エンジンもやりますよ~
チューニングが好きなように思われますけど、好きなクルマには永く乗りたい、って若いときに考えて、自分なりに勉強して、研究して、いわゆる常識めいたエンジンのハナシは、ほぼ都市伝説?なんだってなりました。
昨日ALTを走らせたGT-Rは現在17万キロオーバーです。
以前オーバーホールした時が13万5千キロなので、それから4万キロくらい乗ってますね。
リンク先に書いたように、ピストンリングとコンロッドメタル以外は換えないで、耐久性だけ向上させたオーバーホールでした。
もちろんシートカットもなしです。
すこぶる調子良いです。
エンジンは機械です。
生き物じゃないので、経年劣化するところは限られます。
明らかに劣化するもの
・ピストンリング
これは”バネ”であることと、フリクションが燃費や馬力に影響し、かつオイル消費の性能などがシール性と矛盾する性能があるため、どうしてもヘタリや磨耗が進行します。
911の空冷エンジンでは、籠社長曰く、8万キロ毎でピストンリングを換え続ければピストンやシリンダーはずーっと使える、とのこと。
めっきシリンダーなので、ですけど。
鋳鉄シリンダーでも、よほどハードな使い方をしない限り、ホーニング痕が無くなるほど磨耗することはないと思います。
シリンダーは、だいたい3万キロ~5万キロくらいでホーニング痕が残りつつ、つるっつるっになって磨耗が止まり、一番フリクションが少ない状態になります。
めっきシリンダーや、現代のエコカーの場合はその状態を狙った精度の高い「プラトーホーニング」をします。
チューニング用のピストンはフリクションを減らすためにピストンリングが弱いです。
なので、すぐにダメになります。
だいたい3年~5年、2、3万キロくらいでしょうか。
オートバイのスポーツ系エンジンの寿命と同じくらいになります。
・ガスケット、オイルシール類
ゴムは当然経年劣化しますね。
なので10年くらいを目処に全部交換したいです。
劣化すると言われてますが、大丈夫なもの
・ベアリング
ボールベアリングやニードルベアリングは、設定された寿命があります。
なので定期的に交換する必要がありますが、自動車用エンジンではあまり使わないので、主にミッションですね。
プレーンベアリング(メタル:クランク、コンロッド)は、油脂類の管理が悪くなければ、交換する必要はないです。
ただし、磨耗がひどければ交換しますが、ターボやチューニングエンジンでもない限り大丈夫です。
GT-RのRB26は磨耗してましたが、L型やB6、BP、EJ20、911の空冷では大丈夫でした。
カムのジャーナルは磨耗しないことになってますよね。
クランクの半分の回転数しか回らないから?
ではなく、アルミは加工しやすくて鉄は加工しにくい、ってことが作る段階でまず違いがあって、メタルは交換しやすいってこともあって、換えたほうが良いに決まってるから、メタルは換えるようです。
基本、換えなくても大丈夫です。
・バルブ周り
バルブガイドは磨耗しますが、少々ガタがあっても平気です。
ひどくなる原因は、オイル管理の悪さやピストンリングの劣化によるブローバイの増加でスラッジが増えることからだったりします。
バルブステムシールの劣化も影響します。
なので、早めにピストンリングとステムシールを交換し、ガイドの磨耗を遅らすことが重要と思います。
バルブとバルブシートの当たりは、通常のエンジンではカムを換えてたりして加速度が上がっていない限り、シール性が落ちることは考えられません。
こちらもブローバイが増えたりして燃焼室に燃え残りのカーボンが増えると噛み込みによる影響がでますので、オイル消費が少しでもあれば、早めに対応したほうが修理費用が抑えられます。
私はシートカットをしたことは一度もありません。
以上です。
早め早めにピストンリングとシール類を換えていくことが永く使うコツ、と思います。
また、なじみの出た腰下はフリクションが少なく軽く回りますが、ヘタに完全オーバーホールをすると、またなじみが出るまでに数万キロ掛かっちゃいますので、余計なところまで直す必要がないうちにバラすことをお勧めします。
ホンダエンジンがオーバーホールするとパワーダウン、みたいなハナシも聞きますが、腰下の加工精度がたいしたことないので、なじみが必要です。
オーバーホールすると、新車時のフリクションが復活しちゃうんじゃないかと。
少なくとも2輪のエンジンではそうでした。
エンジンを作るのにお金を掛けるということは、なじみを最初から出す、ということとも同じ意味です。
レース用エンジンは慣らしをしませんが、そういうことだと考えてください。
重量合わせとかをがんばっちゃう人が多いですが、大事なのはクランクの動バランスと燃焼です。
燃焼のバラツキは測ることも見ることも出来ないからやらないで、コンロッドの重さが測れるからやるってのは、あまり賢くありませんね。
最近はインジェクターの噴射量確認をし始めてますが、全噴射時だけなので、無効噴射時間の確認もしてくれないと、ですね。
噴射しっぱなしでエンジンを回すことは絶対にないので。
気休めならお金を払う必要ありません。
洗浄することが効果あるかどうかはよく分かりません。
昔雑誌でデータを取ってました。
正確な比較ではないですが、3万キロくらいが一番馬力が出た、というものです。
以後は緩やかに落ちていく感じです。
なじみが出てフリクションは減って馬力が出たのが、徐々にピストンリングがヘタって圧縮が落ちていって馬力も落ちていくんだ、と解釈しています。
都市伝説のようなエンジン劣化説は大昔の粗悪なオイルや材質のレベルの低さからであって、現代のオイルや使われている材料は優秀ですので、ちゃんと管理していればほとんど磨耗しないと思います。
エンジンなんて、そんなに精密な機械ではないので、気軽にバラしましょう。
ってわけにはいかないでしょうが、そういうことです(笑
結局状況証拠だけでしゃべってるので、誰もホントのことは知りませんよ。
みねさんのNA6、38万5千キロだそうです。
開けてどうなってるのか是非見たいですね~