BR-ROMを入れてからすっかり静かになってしまった私のグレイス
普段は静かで踏めば速いなんてスマートでカッコイイ感じですが、個人的にはそれじゃあダメで、何か高揚感が湧いてきません
B型エンジンみたくハイカム時のカムに乗る感じも無い訳で、内燃機関の刺激が足りない感じなのでやはりもうちょっと音が欲しい
じゃあ他のマフラーにしようかとしても残念ながら不人気車のグレイスでは選択肢も少なく、またあっても車検対応のしかない訳で、交換しても現状と大して変わらない事が予想されます
仕方ない、これはもう無いなら作ればいいじゃなーい、という事で堺にあるマフラー屋さんの柿本レーシングさんがワンオフもやっているという事で相談に行きました
「今付けてるGTBOXマフラーの形状は気に入ってるんで、これはそのままでもうちょっとだけ音量を上げたい、でも性能は落としたくないので排圧は出来れば現状維持で」という物理法則を無視したアホなリクエストをしてあれこれ相談しました
その後図面等を見ながら部品を選定して具体的な仕様を決めていきます。ワンオフという事で好き勝手に出来る訳なんですが、NAエンジン車のリアピースだけという事で選択肢はそんなない訳で結局、柿本レーシングさんの大阪ファクトリーのオリジナル商品として出しているフィット3用の競技用マフラーのグレイス版を作ってもらう事に、
作ったマフラーがどんな音量や性能になるかは実際に作ってみないと分からないとの事
え、何か不安、大枚払って残念な事になる可能性も充分にありえるという事か
でもまあフィット3の競技用ベースだからそんなに酷いことにはならない、はず、店員さんも言ってたし、それは間違いないと思う
と、先ずは選定した内容を元にお見積もりを作成して頂いた所、そのお値段¥86000也
うーむ、想定した金額よりもお高い、でも職人さんの手作りの1品ものだと考えれば妥当な気が。作業時間で工賃関係の金額が変わるので見積もりが最大金額でそれよりも安くなることもあるそうな
実際どうなるかはやってみないと分からんそうで時価ということだそう
ただただもうちょっと音を大きくしたいというあやふやでDQNな欲求を満たすが為に約9万もの大金を支払い更に結果は出来てからのお楽しみという一般人には到底理解しがたい動機や内容ですが、期末一時金が出るお達しがあったのでここは大船に乗ったつもりで一発、製作をお願いしました。一時金だけに1万円とちゃうかなどいう悲観的自虐的な噂がまことしやかに囁かれておりますが、いくらなんでもそれはないやろしかしw
発注後、待つこと約3週間、材料が揃ったという連絡があったので作業日を決め、当日実店舗に行き実車を使って製作していきます

リフトに上げて制作に入ります
床に置いてあるのが今回使うマフラーのタイコ部分、見た目は車検対応の市販品と同じですが中身が異なります
仮組が終わり、マフラーを作って下さっている間、私は許可を頂いて普段見ることの無い下部をじっくり観察したりました。このエリアは静音の施工を何も施していないので、各部の構造を確認しながらあーしたいこうすればなどと色々な妄想と計画が浮かんできます。
後は近所の自動後退や黄色帽子に遊びに行ったりして、マフラーが出来るまでの時間を潰します
と、
朝10時に入庫し作業が始まり待つこと4時間半、出来たマフラーがこちら

取付位置も角度も市販のGTBOXとそっくりw
部材が揃う3週間の間、「どうせワンオフで作るなら俺オリジナルにすんべえよ」とあれこれ悩んだのですが、結局変えようが無かったのでもう同じようにしました
でもせめてちょっとだけでもどうにかしたいと2cm程後ろに突き出してリアバンパーと面いちかちょっと凹む位にしました、うん、誰も気付かないなこれw
見た目は市販品と限りなく同じでこれならお巡りさんもまず分かるまいといったところですが中身は違ってまして、市販の車検対応の中はこんな感じ

