去年の秋にジャンク品のRE050に履き替えてから変えなきゃと思いつつ使い続けること早半年。9,000kmも走ってしまいました。
まだ5分程度の残溝もありタイヤの性格に満足しているのは変わらないのですが、流石に12年落ちのタイヤ、寒くなって硬化が更に進み、朝一番のパーキングスピードのフルロック操舵でゴリゴリと外輪が滑り出したり、夜中の橋の上での加速時にVDCが度々作動したり。
また硬化したショルダー部が細かいヒビを伴いながらプラスチックを削るが如く崩れるように削れてきたりと放ってもおけない状態になってきたので、本格的にタイヤ交換を考えることにしました。
適合サイズが少なく、今までも散々タイヤについては悩んできたのですが、V36を取り巻くタイヤの現状は…
ブリヂストン…S001にフロント/リヤ適合サイズがあったが現在はS007Aに進化している。
ヨコハマ…以前フロントサイズの設定のあったV103がカタログ落ち。代わりにV105にフロントサイズが追加された。
ピレリー…P ZERO(PZ4)にフロント/リヤ適合サイズあり。LUXURYタイプ。
ミシュラン…PSSのフロントサイズの新設定が為されたと思ったらリヤサイズがカタログ落ちした。
…といった具合。
というわけで当初第一候補のミシュランはあっさりと候補落ちしてしまい、残る3メーカーから選ぶことになりました。
まずS007A。前に履いていたS001はスポーツ性能には満足が出来たものの、乗り味の硬さや音の煩さが気になるタイヤでした。後継のS007AはS001の快適性はそのままに、スポーツ性能を向上させたという触れ込みなのでS001の不満点は解消されていないのではと思料。値段が高いのもあり今回は選外。
YHのV105はNDロードスターのOE品をスイフトで使っていて、乗り心地とスポーツ性能のバランスが良いのは分かっているのですが、フロント用225/50R18が出たばかりでこちらも通販での取り扱いで価格がこなれていない。
というわけで今回は消去法と今まで試したことのないメーカーのタイヤを試してみようということ、そして値段が安かった(これが一番大きいw)という諸般の事情が重なり、初ピレリとしてP ZEROを試してみることにしました。因みにお値段はポイント還元分も含むとS001の半額強w
このP ZEROってタイヤ、OE装着が中心になっているらしく、ユーザーの口コミがほとんど無いため、どんな性格のタイヤなのか丸っきり見当が付きませんw。ついでに言えば届いたタイヤ、前後共に同じLUXURYタイプなのにこの通り。写真左がフロント用225/50R18、右がリヤ用245/45R18なんですがショルダー部のデザインはサイズによって違うようです。ホント分からないことだらけw
届いたタイヤはフロントが2018年42週、リヤはちょっと古く2018年16週の製造。因みに生産国はフロントがドイツ製、リヤがイタリア製でした。フロントは☆マークがついているのでBMW承認タイヤ、リヤは無印。225/50R18というサイズのタイヤBMWの何が履いているのか調べてみたら、ミニクロスオーバーの純正指定でした。
他にこのサイズの純正採用車種を調べてみたら同じくBMWのX1(銘柄はP7K1RFT)や国産ではC-HR(RE050)やヴェゼル(プライマシー3)。意外なトコではエスティマ(SP270)。このサイズは最早ライトSUVかミニバンの定番サイズになっているようです。セダン・クーペ系の車種でこのサイズを履いているのはV37系スカイライン(S001RFT)、Z34標準車(V103E)とBMW3シリーズグランツーリスモ(P7RFT)ぐらい。
装着はいつものパーツワンさんでお願いしました。組む前に触ってみた感じでは、サイドウォールはかなり柔らか目、ビードとトレッド部ががっしりというヨーロッパのタイヤの定番な感じ。
