
キッチンのリフォームがEVの駆動用バッテリーのレトロフィットを考えるきっかけを与えてくれました。
新設したキッチン棚の扉はソフトクローズタイプになってますが、他の古いキッチン扉と構造を見比べてみたところ、相違点はヒンジ部分のみ。しかもそのヒンジの止め点は同じ位置なので、ヒンジをダンパー付きのものに交換することでソフトクローズに変更できることが判明。さっそくメーカーに連絡してヒンジとダンパーを送付してもらいDIYで交換。ヒンジとダンパーが1セット約500円。工具はプラスドライバー1本のみ。取り付けるのに若干コツがいるのと、設置後のチリの調整に手間取り10枚の扉のヒンジを更新するのに約4時間かかりましたが今回は奥様にも満足いただけました。
レトロフィットができるように設計してくれたメーカーに大感謝です。 製造工程を変更しないようにヒンジが設計されたおかげであり、レトロフィットができたことは副産物なんでしょうけど、こういった互換性設計は在庫負担が減るなどメーカーに多大な利益をもたらします。
リーフの駆動用バッテリーが30KWhになったときレトロフィットをどうするかは当然設計者は考えたでしょう。そして電気的互換性を持たせることはさほど無塚しい作業ではなかったはずです。 あえて互換性を捨てたのは複数の要因があったのでしょうが、その一つに品質保証のための実験工数があったと推測します。 自動車の場合、図面上は互換性が確認できても実車で確認実験しなければ品質を保証できないものについては最低10万キロの走行実験が必要。 小物部品であれば部品メーカーが台上で耐久実験を行いますが、基幹部品である駆動用バッテリーだとそうはいかない。 ガソリン車であれば、昼夜テストコースを走り回れば10万キロなんて数週間で走り切ってしまいますが、EVだと約100キロ走行毎に30分の充電によるタイムロスが発生するので、数カ月かかってしまうことになります。 ただでさえ足りないテストドライバー、様々な実験で混んでいるテストコースをそんなことに使えないというのがメーカーの本音でしょう。 さらにいえば実験ができたとしてもその費用負担を検討できる部署が存在しない。
モノではなくサービスを売る時代に転換しつつある国内で、ユーザにとってできてあたりまえのサービスが提供できない現在の体制や考え方ではいずれEV関連の開発業務は破たんすることでしょう。
そこで一つ提案。
電池のみが更新された場合はメーカー内での走行実験を必要最低限にして、一部の理解のあるユーザーを対象にベータ版として安価に提供し、一般道で耐久実験をおこなってもらいましょう。
不具合があったときにはすぐに改修することでクレームとしないことを約束してくれる人はいくらでもいるはず。 ウィンドウズの販売方法に近いですが、今後見込まれる電池の革新に備えるには、このくらいドラスティックな発想の転換が必要だと思います。
Posted at 2016/03/10 23:48:35 | |
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