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ザクとは違うのブログ一覧

2021年06月26日 イイね!

軽巡洋艦龍田改二の建造(短艇の設置)

前回、9mカッター製作について触れましたが、その後さらに工作を続けました。
・側板の薄化
・防舷板の設置
・オール溝の表現
・舵の設置
出来ればオール10本も艇内に置きたかったのですが、私の技術ではリアルに作れそうにないと思ったので諦めました。
結果はこちら↓

40年くらい前の設計のキットがベースにしては、まずまずかなと(´ω`)
(後日談)
制作後、こんな写真を発見↓

オールの設置は溝ではなく、C型の金具でした(汗)
ま、駆逐艦のカッターは小さい(6m)ので、9m型は溝であろうということにしておきます(爆)

続いて内火艇。まずは9m型を作ります。
その前に写真の確認。



いずれも5500t級ですが、微妙に形が異なります。
次に参考にしたのはこちら↓

軍艦メカニズム図鑑「日本の駆逐艦」のイラストです。キットと比較すると、平面形が異なる(最大幅部が前寄り過ぎ)のと、キャビンが少し後ろ寄りのようです。意外と大工事…。
まず最大幅部を削ってより流線型にし、甲板上のモールド全削除した上からプラ板プラペーパー伸ばしランナーで各種構造物を再現します。その際、上記イラストの位置に配置し直すとともにディテールを追加します。
後部の士官室は上からティッシュ製のキャンバスを掛けるので少し小さめに作りました。
更にプラ片で防舷物を作り、完成。

さらに10m内火艇。
これはキットがないので11m版を切り詰めて作ります。
でもただ切り詰めるだけだと全体のバランスが崩れるので、平面形を僅かに削り込み、キャビンと士官室部分を削って少し前につけ直しました。
それらの成果がこちら↓




キットの印象からだいぶ変わったのではないかと自己満足に浸りました(笑)
この後、ボートダビットに据え付け、グライプバンドを掛けます。

バンドは細切りプラペーパーですが、この位置への接着がめちゃくちゃ大変でした。カッター・内火艇とも施工すべきですが、カッターまでで力尽きましたorz

カッターの吊るし方は先程の「日本の駆逐艦」にイラストがありますが、内火艇の場合は写真もイラストも見当たらず、ダビットから降りる金具が艇のどこに接続されるのか不明です。

小さなパーツの割には考証も工作もなかなか大変でしたが、出来てみるとディテールアップの効果も確認でき、高い位置に吊り下げられた様がカッコよく見えてきました(^^)


ここでボートダビットについて少し語ってみようと思います。
旧海軍では、ラッフィング型とラジアル型の2種類ありました。
ラッフィング型は龍田に装備されており、釣り針を逆さにしたような形状です。吊り上げて格納したボートを海面まで下ろす際にはダビット全体を舷外に向けて傾けるようにします。
ラジアル型はくの字のように曲がった形状で、ボートは吊り上げるのでなく甲板上に固定されます。ボートを海面へ出す際はダビットがデリックの役割となります。
ラジアル型はボート積載時にボートが安定すると共に、固定位置がラッフィング型に比べて低いので船の復元力に与える影響がより小さくなります。
対してラッフィング型はボート固定位置が高いので、その下を通路などとして利用することができるため、スペースに余裕のない小艦艇で多用されます。
ここで1つ疑問が。
↓をご覧下さい。

戦闘訓練中の特型駆逐艦ですが、ボートが舷外に振り出されています。
先程触れたようにボートの位置を高くしたり舷外に振り出したりすると復元力に悪影響がありますが、こちらの写真でもそうなっています↓