パターンは…ピレリらしくないっていうか…何ていうか無個性っていうか。。最近のプレミアムスポーツ系のタイヤは太目の4本リブに直線的な横溝をちょいちょいといった、どこのメーカーの物も似たようなパターンになりつつありますね。これはサーキットラジアルタイヤでも同じことが言えますが、タイヤの特性をシミュレートすると自ずと似てきてしまうのかも知れませんね。
第一印象の街乗りでは、路面の綺麗な所では静かなものの、目地の粗い舗装ではゴーゴーと煩い。ただ当たりは柔らかく、回転バランスも良さそうで総じて街乗りでは好印象。ただ、街乗りだけではすべての印象は分かりません。
丁度そんなタイミングで休日出勤の代休を消化しなければならなかったので、仕事にひと段落ついた合間にタイヤテストを兼ねて今年初の平日独りプチツーに出かけることにしました。
季節柄、北の方はまだ雪も残っていそうなので今回は西へ。往路は奥多摩と周遊を堪能した後で藤野、都留、山中湖を経由し、新東名と伊豆縦貫経由で西伊豆スカイラインへ。復路は冷川から伊豆スカイラインに乗り、箱根峠から仙石原を抜け乙女道路で御殿場へ戻り、籠坂峠を越え山中湖へ戻り道志みち。通行止め区間を迂回する為に青根から藤野まで抜けR20で大垂水を越えて高尾から圏央道で帰るルート。様々な性格のワインディングと高速走行でタイヤテストには持ってこいのコースですw
でその謎に包まれたP ZEROがどうだったか?
結論から言うと予想以上にLUXURYなスポーツタイヤ、若しくはとてもハイグリップなコンフォートタイヤといったところでしょうか。ワインディングに入って一番最初に思ったのは、思ったより柔らかいというのと、レスポンスはさほど鋭くないということ。グリップレベル自体は割と高いレベルので、タイヤが潰れ切ってからは相当粘るのですが、S001やV105と比べてもタイヤの潰れ代が大きいような気がして、その結果、コーナーアプローチで分かりやすいグリップ感が足りない。結果ちょっと捉えどころのないヌルっとしたステアフィールになって表れてくるのだと思います。
このような感じなので、勢い任せなステア操作だとギクシャクしがちです。特に右に左にと忙しい西伊豆スカイラインの戸田峠~土肥峠のような区間だとそれが結構気になってきます。その反面、縦方向のグリップは結構強力で、コーナー出口でのトラクションによる挙動のコントロールは結構しやすくも感じます。
また奥多摩周遊や伊豆スカイラインような中速コーナー主体で曲率の読みやすいコーナーの続く道だと気持ち良く走る事が出来ます。ワインディングではこのように多少クセのあるタイヤですが、街乗りや高速では当たりも柔らかく直進性も非常に良い印象。このような特性から考えるに、ある程度ハイパワーな高級車のトラクションに耐え、高級車らしい乗り心地を担保するためのLUXURYという設定なのかも知れません。
メーカーからの発表ではSPORTSとLUXURYの違いは、ショルダー部分のトレッドデザインとコンパウンドという説明になっていますが、もしかすると構造自体も違うのかも知れません。ピレリの場合、コンフォート系ではP7系がその役目をはたしているので、LUXURYといえどP ZEROがここまでコンフォート寄りの性格になっているとは思いませんでしたが、総じて印象的にはスポーツというよりコンフォート系なタイヤなのは間違いないようです。
非常に大雑把に言うなら、街乗りの快適性とスポーツのバランスの度合いにおいて、イメージで言うならサーキット系ラジアルが2:8、S001が3:7、V105が4:6位だったものが、P ZERO LUXURYでは6:4、LM704では8:2といった感じ。個人的には5:5が望ましかったのですが、メインの普段使いの快適性が高いに越したことはないですし、ワインディングを自分なりのペースでなんて年に数回の事ですから許容範囲ですかね。でも次はV105にするかもw
まぁまだ乗り方をタイヤに合わられていない部分もあるので、色々な状況でP ZEROを試してみたいと思っています。
それにしても朝から夕方まで。久しぶりに一日中ワインディングを堪能しました。楽しかったなぁ♪