タイコ内径φ80に中でφ45に絞ってます
対する俺マフラーはこんな感じ

内径φ60でそのままストレート
斜め後ろから見ると只の筒状で奥まで丸見えでステキ
まあそのうち煤で汚れて市販品と同じ見た目になるのですがw
乗ってみるとタイコ内の絞りが無くなって排圧が下がった分、低回転時に排圧が足りないのか、エアクリが変わっており空気の吸い始めの流速が上がらないのか踏み始めの回転が上がりが悪く、最初のトルクが出ません、ほんの僅かコンマ何秒かの間ですがちょっともたつきます。なんだか昔のチューンドカーみたいでちょっと懐かしい感じ。
高回転側は以前と同様にレッド手前まできっちり回り、トルク感も伴ってますので排圧抜けすぎまでは至って無い模様
これエンジン回さない一般人が乗ったら、何となくもっさりしていると単なる改悪という評価でしょう
が、この下のモタモタからの2字曲線的に吹けあがるのが昔から個人的に好みなんです。バトルとなるとちょっとしんどいけど、独りで走っているとこっちの方が楽しい断然楽しいのです。
まあ下がイマイチになったと言っても昔乗ってたインテ程低速すっかすか(軽量フラホも入れていたので絶望的に低速トルクが無く、夏場アイドリングでエアコンをかけるとエアコンの負荷に負けてアイドリングを維持できずエンストする仕様w 2000rpmぐらいまで回さないと走らないので街乗りに覚悟とコツがいる)程ではではありません。更にグレイスでは可変バルタイ機構とモーターアシストの恩恵もあるのであまり意識する事なく全然普通に街乗りできます
肝心の音量はというとこれが意外と静かでBR-ROMを入れる前の市販品のよりちょっと大きくなった程度
可変バルタイでバルブが開いている時とそうでない時の違いが以前より分かるようになった感じ
グレイスはアトキンソンサイクルエンジンでアクセル全閉時には吸排気抵抗を減らそうとバルブが開くので音が大きくなるのが面白い
まあまだ新品で図を見て分かる通り結構なグラスウールが入っているのでこれから経年劣化でどんどんウルサクなる気がします、上まで回すとグラスウールの焼けるあまーい香りが漂います
グレイスはバルタイが可変するので大きく開いている時はそれないにウルサク、挟角の時はだいぶ静かですね、競技用マフラーでもゆっくり走ればかなり静かに走れます
BR-ROMのせいかかなり低回転を常用しますので普段乗りはそんなにお巡りさんを気にせずに済みそう、(普段は低回転過ぎて踏み始めの最初のレスポンスが悪いので、これ気になる人は気になるだろうな、でもまあ中高回転向けにセットすれば自然とこうなるわけで)
なんの競技か知りませんが競技専用のプレートが
車止めにマフラーのサイレンサーが引っ掛かって動けなくなることがたまにあるのでパイプとサイレンサーの段差を無くし引っ掛からないようにすべく追加のステーが

相談時にお値段を伺ったら割りとええ値段するので辞退したのですが、こっそり追加してくれたみたい、有り難うございます
これでリアピースは事実状のただの筒になった訳ですが、何となくそんな気がしていましたが結構静かです、音質も低め。センターパイプのデカイサイレンサーがいい仕事をしているのでしょう。
さらなる爆音を求めるならセンターパイプも直管に交換する必要がありますが、別にそこまでは求めてはいませんので今回はこれでOKです
柿本製では無く軽自動車用ですが丁度良いインナーサイレンサーがあり用意しましたが今のところ一度も使用していません
最終的にはこのインナーサレンサーを加工したりどうこうして音量と排圧を調整して付けっ放しにして普段乗り、そして週末等刺激が欲しい時や元気に走る時は外して走ろうと考えています
てな感じで出来た柿本改改ワンオフマフラー(リアピースのみ)ですが最終的なお支払いは¥80000ポッキリで見積もりよりは安くなりマスタ
市販品の小改良といった処で作業時間がそこまでかからなかった分、安くなった感じですね。
ニコニコ現金ばらいでお支払いして帰路につきました
さて、これで外したマフラーをヤフオクで売り払い、実は大金を支払ってまでマフラー交換した事を家族に悟られなければミッションコンプリートです
丁誠心誠意丁寧にご説明したとしてもご理解が得られる内容ではありませんのでこの秘密はどこまでも守り抜く所存でございます