それでも振り出すのはなぜか。

あくまでも私見ですが、これは戦闘中の甲板スペースを確保し、乗組員の移動の便を図ったものではないでしょうか。
ラジアル型はボートが甲板に置かれているので邪魔ですし、ラッフィング型でも頭をぶつけそうです(笑)
龍田のボートは当初11m内火艇を装備する予定でしたが、訓令で「龍田現有設備ノ儘ニテハ (中略) 大ニ過グルヲ以テ」10mにされており、ここでもスペースが課題になっていることが分かります。
よって復元力を多少犠牲にしてでも弾薬運搬や配置間の連絡などのために、甲板上のボートを舷外に出して移動スペースを確保したのではないかと。
ただ、旧海軍がまとめた「合戦準備」(桜と錨の海軍砲術学校)の中に短艇の移動は記載されていません。
なのでこの考え方を採用するならば、「艦長判断で短艇を振り出すこともあった」というあたりでしょうか。
正解をご存知の方がいたら、ぜひご教示ください。
Posted at 2021/06/26 17:19:52 | コメント(3) | トラックバック(0) | 艦船模型 | 趣味
2021年06月19日 イイね!

軽巡洋艦龍田改二の建造(ジオラマベース完成・細部艤装)

「週刊龍田」、しばらく間が空いてしまいました。
この間、公私ともにいろいろと忙しかったもんで…。

さて、今回はジオラマベースを完成させました。
前回のブログではベースの作り直しを決断し、粘土を塗りつけたところまででしたが、その乾燥後に着色して、その上から木工ボンドを塗りつけました。


塗装はロイヤルブルーを基本とし、波立った部分にはその上からクリアグリーンを塗り付けました。それぞれの色を塗り重ねる場合はその前にクリアを吹き、色が混ざらないようにしています。
さらに艦首で切り裂かれた波を納豆パックのフィルムで作りました。

作り直すにあたってのポイントに置いた「波だった部分の表現」は100点満点までは程遠いものの、一定のレベルには達したかなと思います。

一連の作業は駆逐艦竹ジオラマ製作時とほぼ同様ですが、波頭にも木工ボンドを塗った結果、波の鋭角的な表現がなくなってしまいました。このあたりは反省点として残ったので、次回製作時には気をつけたいと思います。

ともあれベースが出来上がったので、いよいよ船体をベースに固定します。

固定方法は両面テープ。
このあとベースと船体の隙間を細切りティッシュで埋めていこうと思います。

次に龍田の製作。
前回基本的な構造まで作った艦橋について、羅針艦橋後部にある旗甲板に手を入れます。
構造などは「駆逐艦模型研究室」というサイトで詳細な研究がされているので、そちらを参考にしながら、手すりを伸ばしランナーで組み上げ、その上端にプラバンで信号旗板を設置しました。
WLモデラーの猛者たちは内側に格納されている旗も作ったりしますが、私はそこまでの根性がないので、この周囲にティッシュを貼り付けてキャンバスの表現をするまでが限界です。


こうして作ったのがこちら↓

左がキットのものですが、あまりにも形状が異なりますね(汗)
しかし龍田の実艦写真を見ると今回製作したものの方が正確に形状を再現していると感じます。小さな達成感ですね(笑)

舳先のファッションプレートも自作します。
0.5mmプラパンを適当な形状に切り出し、フェアリーダー部にピンバイスで穴を開けてからデザインナイフで細部の形状修正を行いました。
同様の手順を踏んで↓画像下のように単体フェアリーダーも製作。

ファッションプレートは若干オーバーサイズな気もしますが、これらを自作できたのはちょっとした自信になりました。フェアリーダーはナノドレッドで商品化されていますが、お金かかるので…^^;

次に船体両側に点在するスパンウォーターを設置します。
0.5mm四方くらいに切り出したプラペーパーを、実艦写真から確認できる場所にちまちまと貼り付けていきました。


船首楼甲板から上甲板へ降りる階段はエッチングパーツを使います。

平面の状態からデザインナイフで踏み面を一枚ずつ起こし、最後に手すりを立てるという作業は非常に神経を使う作業でした…。

次に艦載艇です。
天龍は通船×1、9mカッター×2、11m及び9m内火艇を1隻ずつの合計5隻を搭載していますが、燕雀さんのブログ「短艇模型スペシャル No.4「八八艦隊系軽巡洋艦の短艇: カッター篇」 – 1/700で天龍型軽巡をつくる: 13」によれば、龍田は11mではなく10m内火艇を搭載していたとのこと。
10m内火艇の1/700キットは存在しないので、燕雀さん同様11m内火艇を短縮して制作することとします。
9mカッターはジャンクパーツにあったものに薄々攻撃をかけて使用します。

