
今回のイベントでこのマシンのエンジン音も聞きたかったのです。
RA272。
以前プロジェクトXで紹介された、第一期F1参戦時のマシン。
1965年製の1500cc 横置きV12エンジン。
以前もてぎの動態テストでRA272のエンジン音を聞いてから、あの「ホンダミュージック」と言われるエンジン音、もう一度聞いてみたかったのです。
ホンダのバイクピットの隣の隣に3台のマシンが置いてありました。

当時のドライバーからも「こんなエキゾーストノートをするエンジンは初めてだ」というお話があったそうです。
RA272とRA300、RA301がデモランのために準備されていました。
ホンダコレクションホールのスタッフからもこのRA272Eについては当時の技術を集めた、宝石のようなエンジンだと聞いたことがあります。
当時、12気筒を綺麗に全部回すだけでも大変だったと思います。
13000rpm、200馬力オーバーのエンジン音、久しぶりに堪能しました。

残念ながら高橋 国光さんのドライブでデモラン中にS字でストップしてしまいました。
これだけ入念に整備しても調子を落としてしまうことがあるんですね。
当時のF1参戦は相当大変だったと思います。
RA300。1967年製で実はシャシーのイギリスのローラ製なんです。
1年前のシャシーRA272はホンダの自社開発だったんですね。
エンジンは1966年に開発されたRA272E。
バンク角90度、3000ccV12エンジン。
6年前のもてぎ動態テストの時と同様にエンジンを掛ける前に直接ファンネルに添加剤のようなものを注入していました!
なつかしいなぁ。
このあたりになると、耳塞がないと厳しくなってきます(笑)
RA301。1968年製で、こちらもシャシーはローラ製。
エンジンは改良されたRA273が乗っています。
このあと有名な「空冷F1エンジン」RA302と続いて、この空冷F1マシンに乗っていたドライバー、ジョーシュレッサーが事故死してしまいます。
当時はこのRA301がとても強く、良いマシンでチャンピオンも狙えるほどだったと場内アナウンスされていました。
当時の監督、中村 良夫さんはすぐにオーバーヒートしてオイルを撒き散らすRA302の出走には大反対だったそうですね。
本田宗一郎の空冷エンジンへのこだわり、マスキー法に対応したCVCCエンジン開発にも空冷を押し進め、技術者と激しく対立したと聞いています。
※動画の初めの方のエンジン音は隣で準備していたローラLC-90 ランボルギーニV12の音です。
これも非常に珍しいんです。
有名なマクラーレンMP4/4なんですが、まずイベントで走行なんてしません。
ホンダ内部でも大事にされているマシンです。
1988年で16戦中15勝した伝説のマシン。
イタリアGPで周回遅れのマシンに接触してリタイアした1戦のみ負けただけの無敵のマクラーレン ホンダ。
その周回遅れのマシンに乗っていたのが、ジョーシュレッサーの息子、ジャンルイシュレッサー。
たまたま代役でウイリアムズ ジャッドに乗っていたと記憶しています。
なんという因果関係なんでしょうね。
ロータス100Tと同じRA168Eですが、黒煙はあまり吐いていなく、状態は良いようです。
ドライブした伊沢選手も綺麗にエンジン回していました。
マクラーレンMP4/5をドライブする塚越選手がシート合わせに来ていました。
こちらのホンダコレクションホールのスタッフの方は第2期F1参戦時のエンジニアの方々がほとんどだそうなんです。
ペダル合わせからシャシーのセットアップまで何でもこなすホンダスタッフ。
やっぱりすごいです。
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サーキット | 日記
Posted at
2012/09/07 22:39:39