる(←これはデカい!)
・雪が降ってもFRよりは安心して走れる(←これも大事!)
・希少車種なので、街中でほとんど見かけない
・FFなので後席足元がめちゃくちゃ広い
・ACCの加減速制御が滑らか(※期待も込めて)
ざっと思い付くことを書き綴ってみました。アコードは販売終了直前に1度試乗しただけなので、実際に所有してみたらもっと良いところが出てくるかもしれません。ボディサイズ的にはほとんど変わらないものの、FRとFFという違いもありますし、インテリアの方向性は真逆に近いものがあります。一般的にはEクラスの方が高級感漂う豪華なインテリアと評されるでしょうが、果たしてこれが落ち着く空間なのかと言われると、微妙な気がします。そのことに気付かされたのはシエンタを所有するようになってからでした。シエンタのインテリアはお世辞にも高級感は感じられず、カジュアルな雰囲気で素材も大したものは使われていません。全体的にはプラスチッキーで、アンビエントライトもありません。でも、乗っていて不思議と心地良さが感じられて、落ち着く空間になっています。クラウンクロスオーバーが登場した時に、インテリアの質感の低さを指摘する声は山ほどありました。でも、開発者の方は、あえてそういう空間を構築したといった話をされていました。「そんなのコストカットのための言い訳だろ?」と思う人もいるでしょうが、個人的には納得できる話でした。既成概念からは外れる考えだから、すんなりと受け入れられる人は少ないかもしれませんが、シンプルで居心地の良いインテリアにも一つの価値はあると思います。こんなことを言っている自分も実際にアコードを所有してみないと、どんな風に感じるのかは分かりません。ただ、シエンタもよく運転しますが、「これで十分」という妥協ではなく、「これがいいんだよなぁ」と思わせてくれる満足感があります。自分用の車もシエンタにしようかと思ったくらいでした。
気が付けば免許取得して20年近くが経過し、いろんな車に乗ってきました。その中で車に対する考え方もだいぶ変化してきたのを実感します。かつては「CVTなんてダルい変速機は嫌い、愛車にするなら絶対にATがいい」と思っていました。でも、今となっては「ギアの変速感ってそんなに必要?」と思うようになりました。運転してる感を大切にする人にとっては重要な要素でしょうが、いつしかギア変速がうっとおしく感じるようになってきて、ガンガン飛ばすわけでもないし、滑らかに走ってくれる方がいいや・・・と今では思います。ディーゼルに慣れると400Nmくらいのトルクは欲しくなりますが、今までフル加速なんて一度もしたことがない自分の走り方だと実際は250〜300Nmもあれば十分すぎます。Eクラスの9ATとか400Nmというスペック的な数値は、確かに良い車感は感じられますし、ビッグサルーンでありながらハイブリッドにも迫る低燃費性能を実現できていて、その点は非常に満足感がありました。ただ、どうしても加減速の際にシフトショックがあって、結果的にACCの制御も滑らかさに欠ける点があります。全体的なスペックだけを見たら、ダウングレードしてしまうようにも見えますが、実際の乗り味や満足感はEクラスに勝るとも劣らないものがあると思っています。
Eクラスとのお別れの日が近付いている寂しさもありますが、アコードの納車はそれ以上に楽しみです。
Posted at 2024/06/01 05:24:18 | |
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