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なかお@R-Junkieのブログ一覧

2014年01月23日 イイね!

改善?問題点対策?

クルマを考えてるだけでなくて仕事でもなんですが、自分のやってることが刑事ドラマとダブります。
状況証拠から見えない犯人を突き止める、ベテランの勘で見方を変えて確かな経験と知識からたどり着く・・・

なんちゃって。

ここのところ私の思想、考え方を中心に書いてきたので、また少し具体的な内容を書きます。


書いてるネタの多くはいろんな人のブログやHPを見て、誤解に対してだったり、補足のつもりだったりしますが、今回は本当にたまたまです(某院長殿、かぶってすいません)


スタビについて。

なぜスタビライザーが必要なのか。
そして重要であることはみなさんご存知でしょう。

スタビはサスペンションの一部ですから、ここでもメインの話は「クルマの固有振動数」です。

まず普通の一般的な、当たり前のようにスタビが採用されているクルマについて。

固有振動数は、前回とかでは左右の動きについて書いてました。
今回は上下です。

乗り心地って主に上下運動ですよね。
これがゆっくり大きな動き、好き嫌いはあると思いますが設計時では固有振動数が遅いほうが乗り心地が良いという指標です。

が、ハンドリングについてはそれなりの左右の早さが必要です。
メインのバネレートとサスペンションのアームジオメトオリだけで達成するのが難しい時、スタビの出番です。

メインのバネレートを柔らかめにして乗り心地を確保し、スタビで左右の動きを早くする。

これだけでピンとくる人が多いのではないでしょうか?


例として、ロードスターで示します。

NA6のフロントスタビは約φ19、リアは約φ12。
これがNA8でエンジンが重くなったフロントはφ19のままリアをφ11に落としています。
フロントが重くなった分リアの動きを合わせる為にリアの径を細くしたと考えます。

つまりNA6よりNA8は動きが遅く、乗り心地が良い。

後期型だったか限定モデルだったか忘れましたが、φ20、φ12の組合せもあります。
おそらくNA6のような軽快感を狙った対応。

そしてNB型になってフロントφ22、リアφ12に変化。
フロントのロールセンターをサブフレームのアーム取り付けブラケットの位置を変えてマイナーチェンジ。
それに合わせたスタビの変更です。

バンプラバーをゴムからウレタン製に変え、タッチするストローク位置を変更し前後で硬さも変更。
動きの早さはタイヤの進化もあり、乗り心地と早さを改善したと言えます。

(私もNA6の時にオーバーステアなことからフロントにNB用を流用していました。)

そして、車高を変えるとアンダーオーバーの特性が変化するのは皆さんご存知ですよね。
その影響に起因する要因はロールセンターです。

硬いバネほど振動数が早くなり、クルマ全体の動きが早くなります。
ロールセンターはクルマの動的な外力に対しつっかえ棒的な働きがありますので、早い動きには大きな反力、弱い時には少ない反力があります。
スタビは動きの早さに関係なく反力がある、というイメージです。

それぞれの「効き」の割合を変えて、ニーズに応えようとしたマツダの改善ですね。



固有振動数というのは文字通り振れることの周期の時間ですから、振幅が狭い、動きさえ小さくなれば早い動きになります。
そのため、ストロークを規制するだけでも早い動きが出ます。
バンプタッチや強い減衰力です。

一般道ではタイヤの限界を引き出す危険な行為はしませんから、動きを早くしたいという一般のニーズに応えるため、スタビを含めた全体で色々な演出をしています。

そもそもノーマルがそういう設計ですから、アフターパーツメーカーが真似をするのは当然です。

課題は、バネを変更すると全体の固有振動数はよくても、前後のバランスが変わってしまいチグハグなクルマになる恐れがあることです。

前後の固有振動数のバランスは、前後の重量に対し、バネ、スタビ、ロールセンター、減衰力など複雑に影響しあって成立させる必要があります。

違和感のないスムーズなハンドリングや、楽しい乗り味はこういった要素を調整して得られます。
そして普通はそこが最大のニーズであり、しかもポン付けでの出来栄えが要求されています。

ここ、重要です。

人(ユーザー)がクルマに要求しているのはスムーズさや楽しさ。
クルマ(タイヤ)が要求しているのは、設計の正しさ。

私は前者でしかクルマが作られておらず、後者がイイカゲンであると言いたいのです。


ちょっと話の範囲を広げてF1とかの話ですが、空力を使うためと乗り心地が関係ないことをベースに考えてみます。

強力なダウンフォースは車重の500kgを大きく超える2000kgとかの力。
しかも速度で変化します。
F1といえども100km/hまで落ち、300km/hオーバーを想定します。
速度で車高が変化して欲しくないですよね。

前述の考え方と乗り心地が関係ないことや求める固有振動数の早さから、当然バネを硬くします。

ですが無制限ではなく、制限があります。
タイヤのおいしいところとドライバーの限界。

おそらくこの2点において5Hzが成立。
が、ダウンフォースに逆らう為にプラスとなるバネレートはもっと高いところにある。

そのためスタビを廃し、コンペンセイター(だったと思う)を装着。
スタビは左右のアームを上下動が同じ方向に繋ぐのに対し、コンペンセイターは逆に繋ぎます。
左右には動きやすいが、上下に動き難いように。

