
2024年8月1日よりヘッドライトの審査方法がロービームだけの審査に変更されることが物議を醸しています。
正確には2015年9月から上記審査方法に変更が決まり2018年6月以降ロービーム審査となる予定だったものが、各陸運支局の設備の関係上経過処置としてロービームで審査落ちした場合のハイビーム審査が認められてきたという言い方が正しいですね。その特例処置が2024年8月を持って廃止される事になったというのが正確な経緯です。
何が物議を醸しているかというと、新車時には問題がなくとも経年劣化で審査のハードルが相対的に高くなるという点にあります。
御存じヘッドライトの黄ばみや白濁問題がソレです。我が家のV36は今のところライトユニット自体はまぁまぁ綺麗な方で問題は無いかと思いきや、プロジェクターヘッドライト内にあるレンズ自体が紫外線やガス等の影響で白濁してしまい光量の不足やカットラインが出ないなどの現象が発生しロービームでの審査落ちに繋がるという、正にヘッドライトの白内障と呼べる症状で、Z33やZ34、フーガ辺りでも良く見られるようです。
この白内障は保管状況やヘッドライトカバーの透明度の状態に関わらず、ライトの点灯時間に応じてレンズ自体の劣化が進むとの事で15年落ちの我が家のV36もいずれ直面しそうな問題です。そう言われると…最近デミオの明るくシャープな配光のLEDヘッドライトに慣れたせいかV36のHIDがボヤっと暗く感じるような。。検査機器の配備の関係で関東圏の陸運支局では更に最大2年間の延長となったようではありますが…先々の心配の種が増えました。。
閑話休題…って前置きが長くなりましたが、今回のタイトルはV36のライトではなく私の目玉の話。クルマとは関係ない話となりますが、運転には重要な視力の話。自分にとっての備忘録でもあるので忘れないうちに記しておきましょう。というわけで無駄に長いジジイの戯言なので興味ない方はスルー推奨です。
小学校5年で近眼と診断されて以来メガネと共に暮らすこと42年。高校生時代に近視の進行が落ち着いて以来20年以上メガネの近視矯正度数には変化が無かったのですが。。。
最初に見え方に違和感を感じたのは2011年、40歳頃のこと。初めは気のせいかと思ったのですがどうもメガネのままだと近くが見辛い。当時は老眼なんて思いもしなかったのですが、色々調べているうちに程なく自分がまごう事無き老眼であることに気が付かされます。
遠方視力自体は変わらないのですが、時の経過と共に近くは見辛くなり、2016年、45歳頃からは遠近両用メガネを作ったり手元用の弱度数の眼鏡を作ったりしていましたが、老眼が進むに連れて合わなくなり2018年、47歳頃からは近くを見る時にはメガネを外す典型的な老眼スタイルとなりました。
次の変化が現れて来たのは2019年秋、48歳頃。どうも左目が見え辛く雨の夜間運転時に対向車のライトが乱反射して眩しい。視力を測るとやはり左目だけ視力が低下。翌年には更に視力低下の進行が早くなり左右ガチャ目に。
眼科受診の結果判明したのがブログタイトルにもある白内障。医師の診断によると水晶体中心部から茶色く濁る核白内障というタイプの白内障で、中心部に曇りが発生することから急激な視力低下が出るのが特徴とのこと。
こうなると解決法は手術のみ。眼科の先生は片目だけの手術だともう片方とのバランスの問題があり眼内レンズの選定が難しいし、いずれ反対側も同じ症状が出るので両方手術した方が良いと仰るのですが、私みたいなおっさん世代にとって白内障とはマンガ『よろしくメカドック』のナベさんのチューナー&ドライバー生命を奪い去った恐ろしい病気という刷り込みがあるので、即決断する事が出来ません(ただ手術が怖いだけw)。。
なので、3ヶ月毎の経過診察は続けつつ先延ばしにし続けていたのですが…それから4年弱。左目は眼鏡では視力が出にくい状態となり、右目も若干の視力の低下を自覚。またただでさえ眩しく感じていた対向車のライトのLED化が進み、夜間の運転が辛く感じてきたのもダメ押しとなり手術を受けるに至りました。
手術をする前に眼内レンズの種類を決める必要があります。医師の先生に、普段の生活と重視したい見え方を聞かれ、普段はデスクワーク中心、但し車やバイクの運転(昼夜共)も重視したいと答えたところ、最初に白内障と診断した2020年の段階では解像度やハロー&グレアの問題からお勧めは単焦点レンズ一択であったが、最近かなり改善された焦点深度拡張型多焦点レンズが選定療養対象になったので、運転の機会が多ければこちらもお勧めとの説明。
