
画像はインプレッサ。
懐かしい・・・
フロントに10J-18 OFF38に265/35-18のA048を付けた状態。
リアは9J-17に235/45です。
すぐにフロントのFRPオーバーフェンダーが割れてしまったので、キレイだった頃の画像を選びました。
今日はバネレートです。
前後バランスは走ってればいつか合うので、まずは絶対的なレートの考え方ですね。
純正は、だいたい2k~3kくらいですね。(単位はkg/mmを省略してます)
スポーツカーでも特別なモデルでない限り、シビックタイプRとかでもそれぐらいだと思います。
ロールは主にショックアブソーバーの減衰力とバンプストッパーで抑えています。
メーカーが想定する安全範囲である最大横Gは、経験上ですが、0.7Gくらいまで。
これ以上になると、危険である、と感じるようにしている、と解釈しています。
実際のサーキットでは、ラジアルで1.2~1.4Gで、Sタイヤだと1.5Gとかになります。
この横Gの値は、純正のバネのままでも出そうと思えば出ます。
ということは、上手く走れば、純正でもタイムが出ると思えますが、実際は無理だと思います。
理由は、柔らかいバネではロールの戻りの動きが遅く、必ず待ちの時間が発生するからです。
この待ちの時間を減らすために、バネは硬いほうが良い、ということになります。
では硬いほうの限界はどうか?
同じ車重くらいのレースカーのバネレートは、20k~40kくらいみたいです。
さすがに無理ですね。
ま、大きなサーキットで長いコーナーが続くなら考えたほうがいいかもですが、ミニサーキットでは
そこまで上げる必要はなさそうです。
これは空力が重要になるからだと考えてます。
ざっくりですが、レバー比が1:1のクルマで20kまで、レバー比があるクルマで、30kくらいまでで
十分だと思います。
まあ、いずれにしても20kまでを想定していれば、そんなにタイムは変わらないと考えてます。
硬いほうが良いなら、20k20kから始めて、落としていけばいいじゃん、てなりそうです(笑
しかしタイヤとクルマ側の問題がそこを難しくしてしまうんですね。
おそらく、トラクションの問題、唐突な挙動などです。
プロのセットアップは、たぶんですが皆同じで、20kくらいのレートに、LSD、ブッシュのピロ化で
走って前後バランスを見つけ、あとはドライバーがなんとかする、という進め方だと思います。
タイムを出すだけなら。
オリジナルブランドの車高調とか、コマーシャル効果を出そうとするなら、なるべく低いレートで
やります。
で、純正同様にバンプラバーと減衰でなんとかするんでしょうね。
純正同様に、お客さんが買いやすいですから。
おっと脱線・・・
ラジアルとSタイヤでバネレートを変えるイメージがあります。
それはタイヤのレスポンス差によるのか、グリップ差によるのか。
先日のブログで書いたように、ショックアブソーバーの減衰も関係しますがここではバネだけを。
最大横Gからロール量、バネのストローク量が決まってますが、ラジアルとSタイヤでどうなのか?
私も今のところ理屈で説明が出来ないのですが、ラジアルとSタイヤで、バネレートについては、
あまり大きな差はつけなくて良いと思ってます。
1.2Gと1.5Gは、最終的に大きな差ではないということです。
15kとかのバネレートになると、せいぜい2、3mmくらいしか差が出ないです。
タイヤの溝が数mmあることを考えると、誤差程度です。
それぞれのタイヤで、許容範囲というか、乗りやすいと感じたり、タイムが出やすいゾーンがあります。
イメージになっちゃいますが、ラジアルは、硬めのバネレートでタイヤの遅さを補い、積極的に走り、
Sタイヤでは、タイヤの速さに合うギリギリのバネレートで十分、みたいな感じです。
結果、一緒か、せいぜい2kくらいの差だと思います。
ラジアルタイヤ(ハイグリップ系)は、サーキットを走らない普通の人も使います。
0.7Gまでの性能が重要です。
そのため、1Gを超えるような横Gで走る場面では、「使える」けど「良くない」のは当たり前。
グリップだけあって、ケース剛性がなく、モノとしては、あまり良くないです。
その分をバネで補う必要があるってことです。
RE01Rは、1Gでもフィールが良かったのでメーカーとしては、ある意味失敗作?で、以前のR1Rは競技のウェットを意識したタイヤだったので、この2種類は特別ですが。
Sタイヤは、そのタイヤが持つ能力を最大に使えるタイヤなので、クルマ側はあまりがんばらなくても
大丈夫です。
もちろん、がんばればその分応えてくれます。
タイムを出せる最低のバネレートと、レースなどで勝ちたい場合とで少し変わるくらいですかね。
次に車高。
これは理屈で、低いほうが良いに決まっています。
全く疑問に思う必要のない、重心の高さの理屈からです。
重心を下げるということは、内輪の荷重を増やすということになり、トレッドを広げるという手段と同じく、クルマの性能を上げる数少ない手段の一つです。
ロールセンターとかアームの角度とかを気にする人がいますが、全く見当違いなんです。
ロールセンターは、タイヤのキャンバーアクションを決める要素であり、タイヤを使いきれるかどうかを決める要素です。
ロードスターは、Wウィッシュボーンでジオメトリーの設計がサーキットに合っていてとても良いです。
私のNBロドスタで、アタック仕様での車高で、計算上のロールセンターは、フロントは地面の中、
マイナス何十mm、リアは地面くらい。