左が攻撃前、右が攻撃後です。ほとんど分からないですね(汗)
このあとさらにもう少しディテール(防舷材の表現、舵の設置など)を追加する予定です。

これらの小物類の他、ボラードも自作します。
天龍型のボラードの大きさは資料がないため分かりませんが、軽巡とはいえ大型駆逐艦程度の大きさなので、駆逐艦竹製作時と同様の大きさ(本体直径0.4mm、頭部直径0.5mm)で作りました。
なお天龍の写真をよく見ると、ボラードの台座がありません。

5500t級の写真を見ると台座があるのですが、天龍型建造までは台座なしが一般的だったのでしょうか。このあたりは手元に資料がないためよく分かりませんでした。

さらにキノコ型吸気筒もプラ棒で自作し、機銃座や爆雷兵装などを設置したのがこちら↓





そうそう、この密度感!
この瞬間こそ艦船モデラーにしか分からない至福のひとときなのです。
このあとそれぞれを着色し、主砲とマストを設置し、甲板周囲に手すりを設置して、マスト間に空中線を張れば、いよいよ完成!
と言いつつ、主砲をスクラッチする予定なので、これまた苦労しそうな予感…。
Posted at 2021/06/19 22:21:43 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味
2021年05月29日 イイね!

軽巡洋艦龍田改二の建造(ジオラマベースその2・艦橋など)

「週刊龍田」、先週は1回お休みしてしまいました。というのも、このあとお話するジオラマベースがうまく作れず、その再作製の判断に時間がかかったからです。
では、今回の製作報告をば。

まずはそのジオラマベース。
5月2日のブログでは石粉粘土を盛り付けるところまで進んでいましたが、その後、海面にロイヤルブルーとクリアグリーンを塗って、その上から木工ボンドを薄く塗って光沢と水分感を出し、その上からホワイトで白波を描きました。

しかし両舷に広がる波の感じがどうにも納得がいかない。リアルさに欠けます。
よって、さらに白波を細かく描き足しました。


うーむ、どうにもダメすぎる。いかにも「描きました」状態です。
何が原因なのか。白波が立っているところに凹凸がないからでしょうか。また舷側から一定間隔で斜め後ろに伸びるラインを描いていますが、実際の航跡波はこのようにはなりません。
しかしこれらの問題を解消しようとすると、イチから作り直す必要があります。
どうしよう…。




悩むこと約10日。
実際、「竹」のジオラマベースも7回試作したことだし、ここで変な妥協をするときっと後悔するだろうと考え、結局作り直すことにしました。
まずは既存粘土部の取り外し。

意外ときれいに剥がれてくれました(笑)
次に龍田が設置される辺りに2mmプラバンを貼り付けて高さを稼ぎます。
その上に新しい石粉粘土を盛り付け、波の形をプラ製耳かきと爪楊枝で描いていきます。
今回は船によって両側に押し出される波と、その波が元に戻ろうとする力が働いていることを意識するとともに、航跡波の部分を適度に荒らしてみました。

この作業に移る前には、竹製作時の資料を見返すとともに、他のモデラーさんの作品を研究したりもしました。
この状態で2日程度養生期間を取り、収縮によるひび割れを起こした部分を修正すれば基礎工事は完成となります。