見える範囲は多焦点のが広いので利便性は高い…のですが、選定療養対象なので当然ながらお値段も高い。。
多焦点Clareon Vivity(選定医療)両眼66.5万円
単焦点Tecnis Ehance(保険診療)両眼 8.5万円
今後の人生をお付き合いする眼内レンズですからちょっと悩みましたが、多焦点の見え方の質がかなり改善されたとはいえ、物理的に単焦点に及ばない点もあるとの事だったので多焦点の利便性は魅力的でしたが、見え方の質を重視した上で尚且つ安く上がる単焦点レンズを選択することにしました。
見え方に関しては、近視歴が長い場合あまり遠方視力を欲張らず焦点は中間合わせでデスクワークの範囲は裸眼、遠方は今までの半分程度の度数の眼鏡で矯正するのが良いと説明頂いたので、そちらでお願いしました。
手術自体は日帰りですがまずは視力低下の激しい左目、翌週は右目と2週に分けて手術。目の手術という字面だけでもう怖いですが、ぼんやりと見える3点の光に視線を合わせるように指示をされますので、それを目で追っている内に全く痛みもなく10分程度で終了。まぁ目玉弄られているのは分かるので、あまりいい気持ちではないですが…。
因みに右目を執刀して下さった先生はいちいち『瞳切開しま~す』『器具を瞳に入れま~す』『古い水晶体吸い取りま~す』『レンズ入れま~す』『レンズ開きま~す』『レンズ磨いておしまいで~す』といちいち実況してくださるもんだから脳内で情景を想像してしまい痛くはないもののちょっとビビる。ってか実況中継いらんですww
余談ですが手術するに当たり、好奇心で白内障手術進化の歴史や眼内レンズ進化の歴史というものを手術前にググりまくっていましたが…医療の進歩した令和の今の世に手術を受けられる事は誠に幸運だったと痛感しております。この歴史はメチャメチャ面白かったので興味ある方はググってみて下さいw
手術当日は眼帯で帰宅。翌日の術後健診で眼帯を外して見ることが出来るのですが…
まず左目の手術完了時は、それまでの見え方がブラウン管テレビの映像がいきなりシャープな4K映像になったような感じ。あとは見え方が青っぽい。片目の手術が終わった時点で左右を比べると、手術していない方の目は明らかに景色が黄ばんでる。これは手術してみないと気づかない事でした。
次に右目の手術が完了すると、今度は両目同程度に見えるようになったことで立体感が超回復。1日2日の間は視覚による情報量が急増したことが原因か目の回るような気持ち悪さを感じたりもしましたが、すぐに慣れました。
術後視力は先生の仰る通り、読書やスマホ閲覧といった30cm程度の距離からデスクワークで使う70cm程度の範囲に関しては裸眼でOK。それより遠くは要メガネ。術後1か月程度は視力が安定しない為、新しいメガネは作れないのですが、私の場合老眼の時に作った読書用弱矯正(SPH-2.25D)の眼鏡を試しにかけてみたら、ほぼピッタリ遠方視力が出たので今までの度数(SPH-4.50D)の半分と説明通りの結果となったようです。
その後も見え方は安定し経過も良好だった為、車の運転も再開。いつもの伊豆の山坂道にも行ってみましたが…西日に攻撃されようが対向車のLEDライトに照らされようが全然眩しくない。光の向こうにきちんと道路が見える。道路の微妙な凸凹も分かる。何より暗い夜道でもコーナーの先が良く見える。コーナー先のセンターラインの上でまったり休憩中の鹿さんの姿まで…。心配したメーターやナビ画面も眼鏡焦点でOK。本当に運転がしやすくなり感動。
というか久々に回復した視力で見る伊豆スカイラインの景色はとても雄大でこれが何より一番の感動。白内障手術は、年相応の健康な見え方に戻るだけと言われましたが、若い頃にはこれ以上の景色が見えていたんですかね。。
心配していたハロー、グレアに関しては皆無とまではいきませんが、明るい照明の外側に多少の光の滲みを感じる位でまったく問題はなさそうです。
人間にとって『見える』って本当に大事な事なんだというのを実感した出来事でした。せっかく回復した視力なので、今後は紫外線対策等、アイケアなどにも気を遣って老体を労わっていきたいと思いますw