暑い日が続く中、グレイスも水温と吸気温度が高いままで安定しています。温度が高ければ高い方が燃費的には好都合なんで別にこのままでも良いといえば良いのですが何となくグレイスがしんどそうに思えたので、このクソ暑い最中ですがもうちょっと何とかすることにしました
スポーツDCT搭載といいつつ高燃費特化型マシーンのグレイスはその高燃費を叩き出す為にエンジンルーム内の温度を温かく保ち、全体の効率を上げ、エンジン水温も高めを維持しつつなるべく熱い空気をエンジンに吸わせるという燃費優先な造りになってる訳ですが、これは馬力を出すには完全に真逆で不都合なので、その辺にいるおっさんでも小手先で出来る範囲で手を加えて行きます。
先ずは吸気温度対策から
現状は社外の向き出し式エアクリを装着しており、エンジンルーム内の空気を吸うといった状況です。
先日、純正の空気取り入れ口からエアクリの位置するエンジンルーム一番奥のバルクヘッド付近にまでダクトを引いたのですが殆ど効果は見られませんでした。
走行中の吸気温度を見ていると、停車時に外気温+15℃以上の50℃以上まで上昇し、そこから走り出しても吸気温度が全然下がりません。エアクリのそばまでダクトを引いたので、ちょっとは温度に変化が見られて良いはずなのに…???
と、疑問に思ったので先ずは後の作業の事も考慮しつつエンジンアンダーカバーを外してみました。
カバーを外して試走してみたところ、やっぱり吸気温度の変化に乏しく、殆ど動きません。
…これは…吸気ダクトの前に壁があって真正面が完全に塞がれているから、外気かダイレクトにダクトへと入って行ってない予感、開口面積を減らして空気抵抗も減らつつ、エンジンか冷たい空気を吸わない様に燃費対策にきちんと作り込んであるなホンダ。エンジンルーム内も高い温度を保つために空気循環を起さない様に作ら入れてる」
と、Bセグセダンの安車なのに世界戦略車だからなのか結構ちゃんと出来てるやんけと感心したところなんですが、個人的に都合が悪いのでホンダの素晴らしい設計は無視してグリルのダクトがある位置を切り取って開口しました。
Pカッターで手でシコシコ切っただけなのでかなり見栄えが悪いですが基本的に見えないので取り合えずこれでヨシ!
開口したグリルの後ろにはかなりショボいけど導風板がありました。あんまり効きそうに無いけどワザワザ付いてると言うことはなんとなく効く、のか??
さて、穴開け後に試走した所、停車時は相変わらす温度が上がりますが、走り出すとすぐに吸気温度が下がる様になりました!
走行中でエンジンがかかっている時は外気温+3℃~8℃あたりで推移しています。
馬力的には吸気温度は低ければ低ほど良いので出来るなら外気温と同じにまで下げたい所ですが、そこまでやろうとすると色々と大掛かりになり大変なので、今回は取り敢えず下がったのでこれで良しとします。
続いて水温対策です
こちらもノーマルの状態では温度変化が乏しく、グリルの作りも一部壁が立っていてフロントからの空気の流入を制限するフロントの開口部を出来る限り少なくした低燃費重視な作りになっているで、試しにグリルの下半分をカットして撤去し開口部を広げてみました
フロント部のメッキ装飾が無くなったのでシンプルになったというか何となく物足りない無骨な見た目になってしまいました。
で、この状態で走行してみると今度は水温がちゃんと変化するようになりました。
やはり燃費対策で開口部が足りなかったみたい。
停車時等は86℃超まで上り、走っていると徐々に水温が下がっていきます。試しにヒーター全開にすると82℃までスッと下がります。割と過敏に反応するので真夏でもこれでいけそう。
グレイスはフィットRS等よりも一回り小さいラジエターが搭載されているので馬力を上げるとその発熱量にラジエターの容量が足りるのか心配でしたがこの水温の動きっぷりだとどうやら容量的には大丈夫そうで一安心です。
ラジエターはより大きな物に換装しようとホンダ車ではお馴染みの他車種の流用が出来ないかと探しているのですが残念ながら今のところこれはというのが見つかっていません。
因みに昔見たオプション誌の実験ではDC5インテで水温70℃と90℃で20馬力程出力が低下していました。温度による出力の低下もありますが水温68℃以上から点火時期等の補正が入って制御面でも低下するのだそう。
昔乗っていたNSR250は水温63℃から補正が入る仕様でした。その後に乗っていたDB8インテsiVTECでは水温68℃から補正か入る仕様でした。
調べてみるとホンダ車は水温60℃後半から何らかの出力規制が入る車輌が多いみたいですね。
ホンダの市販車は、それか例えレースベース車や高出力車であったとしてもノーマルではフルパワーにならない様にあの手この手で制限がかかっている事が多く安全対策がしっかりとなされている印象です。
グレイスは燃費優先モデルですが同じホンダ車ではあるので安全対策でしっかりとなされている筈で、何だかんだと出力制限かかかっていると推測されます。
普段使う事の殆ど無い馬力を追い求めるよか低燃費のが良くね?
