2013年12月15日
前回サスペンションについてまとめて書いたので、補足を追加していきます。
まずハイキャスター。
アライメントのフロントの項目で知ってる人も多いと思いますが、ほとんどのクルマが調整出来ないので、ハイキャスターの意味が分からない人がほとんどだと思います。
私のいうハイキャスターはキャスターが6度~8度くらいを指します。
純正値でもフェアレディZやベンツのような高速直進性を意識したツアラー系では8度~10度くらいですが、スポーティなハンドリング系のクルマでは2度~6度くらいです。
現在の86(BRZ)が6度弱に対し、AE86が2度くらいだったことから、純正値もハイキャスター化しています。
これはリアのスタビリティが向上したことや、姿勢制御ありきで安全性を評価できるからですね。
ただ、調整可能なクルマや改造してキャスターを変えて試した人でも、タイムアップに繋げられた人はほとんどいないと思います。
何故でしょうか?
私が最初に試したのはポルシェ968です。
が、調整した範囲(3度~5度くらい)では何も体感出来ませんでした。
今なら十分感じ取れる差だと思いますが、まだ経験の浅かった若い私には無理でした。
次がロードスターNA6です。
サーキットで現地でアライメントをいじって試しました。
だいたい3度くらいから7度くらいまで。
タイムは純正値より少し大きいくらい(多分6度くらい)が一番速く、楽しく、ミスも少ないという結果でした。
これは一般道での結果と大差なく、妥当でした。
その後、リアの改善が進みバネレートでステア特性の調整の限界が見えてきた時、再度「曲がり過ぎるアライメント」でバランスを取り直すことをやった結果、全てが上手くいくようになったのです。
前回蛇足で書いた、直線運動から急に曲線運動になること。
一般道ではステアリングをパッと180度回してコーナリングすることはありません。
また、その操作をしてもそれに応えるサスペンション、タイヤではないのでクルマは何も反応しません。
なのでステアリングを少し回した時の応答性を優先しなくてはならないです。
上に書いたベンツなどがハイキャスターですが、タイヤやサスペンションによりクイックさは微塵もありません。
サーキットでは、ステアリングをパッと180度回してクルマが瞬時に曲線運動にならないと速く走れません。
そしてこの操作でフロントが反応した場合、瞬時にリアが応えてくれないとスピンします。
普通のクルマでも練習のつもりで、ちょうどいい速度、減速Gでこのパッと180度回すをやってみるとスピンモードになります。
そのエネルギーをリアが応えてきっちりグリップしてコーナリングすること、想像してください。
出来ませんよね(笑
ALTの1コーナー、110キロ以上で、ステアリングを90度、パッと回しています。
リアはスライドしません。
きっちりライントレースします。
もちろんじわっと操作することも出来ますが、早く操作したほうが速く走れます。
じわっとしか回せないクルマでタイムを出すことは難しいです。
私がセットアップしたクルマは、逆なんです。
ドライバーがパッと回さないと余裕しゃくしゃくなので、クルマから「もっと早く回していいよ♪」って伝わってきます。
じゃあとどんどん早くしていくとタイムが出るようになります。
そしてSタイヤだとその早くする操作がドライバーの経験の限界が来て、クルマに負けるようになり、少しずつ慣れて安全なことが分かると予想で早く操作するようになります。
その結果、クルマが許容してなくても早く操作するテストが出来るようになり、クルマの良し悪しが判断出来るようになります。
普通はクルマを無理に操作して体で覚えるのですが、そんなことしなくても良いのがハイキャスターでセットアップされたクルマです。
180度ステアリングを回したフロントタイヤの角度で一番タイヤが使いきれるアライメント。
そこを基本にクルマをセッティングします。
もちろんバネレートと減衰など他にもあわせるものがたくさんあります。
正直、カートやフォーミュラでないと早い動きなんかない、と考えててクルマをいじるのがアホくさいとか思ってる人が居ると思いますが、Sタイヤだと意外といいトコまでいきますよ。
その後スライドコントロールが自分の楽しみに必要なのか、パワーと速さだけなのか、成長に合わせて判断していけば良く、レーシングドライバーや評論家の価値観を押し付けられる必要はありません。
私の好みはロードスターNB8でやってみて、FRライトウェイトじゃないのが分かりました。
インプレッサのほうが近いです。
少しでも分かって頂けたら幸いです。

Posted at 2013/12/15 10:10:42 | |
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