なので、比較的柔らかいバネレートでも、タイヤの対地キャンバーが合っていて、きれいに使えます。
こんなにロールセンターが低く出来るサスペンションジオメトリーを持つクルマは、他にないと言ってもいいでしょう。
偶然なのか、狙い通りなのかは不明ですが、私にはとてもありがたいことです。
逆に最悪なのは、カプチーノです。
車高を落としていくとキャンバーがポジになる、というジオメトリーです。
もう何も考えずにガッチガチのアシにしないとダメそうです。
私ならサスのアームを全部作ることになりそうです。
ロールセンターの純正値は、普通の人が普通の道で普通に乗って、タイヤが片減りしないように
しています。
曲がる性能は0.7Gまで。
全く参考にする必要はありません。
同じWウィッシュボーンのロドスタとカプチで、FRスポーツとして同列のように評価されているのは
そういうことだと思います。
私には、優劣のものさしの端っこ同士なんですけど。
ストラットのクルマでは、車高変化に伴うロールセンターの移動量は少なく、画像のインプレッサの
車高では、ロールセンターは何十mmも地面から上にあります。
そのため、キャンバーアクションが悪く、タイヤは外減り傾向となり、バネレートも高めにしないと
良くないですね。
もっと車高を下げたいのですが、どうしても車重があるためにタイヤサイズが必要で、大きな外径に
なってしまい、下げられませんでした。
どんどんバネレートを上げていったのですが、リア内輪をコーナーで積極的に浮かしフロント内輪に
内側の荷重を全て乗せる必要があるので、対角にあるフロント外側が縮まないとダメなんです。
このバランスを探しながら色々試した結果、16k10kというひとつの組み合わせが見つかった、
という感じでした。
フロントスタビは、トラクションを求めて、アシストスプリングの効果を最大に生かせるように外し、
リアスタビでは、逆に内輪を持ち上げるタイミングを調整するために色々試してました。
4WDで、センターデフをビスカスを殺してオープンにして曲がりを優先していたのと、リアLSDで
リア内輪が浮いていてもフロントに駆動力が配分されるようにしないと早めにアクセルを踏めない
など、サーキットでは合わないフロントヘビーとフルタイム4WDの仕組みの組み合わせの矛盾を、
なんとかセッティングで良いところを探るのに必要な時間は、かなり長かったです。
結局、バネレート選定は理屈で決めるのは難しく、成り行きになることが多いということになります。
ロードスターは、サスペンションジオメトリーが優秀で、非常にバネレートが決めやすいです。
FFであれば、前後の駆動力を考える必要なないので、4WDよりは簡単に出来ると考えます。
ただ、硬すぎるバネは、リア内輪を持ち上げにくくなるので、どんどんリアを動かなくする方向に
いってしまうので、リアを先に決めておいたほうが、やりやすいと思います。
もし私がFFをセッティングするなら、
1.売ってるリアスタビで一番硬いのを使う。(無ければ作る)
2.乗り心地で、バネレートは決めてしまう。
3.トラクションを考え、フロントスタビは外す。
4.車重から、フロントのアシストスプリングを設定し、それで決めてしまう。
5.1kおきにフロントのメインスプリングを試す。
6、リアブレーキは・・・経験ないためどうすれば良いかはこれから(たぶん効かせない方向)
ですかね。
これに減衰設定が低くて減衰調整付きのストロークが十分なフロントショックアブソーバーと、
全長が調整できてプリロードがゼロに出来て減衰調整式のショックアブソーバーを使います。
前後別々のブランドでも気にしません。
リアのバネレートですが、フロントのタイヤの対地キャンバーを考えると、できるだけ硬いほうが
よさそうです。
が、20kとかになるとラジアルではさすがに無理がありそうなので、10k~16kくらいですかね。
これは一般道で、減衰力とあわせて、リアタイヤの感触を確かめながら決めていけば良さそうに
思います。
フロントのアシストは、フロント軸重が700k超えてれば、6k(密着荷重280k)、600kくらいなら
5k(密着荷重210k)で始めて、不具合を感じれば微調整、ですかね。
街乗りメインのクルマで、フロントのバネレートを8k以下にするならアシストは不要です。
その代わり、バンプタッチのタイミング、バンプラバーの硬さが大きく影響しますので、少し難しく
なります。
柔らかめのバネレートでは、タイヤの対地キャンバーが出ないので、どうしてもバンプラバーを使う
必要が出てきます。
バネは硬いほうがセッティングはやりやすいです。
どっちかというと、柔らかいバネレートでは、アライメントのほうが圧倒的に重要です。
というわけで、車両のサスペンション形式や車重、使用用途で大きく左右しますが、タイヤでは
あまり大きな差は出ない、と考えて良いと思います。
ただ、実はSタイヤのほうが、セッティングはしやすいと思います。
競技用なので、セッティングしやすさも性能のひとつですし。
経験上、Sタイヤでセッティング完了してラジアルでハズレになったことがないので、間違いないです。
ラジアルタイヤはウソつきなので、そこも考えながら進めないといけないので、メンドクサイ・・・
今日はさらに長くなってしまいました。
でも、アライメントと減衰(ショックアブソーバー)の説明が先に必要だったこと、分かってもらえると
いいのですが。
もしかしたら少し直しを入れるかもです。