龍田本体ですが、前回までに船体のおおまかな工作が終わっているので、全体に軍艦色(呉海軍工廠グレイ)を吹き付け、スミ入れ塗料によるウォッシングを行いました。
このあとは細部の工作に映ることになりますが、手始めに洗い場を設置します。
キットの洗い場は第一煙突両側と2番魚雷発射管後方両側の4箇所にありますが、燕雀さんは天龍の写真から、このうち2番発射管両側には存在しないことが確認できるとともに、第二煙突両側の舷側がどの写真でも汚れが激しいことからその辺りに洗い場があったのではと推定されています。
しかし、あくまでも個人的な意見ですが、第二煙突両側には短艇が配置されるので、ぶら下がっている短艇の下で洗い物をすることとなります。
そも洗い場は乗組員が食事に使った食器類を洗う場所なので、烹炊室付近に設置されるもので、天龍龍田の後継艦である球磨型軽巡洋艦・多摩の洗い場と烹炊室は↓のような配置関係にあります。

ここでの烹炊室は一般の兵員用で、士官用の烹炊室は艦橋の少し後ろにあるのが一般的なようです。

また平賀譲アーカイブで見られる天龍図面のうち「最大中横断」と書かれたものの甲板室部分には烹炊室という表記が確認できます。軽巡や駆逐艦の最大幅は真ん中より少し後ろの辺り、龍田で言えば2番魚雷発射管のあたりなので、当該図面に書かれた烹炊室は第3煙突後ろまたは後部甲板室(ループアンテナ下)と考えられます。
このように見てくるとキットの洗い場は妥当な配置のように思えますが、燕雀さんご指摘のように2番発射管付近には洗い場はありません。
ここから先は明確な根拠のない推測ですが、天龍型の洗い場は第一煙突両側の2箇所だったのではないでしょうか。
2番発射管付近の烹炊室の他に、烹炊室煙突と思われるものが第一煙突後部にあります。つまり第一煙突と第二煙突の間の甲板室内に士官用烹炊室があり、その両側に洗い場があったのではないかと。天龍型は5500t級に比べると乗組員数も少ないので、洗い場の数も2箇所としたのではないかと。
このような推定に基づき、洗い場を再現してみました。

後ほど水栓も設置予定ですw

次に艦橋です。
前々回のブログでの艦橋にかかる研究の過程で作った図面と燕雀さんから頂戴した図面を元に基本的な構造をプラバンプラ棒から作り出します。
と、ここで課題が一つ。
実艦の艦橋頂部には探照灯が設置されていますが、今回の制作は防空巡洋艦なので94式高射装置を設置します。しかし高射装置は本体両側に測距儀が伸びており、これを360°水平回転させる必要があるので、探照灯の位置に高射装置を配置すると測距儀がマストと干渉してしまうのです。
「日本巡洋艦物語」に掲載された天龍型の改造案のうちA案(↓画像の一番上のもの)は艦橋とマストの位置を変えないまま艦橋頂部に高射装置を置くこととされていますが、実際にはこの通りには配置できませんでした。

やむなく少し前にして設置し、その前のスペースを防空指揮所に見立て、最前部にウィンドスクリーンを設置しました。

この状態で塗装します。
羅針艦橋の床は木製グレーチングなので木甲板色を塗り、マスキング後その他の部分に呉海軍工廠グレイを吹きました。その後観測機器などを設置します。
機器の配置については以下の資料を参考にしました。



羅針艦橋内部はFold3というアーカイブサイトから拾い出した、駆逐艦雪風の戦後写真(米軍撮影?)です。このサイトは無料の会員登録が必要ですが、私が見たことのない貴重な写真が多く収蔵されており、大変参考になります。
閑話休題。
こうして作ったのがこちら↓

防空指揮所を被せてしまうと羅針艦橋内はほとんど見えなくなりますが、1/700で壁面の計器盤まで作った事例はそう多くないと思うので、自己満足度は高いです(笑)
艦橋についてはもう少し作業があるので、次回に続きます。
Posted at 2021/05/29 17:21:23 | コメント(2) | 艦船模型 | 趣味
2021年05月15日 イイね!

