
画像はインプレッサのフロントストラット。
両方ともGABの廃盤、プロッソとレボスト。
GABは比較的伸び減衰が少なく、トラクションの
掛かりやすいダンパーです。
乗り心地が良くなく、売れないので、やはり廃盤に。
私のNBもリアはGABベースですが、当然廃盤。
最近エンジンの話ばかりだし、スイフトやオプティの
ストラットを考えなきゃ、なのでちょっと回想してます。
インプでALTをアタックしてたとき、ロドスタのWウィッシュボーンがうらやましくて仕方がありません
でした。
たいしてキャンバーを付けなくても曲がるように出来るから。
決してWウィッシュボーンが優れている訳ではなく、あくまでロドスタの設計が良いのです。
特にNBのフロント。
Wウィッシュボーンでも、もっと上級?なマルチリンクという名前のGT-Rのフロントは、イマイチ。
GT-Rを乗り始めてすぐに調整式ピロテンションロッドを買って、キャスターを変更しました。
キャスターが調整できない時点で、あの設計は間違ってます。
R33、R34となるにつれ、キャスターが増える設計になっています。
さらにnismoからはキャスターを増やすアームが売られていたり。
これはインプでも同じで、GDBのC型スペCくらいからキャスターをつけるようになりました。
当時の雑誌では、筑波アタックのタイムのための「改悪」と書いているものもあり、あんぐりした記憶
があります。。。
メーカーは分かっているのかもしれませんが、ハンドルがとられやすくなったり、重くなったりするので
キャスターは大きく付けられないようです。
エンジンには直接的な排ガス、騒音規制があり、アシには速度制限という間接的な制限があります。
ストラットで良い、と思ったクルマがあります。
911ではなく、S13の180SXです。
おそらくS14、15とR32のFRは全部良いと思います。
キャスターでいうと、6度くらい付いています。
911は4度くらいですが、調整が出来、5度ちょっとくらいまでは純正のまま付けられます。
ロドスタは、NA型で4度くらい、NB型で5度以上。
先日測定した私のNBの8度という数字、どうやらそれぐらい付いていると思います。
まだ確認は取れていないですが、他のクルマ数台を測定し、聞き込みなどから、有り得る数値です。
なぜキャスターなのか。
キャスターがついていないクルマの標準値が2~3度。
インプやGT-Rもそうです。ハチロクもそうだったような。
逆についてるクルマは外車に多いですが、10度くらいのクルマもあるようです。
不安定なクルマの制御にはステアリングでの細かな修正操作が必要です。
キャスターが付いていると、その修正に対してクルマの反応が鈍感になりやすく、雑誌などで、
「コントロール性が良い」と「良い評価」が得られます。
ずっと、「スライドコントロールなんてしね~よ!」
と思って、その楽しさなんかどーでも良かったのですが、影響力の大きさは絶大ですね。
ここを読む方の多くは昭和の人なので、最新でもないクルマがどうなってるか知らないと思いますが、キャスターはつける方向で設計されています。
私はタイヤの性能が良くなったことが背景にあると考えています。
現在から考えると、20年前はしょーもないタイヤとしょーもないアシのクルマしかないので、人が
なんとかしないといけませんでした。
そのため、キャスターがつけたくてもつけられないのです。
現在は違います。
キャスターと平行して、機械式LSDがチューニングの定番にされたことで、タイヤのグリップを捨てて
スライドコントロールを楽しむ=ドリフトが全盛になりました。
ドリフトを否定するわけではありませんが、グリップ走行がどうでも良くなってきました。
わざわざキャスターをなくし、LSDで内輪のグリップを捨て、進化したハイグリップタイヤを高過ぎと
けなし、スポーツドライビングの密かな楽しみは無視され、最悪な状況です。
私の経験から、キャスターのおいしい値は、5度~8度です。
付けすぎると、タイヤの限界を超えたときの危険回避時の制御が難しくなるので、それぐらいで。
タイヤの外減りは、他の要因もあるはずですので間違いやすいですが、ドリフトしないならこの数値
で外れはないと思います。
サスペンション形式にこだわらず、正しい数値は存在します。
エンジンと全く同じです。
水平対向でも直列でもV型でも、排気量が同じならだいたい同じ性能になるように。
サスペンションにはエンジンでいう排気量のような定量的な数値が存在しないのが問題で、
ボアアップするより簡単なのに、だれも合わせこみをしないです。
全体的な良し悪しは、車両の重心位置(前後、上下)とホイールベースにもよります。
F1なんか全幅1800mm、ホイールベース2800mm以上なんて、カスみたいなクルマです。
エンジンと空力とドライバーで走るだけの、曲がらない最低のクルマです。
だからLSDが要るんです。
300km/hで走るには、理想と違う車にする必要があるのかもですが、知らなくてもいいことです。
レギュレーションいっぱいにホイールベースを短くして曲がりを優先すると、タイヤが早く磨耗して、
ピレリではピットイン回数が増え、勝てないそうです。
そんな理由で、どんどんダメなクルマになっているようです。。。
ま、エンターテインメントショーですから。
またグチっぽくなってしまった(笑