2019年02月13日
何故、NAエンジンが気持ちいいか?
今年初めから350馬力の最新ターボエンジン搭載の718ケイマンSに乗ってました。
このターボエンジンは911ターボと同じ仕組み(VTG)のタービンが組み込まれていて低回転域の応答性と大きな出力を得られるらしいです(カタログの受け売り)。
ターボエンジンって何かというと排気ガスの力でタービンを回してその回転力でコンプレッサー(圧縮機)を回して空気を圧縮してシリンダーに送り込み相応の燃料を吹き込むことで大きな出力を得ます。
つまり、普通のエンジン(自然吸気エンジン、NA)はシリンダーの体積分しか空気を吸い込みませんがターボエンジンは圧縮して空気を押し込むので圧縮した空気分だけ排気量が大きくなったことになり、小さな排気量なのに大きな出力が得られます。
ただ、同じ出力を得るには同じだけ燃料と空気がいるはずなのでターボエンジン にすることで何故燃費が良くなるかは僕はわかりませんでした。
今回、718に乗ってブースト圧(空気の圧縮圧力)を見ているとパワーを要求しない時は圧縮を行わないので排気量相応の燃料しか必要とせず、アクセルを踏み込むとブースト圧が高くなり空気と燃料をシリンダーに押し込んでいることが解りました。
つまり、力が必要な時だけ燃料と空気を強制的に送り込みそうでない時は吸い込む分だけしか燃焼してないので燃費とパワーの両立ができるということでしょう。
じゃぁ、パワーを沢山得るためには大きなタービンでたくさんの空気を送り込めばいいのか?
理論上はそのはずですが実際には高い圧縮率の空気をシリンダー内で更に圧縮して相応の燃料を吹き込んで点火するにはものすごい圧に耐えるシリンダーブロックが必要になるし大きなタービンを回すには大量の排気ガスが必要となります。
大量の排気ガスを出すためにはある程度の回転数までエンジンを回さないとならないため、高出力を得るターボエンジンは昔はドッカンターボと呼ばれてました。
ある回転域から突然ターボ効果が現れるからです。
タービンを小さくすれば少ない排気ガスでタービンを十分回せますがタービンが小さい=コンプレッサーも小さいので大量の空気を圧縮できません。
そこで、次の手がツインターボです。
シングルターボだと大きなタービンでドッカンターボになるけどタービンサイズを半分にすればシングルタービンより低い回転数でも十分回ることができてシングルタービンよりもより低い回転数から効果を得られます。
そして、タービンをマルチ化することでトータルの空気圧縮量も確保できシングルタービンに比べてより滑らかな出力特性が得られます。
ポルシェのVTGは大きなタービンで同じ効果を得るためにタービンの羽を可変することでて排気ガスが少ない低回転域から大量に排気ガスが出る高回転域まで最適な回転力が得られるように羽の角度を可変しているんだと思います。
ターボエンジンにはタイムラグがあります。
これはアクセルを踏んでから排気ガスの量が増えるまでのタイムラグがどうしても発生しアクセルを踏んでからコンプレッサーによる空気圧縮が始まるのが遅れることでワンテンポ遅れて出力が高まります。
小さなタービンを複数使うとタイムラグも小さくなるのでアクセルを踏んでからのレスポンスは改善されますがコストやスペース、重量の問題もあり気筒ごとのタービン設置はあり得ません。
最新のテクノロジーで造られ制御されている718のエンジンも同様でMTモードでスポーツ+でもアクセルの踏み込みと出力の変化にリニアさが感じられませんでした。
しかし、987のNAエンジンは3000rpm程度回っていればアクセルの微妙な踏み込み反応しリニアに出力が変化してるのが感じられます。
足に少し、ほんの少し力を入れるだけでエンジン音が変わり出力が増えて速度を増していく、僕はどうやらリニアなレスポンスと出力特性が好きなようで気持ちよく感じます。
なのでNAエンジンに肩入れするようですw
ターボエンジンが嫌いなわけではなくて自然吸気エンジンが好きなだけですw
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白鰐号
Posted at
2019/02/13 22:58:21
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