軽巡洋艦龍田改二の建造(煙突周辺・艦尾の工作)

今週の「週刊龍田」。
まずは煙突の工作です。
以前に記したように、龍田改二では混焼缶を専焼缶に換装したという設定とするので、第一煙突と第三煙突が同じ太さとなります。煙突本体をプラ棒で作成したのち、以下の工作を行っています。
・極細伸ばしランナーでジャッキステーを付ける。
・頂部をリューターやデザインナイフなどで開口し、内部にプラペーパーで仕切り板を設置。
・エッチングパーツで梯子を設置。


この作業後、トップをフラットブラックで塗装してからマスキングしました。

前回までに船体の基本的な工作が概ね終わったので、リノリウム甲板部を塗装し、その上からマスキングテープを貼り付けました。


二つの甲板室の両サイドには水密扉がいくつも設置されています。
その位置は燕雀さんのブログで確認するとともに、念のため手持ちにある実艦写真で再確認した結果、以下のような位置であろうと考えました。

なお青矢印は燕雀さんブログにも実艦写真にもないものですが、他艦ではこのあたりに扉があるので、龍田にあってもおかしくないだろうと考え、設置することにしたものです。
そして施工状態↓

扉本体はプラペーパーで作り、ヒンジや取っ手は極細伸ばしランナーで作りました。
しかしこのように多くのパーツが並んだ状態になると個々の出来栄えがなかなか揃わないため見苦しくなってしまいます。ここは少々お金がかかってもアフターパーツを使うほうが良いと思いました。

3本の煙突の前後には吸気筒などがいくつも設置されています。それらの場所やサイズは全面的に燕雀さんのリサーチ結果を信頼し、極力その通りに設置するようにしました。
★燕雀洞より転載↓

この通りに作ったつもりですが、やはり出来栄えはプロの燕雀さんに遠く及びません。当然ですが…。


続いてアンカーの工作です。
ジャンクパーツにあったものは若干大きめな印象だったので、少し小ぶりに修正しました。(左=修正前、右=修正後)

サイズ的には駆逐艦と同じもので、縦横とも2mm程度です。
龍田は軽巡洋艦なので、実際はもう一回り大きかったかもしれませんが、アンカーレセスへの格納を考えるとこのサイズが適当に感じたので、小さめに作ってみました。

龍田改二は防空巡洋艦なので、機銃座を増設します。
100°に開いたラインを1mmピッチで書いた紙の上に14×8mmで切り出した0.3mmプラバンを貼り付け、ラインに沿って滑り止め鋲をデザインナイフで刻み込みます。

実物はもっと狭いピッチですが、実物サイズどおりに刻み込むのはほとんど不可能なので、雰囲気重視で1mmピッチにしてあります。
なお、銃座と支柱はいずれも2mm丸棒を使っています。
ステージは変形八角形ですが、角を丸くするかどうかまだ決めていません。その後ブルワークを設置する予定です。

続いて艦尾付近の工作です。
龍田改二は艦これでは「対潜番長」とも呼ばれるほど、対潜能力が高くされています(潜水艦の雷撃、それもたった1本の魚雷で沈められていますが)。
なので、今回の工作でも対潜兵装はしっかり充実させます。
大戦末期の海防艦(鵜来型の一部、1号型、2号型)では艦尾に長い爆雷投下軌条を設け、その両側に三式爆雷投射機(K砲)を半埋め込み式にして16基または12基装備していました。
龍田艦尾のスペースを考えると16基設置が妥当と思われたので、0.5mmプラ棒を埋め込んでそれらしくしてみました。


ここまでの工作が↓の状態。

天龍の写真で水密扉の上には小さな庇のようなものが確認できました↓

5500t級などの写真を確認していませんが、少なくとも天龍にあるのなら龍田にあってもよいと考え、細切れプラペーパーで作ってみました。
また後部甲板室の上にさらに部屋を増設し、探照灯と94式高射装置を設置しました。そのほか細々としたモノを実艦写真を参考にちまちま貼り付けてあります。
だいぶ形になってきました。

ここで少し余談。
少し前にメルカリで光人社NF文庫の「写真太平洋戦争」全10巻を入手しました。少しずつ読み進めているのですが、第3巻にこんな写真が載っていました。

昭和17年3月に行われたラエ・サラモア攻略作戦中の一場面です。
遠景なのでディテールは確認できませんが、前マストの後ろ2本はあまり開いていないことが分かります。
大戦中の天龍龍田の写真はほとんどないと言われていますが、実は私が知らないだけで意外とあるのかもしれません。
Posted at 2021/05/15 20:03:12 | コメント(3) | 艦船模型 | 趣味
2021年05月08日 イイね!