なんて思ったりもしますが、「アクセル全開!フルパワーで加速!(そのウラでは吸気温度補正sage、水温補正sage、その他補正sage…)」、とか自分の知らぬ所で勝手に出力が下げられいると思うと心情的になんかモヤモヤするので、補正が少しでもかからない様に水温を下げる努力をします
水温についてはグレイスに付いている純正のサーモスタットでは78℃から動作するので、実測水温が80℃以下にはどうしてもならず、おそらく常に馬力抑制の補正が入りっぱなしの状態です。
これを解決するために定番のより低い水温から動作するローテンプサーモを導入します。
グレイス用で探しても出て来なかったのですが、ホンダ車の水回りは割と交換性が高く、みんからでフィットRSのを流用しているフィットハイブリッドの方かいたのでフィットハイブリッドがいけるならグレイスもいけるやろーJKと、ちゃちゃっと調べビリオンから出ているフィットRS用の65℃から動作するローテンプサーモを購入しました。
注文した翌日には届いたので、ササッと交換すべく、ふふーんとラジエター液を抜いて、スポッとコネクターを抜いて、カチャっとホースを外してM10ボルト3本を抜いて、いざ入れ替えー、をしようとするも全く形状が違い、取り付けNGな事に気付くorz
あかんやってもーた…、ホンダ車の水回りはみんなほぼほぼ同じやからだいたいでおっけぇなんですが、たまにある例外的なやつに当たりました
なので車の方はささっと元に戻してから改めてサーモスタット関連について調べてみると
フィットRSなんかのL15BエンジンとグレイスハイブリッドのLEB-H1ではサーモスタットの取り付け方法が異なり流用不可みたい
ローテンプサーモが無いならサーモスタット撤去して無しで運用てのも考えましたがサーキット専用車両ならまだしも街乗り車ではさすがに非現実的で無理すぎるので却下です
とりあえず間違えて買ったローテンプサーモはでどう見ても流用できそうにないのでヤフオクにでも流す事とし、改めてLEBエンジン用のローテンプサーモを探します
グレイスのサーモスタットは純正品番19310-5P6-004で、同品番のものがヴェゼルやインサイト、クラリティなんか使用されているようですね、プラ製のカバーにサーモスタットが付いている構造で、L15系エンジンで採用されている昔からの構造が異なります。
ヴェゼルやインサイトの型番で調べましたがエコカーにローテンプサーモを付ける人なんかいる筈も無く、当然製品化される訳も無くやはり全くありません残念、でも諦めません
色々とサーモスタットについて調べるうちに、最近のシビックやインテなんかがグレイスHVと同様のサーモスタットの取り付け構造をしており、タイプRなんかもある訳で製品としてローテンプサーモも販売されいる事が分かりました
色んな車種のローテンプサーモの画像を大量に比較、どうもFD2シビックやCL7アコード用のサーモスタットの中身の金属部分がグレイスのそれとかなり似ている事が判明、付属のOリングもクリソツでこれはかなりアヤシイ
外側のカバー部が微妙に形状が違うので、シビック用をそのままポン付けとはいきませんが水温を調整している金属部だけ入れ替え出来れば使えるんじゃね!?
という事でスプーンのシビックFD2用では無くFN2が同品番で千円も安かったのでこちらを購入
翌々日に届き、即開封、ドキドキしながらグレイスのそれと比較した結果…
左がグレイスの純正で右がFD2用のローテンプです
計測はしていませんが見た目は全くの同サイズw キタコレwww
ウキウキのまま早速分解してグレイスのカバーにローテンプサーモへと組み換えました(カバーに金属部がスプリングで抑え込まれてハマっているだけなので力技で分解して付け替えます)
ついでにOリングも新品にして、グレイスに取り付け、ついでに勢いで買ったビリオンのよく冷えそうなクーラントに交換しました。
BILLION ビリオン スーパーサーモLLC タイプRプラス 4L
良く分からんがタイプRプラス、すっごい冷えそう
グレイスはクーラントの量が少ないので4Lでほぼ使い切り足りました
交換後、クーラントのエア抜きや各部のチェックがてら近所を走行し動作確認をしました
普段の走行で70℃台後半から80℃近辺、ヒーター全開で72℃位まで下がり、きちんとローテンプサーモが作動し水温も以前より6~7℃下がる事も確認できました
ふふふ、これでちっとも体感できる自信は無いが、普段の走行でも数馬力は馬力が出てエンジンレスポンスもちょっとはマシになった筈、ジェイズから発売されているローテンプサーモなら作動温度が65℃とスプーンのよりも更に3℃低いのでモアパワーを期待できますが、水温-3℃の為に更に+1万円はさすがに出ないけどな
ローテンプサーモを無事導入でき、水温の方も対策できたので今回の工作はこれで一旦完了とします
本当ならラジエターも(安く簡単に)大きなものに変えたい欲求に駆られますが、適当な代替品が見つからないので交換できません。まあDB8インテほど熱に厳しい感じはしないので、ノーマルでも充分行けそうですが
チューんド車両ではサーモスタットとよく同時に交換される事の多いサーモスイッチですが、これは交換すると寒い時期に水温が下がり過ぎて調節が面倒になるのと、ヒーターで代用できたり、必要なら手動で強制的にファンを回す細工をした方が圧倒的に使い勝手が良いので今回は交換せずにノーマルのままにしてあります。
さてと、これで暫くはその挙動を把握する為に水温&油温&吸気温度を見ながらの走行になるかと思われます
今回のモディファイで馬力は確実に向上すると思われますが、その分、燃費も確実に悪化すると思われます。またこれから寒くなるので各温度を丁度良い塩梅に調整する手間やオーバークール対策など今後何かと面倒を見てやる必要が出てきます
スプーンのHPのローテンプサーモの説明分にはこのようにあります
-サーモスタットはノーマルより開弁開始温度を約10℃下げ、全開温度をを約10℃下げました。この差が熱交換量の差となり、耐ヒート性が上がるのです。厳寒時にはシャッターが必要となるのは、いわばHondaの伝統です。
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オーバークール対策はホンダの伝統らしいwので気温に合わせ色々と対策していきたいと思います