ロードスターとマツダに心酔しているワタシです。それでも他社を知らずに「ロードスター万歳」と言い続けるのは人生を損していると思っている今日この頃です。
さて、GRヤリス、60系プリウスと人生初のトヨタ車を試乗し、マツダとの思想の違い(ドライバーが感じる官能性能の話)を感じて「やっぱ我らがマツダだわ〜」との思いを強くしました。
しかし、同じFRとしてアイツに乗らないとなーんか本筋を避けてる気がしてモヤモヤすること数ヶ月。今日、GR86の試乗をしてきました。これはその備忘録になります。
ネガティブなことも書いていますが、GR86が嫌いなわけではなく、「もうちょっと頑張れ!だってNDより100マン近く高いんだぜ?」という意味での感想です。
86が大好きで一切の批判も受け付けぬ、という方はブラウザバックした方が幸せです。
カッコいいか、カッコ悪いかは個人の好みです。
僕はカッコいい(だが360度どの方向から見てもカッコいいわけではない)と思いました。実は86を間近でしっかり見るのは今日が初めてです。
ボディカラーへのこだわりはマツダの方が断然深化している印象です。
「どう見えるか?」に対するマツダの研究心は大衆車メーカーでは群を抜いていると思います。
シフトフィールはNDと比較して特別良いとも悪いとも思いませんでした。
僕はNDのシフトフィールに関してメディアで絶賛されるほど良いとは思っていないのですが。。。NBの5MTの方がよっぽど気分を高揚させてくれます。
ところでGR86のシフトスティックって、真っ直ぐな棒ではなく途中で折れ曲がった形をしているのでしょうか?
シフト操作をしていて始終違和感でした。力の入れ具合がシフト操作の途中で変化する感じがしてしっくりきません。
このシート形状を見て「いいなあ」と思うNDオーナーは一定数いるハズ。
僕は自分の体に合った良いシートだと思いました。左右のサポートがNDよりしっかりしていて、かつシートが大柄なのでゆったりと体を預けることができます。
このあたりのインテリアはNDの圧勝です。少なくとも僕はそう思います。
ドアの内張の部分。シボ調の樹脂ですが、これは僕のミラバンでも同じような見た目と質感です。
同じ樹脂でも「外から見える部分もボディ色にしてるんです」と、こだわりを持ってるマツダとの大きな違いです。安易にアルカンターラ貼れば良いってもんじゃない。
とはいえ、スポーツカーなので内装の質感とかよりその配置が合理的かどうかの方が重要だと思います。そういう意味では何ら不満のない内装でした。15分の試乗の範囲なら。
たぶん所有したらドレスアップしたくなると思います。そういう風に車から誘われているような感じがあります。
「君がカスタムしたくなるように、ココ、質素にしておいたよ!」という開発者の親切心(?)が垣間見えます。
さて、前置きはこの位で走行フィールを書き留めます。
・クラッチ重い
・半クラッチの範囲が狭い
・ステアリングが小径
・乗り心地はNR-Aに近い
・FRっぽさを感じる
・サスを縮めて曲がるのではなく、ダンパーの硬さで向きを変える感じ?
・NAの水平対抗がこんなに軽やかに回るとは!
・ドアの閉まり具合、スバルらしくない?(スバルのドアが好き)
このようなことを感じました。
まず驚いたのはクラッチ重い問題です。
現代の車だから軽いと思っていたらNBと同じくらい重かったです。
GRヤリスもクラッチが重かったのですが、それはハイパフォーマンスカーだからだと思っていました。しかし86も結構重い。
MTは渋滞でしんどい、とよく言われますがND乗りの僕は「何を言っているのか?」とずっと謎でした。
しかしNDより販売数の勝るGR86のクラッチがこんなに重かったら、そりゃ「渋滞しんどい」という意見が多数派を占めるだろうな、というのが今日わかりました。
それからGR86の最大の違和感はクラッチの繋がりです。
繋がり方がGRヤリスとほとんど同じで、かなり手前まで戻して「スコン」と繋がります。
半クラッチの領域が狭く、クラッチを戻していくといきなり繋がる感じです。
これは最初1速での発進でひどくギクシャクしました。NDはこの部分が非常に懐が深く、人間の操作に対して違和感ない動作に仕上げているのだと改めて実感しました。
クラッチ操作も慣れればなんてことないのでしょうが、横に乗っていたGR86オーナーのセールスの方には「このオッサン、下手すぎプププ〜」って思われたに違いありません。運転している自分の首がガックンガックンするくらいですから。
また、乗り心地は僕のNR-Aと似たテイストです。テイストなだけであって、同じわけではありません。が、足の硬さと伝わってくるコツコツ感が似ている気がします。
セールス氏いわく、「硬いと言われる方も中にはいます」とのことなので、スポーツカーを乗り継いできた方なら何てことはない硬さです。逆に柔らかく鈍感なフィーリングにしてしまったらこの車はダメになると思います。
ここが990Sを大成功させたNDとの車体の性格、車作りの思想の違いだと感じます。
また、どうしてなのかGR86の走行フィールはFRに乗っているという気にさせてくれます。
※あとで読み返してFR車に「FRっぽい」というのは至極真っ当なこと言ってるだけに思えますね。。。上手く言葉にできないのですが、シフト、ステア、クラッチペダルのフィーリングが(僕にとっては)違和感があるのに、走行フィールだけ「素直なFR」という点にギャップを感じた、といったニュアンスに近いです。(2024/10/1)
フロントで車の向きを変え、リアで押し出す、というフィーリングが感じられました。
良くも悪くもフロントとリアがお互い主張し合うような感触というのか。
じゃあそれが面白いか?と言われると、実はハンドルを握っていて一度も面白いとは思いませんでした。この辺が人間の感覚の不思議なところです。良い車のはずなんですが、僕には面白さがよくわかりませんでした。
マツダというメーカーは、運転して楽しいかの部分のこだわりにおいて「頭がおかしい」メーカーだということを再認識しました。こりゃますますマツダ地獄です。
まとめ
いまいち値段に納得できないキャラクター性でもったいないと思う。
今の乗り味でもうちょっと安いか、今の価格でもうちょっとしっとり系の乗り味だったら釣り合う気がする。
「大人のスポーツカー」にしてはヤンチャだし、「若い人のスポーツカー」にしては新車価格が高すぎる。。。