軽巡洋艦龍田改二の建造(艦橋についての考察)

前々回のブログの最後で艦橋の形状について検討しました。
その時はいったん結論めいたことを書きましたが、その後腑に落ちないことがあり再検討することとしました。というのも、龍田の2枚の写真はどうしても矛盾するように見えるのです。ポイントは「艦橋前面はツライチか」です。

まずは矛盾を確認します。
●写真1
alt

●写真2
alt
写真1では艦橋前面はツライチに見えます。しかし写真2では羅針艦橋下に影があるので、ツライチではないように見えます。これが矛盾です。

次に矛盾の説明方法を検討します。
案1・13年から16年の間に艦橋の再改装があった
この案なら2枚の写真の整合が取れます。丸スペシャルNo46には龍田の行動記録が掲載されており、S16.5.10~16または同年8.6~20の呉入渠の折に改装したという考えです。
しかし羅針艦橋前端をわずかに変える必要性が考えられませんし、艦橋以外も含めてこの時期に何らかの改装工事が行われたということも確認できませんでした。よって不採用。

案2・羅針艦橋前端下部に突き出したフラットスペースがあった
艦橋前面はツライチだが、何らかの機器を置く必要から1枚板のスペースが艦橋前面に設置されており、その影が出来ているという考えで、これも2枚の写真を矛盾なく説明できます。しかしそのフラット上に何を設置したのかという問題が出ますし、同様のフラットは他艦に見られません。これも不採用。

案3・写真2の影は画像のシミなどである
丸スペシャルの記事の中でも龍田の艦橋前面はツライチとの表記があり、燕雀さんの作例やハセガワ版龍田の最新キットでもそのようになっています。であれば影が出ることは有り得ないので、影に見えるものは実は影ではないという考えです。
しかし私にはその部分はシミなどでなく影に見えますし、同じ写真の他の部分に同様のシミなども見受けられません。これまた不採用。

案4・写真1又は2の見方が誤っている
写真1の見方が誤っていれば前面がツライチでないことになり、写真2の影が艦橋中央部ではないならツライチとなります。これは前々回ブログで検討しましたが、私には「写真1は光の加減や画像の粒子などの関係で段差が写っておらず、写真2のように艦橋中央部に段差がある」と思えます。

案1から3の検討により写真1、2が矛盾しないとするには無理があると思います。また写真1より2の方が比較的鮮明で撮影も新しいので、写真2を優先すべきと考えます。
その上で改めて写真2を見ると、艦の右斜め前からの撮影と断定できるので、艦橋前面180°のうち120°くらいは見えています。

また羅針艦橋下の影は艦橋中央に下向きの半円として落ちているように見えます。司令塔前端と羅針艦橋下端が接している場合、艦橋中央から両側に小さな三角状の影が二つできるはずですが、そうなっていません。
燕雀さんのブログ(http://www.enjaku.jp/2014/07/tenryu-class-15.html)では羅針艦橋前端両側が丸みを帯びていたのではという意見が記載されていますが、これはその影が艦橋中央ではなくその両脇にある場合に当てはまると思われます。

以上のことから「龍田艦橋前面はツライチでなく、羅針艦橋前部下で一段下がっている」と推定します。

しかしまだ課題は解決されません。というのは燕雀さんのブログで示されている司令塔直径及び羅針艦橋平面サイズの通りに工作しても、適切な形状が再現できないのです。
燕雀さんは、司令塔直径は天龍艦橋写真とアジ歴(アジア歴史資料センター)所蔵の天龍新造時の艦橋図面から3.5mmと算出されています。
●写真3(燕雀洞より転載)
alt