タイヤの機能やドライバーの限界が上がる直線では振動数が上がってもOK。
コーナリングはゆっくりと動けばよい。
これで成立。

実際、普通のクルマでメインのバネレートを12kとかに上げていくと、スタビを強化しているとバランスが崩れ、速く走れないことが多いです。


この考察の検証の為にしたことは、

1.設計値と調整方法を決めておく
 ・狙いの固有振動数に対し、バネ、車高(ロールセンター)を設定し、スタビで調整する
2.タイヤを使いきれるようにすること(タイムはできるだけ速く)
 ・これは安全を第一に考えると、限界は高いほうがよいから
3.エンジンや駆動系も固有振動数に合わせる
 ・違和感は車体だけでなく、全てに関係します

こういうふうに検証するためにサーキットでタイムアタックをするという作業が必要になりました。

アシを換えて、アライメントを変更し、タイヤを使いきれるような「値」を決める。

これは最初のNA6ロードスターでおおよその見込みが得られました。
911ではそれが上手く表現できず、次のインプレッサでやっと何かがはっきり見えました。
で、ロードスターでは全体をまとめることがほぼ出来ていて、さらなる設計企画が見え、ことの深刻さが分かったという感じです。

ロードスターはとても上手くできているところが多く、根本的な問題が本当に少ないクルマです。
ところがNC型はこの固有新度数の概念を分かっていて大入力(1Gを超える入力)を考えない設計で、2Hzから大きく早くしようとすると上手くいきません。
スポーツカーがその方向に行ってしまうのは良くないと考えます。

つまり、車高や減衰やアライメントはタイヤの要求に対してタイヤの能力を落とす要因になる可能性があり、まずはタイヤを優先するべきであり、人の要求に合わせてはワケが分からなくなってしまうからです。


ちなみにインプレッサは、フロントスタビを外していました。
純正は20mmくらいの太さのものが付いています。
きっかけはスタビリンクが外れていたまま走って結果が良かったという偶然でしたが、その後BNR32でも外して良かったので、純正とは何かが違うことが起きています。

純正はメインのバネが柔らかくフロント軸重が重いことからスタビで調整していますが、固有振動数を早くしていくと前後バランスとタイヤからの要求が崩れるためスタビを弱くし、メインのバネでフロントの動きを早くしていく必要があります。

フロントが重いクルマでは最大限に曲がるために、軸重が少なく限界の高いリアの内輪を地面から上げて、内輪の荷重を全部フロントへ移動させる必要があります。

リアのバネ、スタビを硬くしすぎると、特に進入で荷重がない時、リアの限界が下がりすぎます。
フロントの左右の動きを大きくすることで相対的にリアのストロークを減らし、効果を得ました。
理由は後付けですが、何パターン試してもフロントスタビレスが一番結果が良かったです。

このおいしいポイントを見つけるのが大変でした。
おいしいポイントは一つではなく、いくつかあると思いますが、見つけるのはかなり難しいです。
インプレッサ(GC)はフロントのロールセンターが高いため違和感のないハイレート足回りはバランスが取りづらいと思います。

最終仕様はフロント16k+アシスト6k、リア10k。フロントスタビなし、リアは純正。

ただし、私のインプはブレーキングが苦手でした。
ブレーキについては突き止められていない犯人がいっぱい居そうです。


あと、勘違いが多い荷重移動においてセッティング変更前後の「量」の変化。
量は変化しません。

サスペンションのストロークと早さが変わります。

ロールセンター(アームのジオメトリ)とスタビと減衰で、動きの早さが変わります。
前後左右上下がそれぞれ複雑に関係しあって、乗り味として現れます。

固有振動数の概念は詳細の計算は無用、相対的に検証が可能ですので、考え方を大事にすることでサスペンションへの理解は大きく深まると思います。

確か86(BRZ)のリアは細いほうのスタビも発売してくれてますから、色々試せますよ。

前後の軸重のバランスが良くないクルマでタイヤサイズやグリップランクを大きく変えたりするとハンドリングが悪くなることが多いです。
タイヤの幅やホイールのリム幅、空気圧、減衰力、バネ、キャンバーやキャスター、スタビなど機能的においしいゾーンから外れずに調整可能なところがありますから、あきらめずに考え方を整理しながらやれば答えにたどり着けます。

「変えないほうがよい」という意見はあまり気にしないで、自分が良いと思うパターンが見つかれば、それが答えです。
人間はかなり優秀な測定機なので、その個体に乗ってる人にしかわかりませんから、自信を持ってよいです。

普通バネをそれなりに硬くして車高を下げたりするわけなので、スタビを大きく太くするのとか、ロールセンターが下がることへの対策は無用と思います。
出来れば目的に応じた基本設定(車高、アライメント)に対して、入力の差で特性が変化し、空力にも影響する車高(ロールセンター)や、タイヤの能力に影響するアライメントで調整せず、スタビやバネをメインに調整したほうが結果が安定しやすいです。
その場合、バネ、ブッシュは硬くする方向、スタビ、減衰力は弱める方向が良い結果に繋がりやすいです。
(動きの中に引っかかりみたいな力があると気持ち悪いフィールになりがちなので)



最後に、競技前提のクルマ、言い換えれば3Hz超えの補正で勝負するクルマは目的が違いますから、今は口出ししないようにしています。
トップランカーの多くはこういう動きの早さのバランスのみを追求したクルマです。

ストロークが短いことが悪い方向に行くことが少なく、前後バランスとかをハード(バネ、スタビ)でなくソフト(減衰力)で取り、コースやコンディションやレギュレーションに合わせる。

勝つためのクルマ作りとドライバーの能力の戦いですからね。

結果が全て。
それも分かりやすくて良いと思います。


分かりにくい文章ですいません。
Posted at 2014/01/23 00:53:01 | コメント(1) | トラックバック(0) | その他 | 日記

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