●図面1(アジ歴より)
alt

さらに羅針艦橋の平面サイズを写真3などから↓のように推定されています。
●画像1(燕雀洞より)
alt

実は先日、燕雀さんから天龍型製作用に使われた図面を頂戴することができました!
改めてお礼申し上げます<m(__)m>
そこには艦橋の平面図が階層ごとに描かれていました。それがこちら↓
●図面2
alt

写真3のように司令塔と羅針艦橋は前端とその後ろ2箇所で接するよう、先ほどの寸法通りに線が引かれており、天龍龍田ともこのとおりに製作すればよいはず。しかし2つをどう配置してもそうなりません。
試しに1/700の10倍で線を引いてみました↓
●図面3
alt

寸法は1/700の数値です。青線が燕雀さんの指示通りのものですが、ここまで拡大すると円形(司令塔)と1箇所しか接することができず、両側に隙間が空いてしまいます。試しに司令塔直径を4mmに変えてみましたがダメでした。

何故だ!?(坊やだからさw)

何が違うのか検証します。
まず疑ったのは羅針艦橋壁面の折れ角。
参考にしたのは軽巡多摩と駆逐艦矢風。多摩は天龍型の後継艦、矢風(峯風型)は天龍型と同じ八四艦隊計画時の設計です。
●図面4
alt
多摩矢風とも35°、燕雀さん作成の天龍型は35.5°でした。私の計測誤差もあると思うので、問題なし。

次に確認したのは羅針艦橋前面サイズ。
↓は峯風型駆逐艦・澤風です。
●写真4(Wikipediaより)
alt

前面は天龍型と同じ3枚のガラス窓になっています。矢風の図面でこの幅を計測すると1/700で2.6mm。燕雀さんの数値は2.2mmで、これを700倍すると1540mm。矢風は1820mm。どちらを取るかは趣味の問題とも思われます。
今回は窓1枚当たりの幅は約60cmあるだろうと想定し、矢風のサイズを適用します。
ただその場合、艦橋の幅がさらに広がってしまいます…。

もう1つ検討したのは司令塔の形状。
艦によっては真円でなく横長の楕円だったもの(戦艦など)もあります。天龍は写真や図面から真円と断定出来ますが、龍田は写真も図面もありません。
あくまでも私見の域を出ませんが、旧海軍では艤装員長(=初代艦長予定者)が艤装を考え指示していたそうなので、図面では円だった司令塔が楕円に変更された可能性もないとは言えないと思います。また写真2を成立させようとすると楕円の方が都合が良いのです。

例えば次のような会話があったかもw
航海長「今度の龍田さぁ、司令塔の形を戦艦みたいにすると舵輪握ってても気持ちいいよねぇ」
艤装員長「おぉ、そうだな。そうしちゃうかw」

ただしその場合、直径3.5mmのまま横長にすると天龍の司令塔よりもかなり大きくなってしまいます。そこでほぼ同じ面積となるよう、司令塔の直径(a)を4パターン設定してそれぞれの面積を算出したところ、どうやら直径2mmが最も適切に思えました。
そこで円形のカーブを直径2mmとしつつ、引き伸ばした部分の距離をそれぞれ下表のように設定することにしました。
alt

こうして作った図面がこちら↓
alt

こうすると艦橋前面に影が一つ出来、さらにそのすぐ後ろあたりで羅針艦橋側壁と接することとなり、司令塔の面積も天龍とほぼ同じになります。

はー、長かった…。
これでやっと心置きなく艦橋製作に取り掛かれる…はずです(^^)


※今回の考察は燕雀さんが苦労して出された結論に弓を引くような内容となってしまいました。
様々な情報を頂戴している燕雀さんから見れば、不愉快な内容かもしれません。
あくまでも泡沫モデラーの妄言と読み捨てていただければ幸甚に存じます。
Posted at 2021/05/08 15:13:15 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味

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「重巡鳥海の製作(煙突の工作その1) http://cvw.jp/b/488285/48625038/
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