前回のつづき
前回のあのページを例に、セッティングを紐解いていきます
無断ですみません
http://fspace.blog90.fc2.com/blog-entry-51.html
ーーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーーーーーーー
ネジ式調整の車高調の場合はスプリングに加重をかけて
スプリング自体を縮めたり、加重を抜いてスプリングを伸ばしたり
その加重の度合いで車高を調整していますが
それがプリロード調整にあたると思います
一般的にネジ式は車高調整によって乗り心地も変化すると言われています
要するにプリロード調整することによって車高が変わり乗り心地が変わるのです
自分の装着しているのは GT-WAGONというモデルで
全長調整式車高調です、サス自体の全長を伸ばしたり縮めたり
プリロード調整することなく車高調整が可能です
本来ならプリロードを調整する必要がないんですけど
自分的に疑問点が一つと改善したい点が一つありました
まず疑問点ですがGT-WAGONはスポーティを売りにしています
なのでそれなりに硬いサスになります(といってもガチガチではありません)
バネレートもフロント、リヤ共に14kg/mmを採用しています
なのにメーカーの基準値でプリロードを(スプリングに加重を)かけた
状態になっているんです、どれくらい加重をかけているかというと
TEINの取説によるとフロントはプリロードゼロの状態から
12ミリスプリングを圧縮した状態になっています
計算しますと
バネレート14kg/mmを12ミリ圧縮すると
14kg/mm×12ミリ=168kgです
168kgとは何かというと、仮にプリロードゼロの場合
14kg/mmのバネは14kgの力を加えると1mm縮むということですが
プリロード12ミリで168kgとは168kgの力を加えて
ようやく縮み始めるということになります
リヤに至ってはプリロード基準値が13ミリなので
14kg/mm×13ミリ=182kg
182kgの力ではじめて縮み始める、となります
なぜ基準値にしてこれくらいのプリロードをかけているのか
また、単純に考えるとプリロードゼロに近い方が初期応答性がいいのでは
と思いもしました(素人的考え)
ーーーーーーーーーーー以上引用終わりーーーーーーーーーーーーーーー
>なぜ基準値にしてこれくらいのプリロードをかけているのか
>また、単純に考えるとプリロードゼロに近い方が初期応答性がいいのでは
>と思いもしました(素人的考え)
→何故かといえば、縮みストロークを取るためです。というか、逆に言えば単に(0Gでの)伸びストロークが足りないだけです。
つまりこのダンパーのストロークがあと13ミリ長く伸びればプリロードは0で組み込めるだけなわけです。
であれば、初期応答に影響がるでしょうか?いいえ
プリロードゼロでも初期応答は変わりません。
そして次ページ
http://fspace.blog90.fc2.com/blog-entry-52.html
段差越えで、車体が上下に2~3回揺さぶることを改善したいということですが、率直に申し上げて、それは
バネレート変更または、減衰力の調整ですることになります。
(この時点でセッティングの仕方に問題があるのですが、減衰力固定式または、メーカーのセットした減衰力の味付けがしっくりこない場合はバネレートやストロークでなんとか騙すことになります。。意外とストロークの調整で結構良い感じに出来る。バンプラバーをうまく利用したりとかで・・・・。)
それはさておき、この方が取った行動が「プリロードを緩めて初期応答を変える」ということだったのですが、
再三述べたとおり、初期応答は変わらない。
ですから実際には単に、
「プリロード抜く」=「縮みストロークを少なくした」って事です。
そして乗り心地は変わるか、と言われれば、
劇的に変化します。。。。
縮みストロークを少なくするとどうなるか。
色々あります。この場合、F12ミリ、R:13ミリのプリロードという、メーカーの初期セッティングで使用していたのを、プリロード0まで緩めるということにしたようです。
で、結果、Fは17ミリ、Rも17ミリほどロアシートを下げました。(17mm以上縮めてあった?) つまり
「縮み側のストロークが17ミリ少なくなった」ということです(重要)
結果は
引用しますと
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率直な感想としては
細かな路面の凹凸でも車体が揺れるというか(大きい揺れではないが)
なにか締まりがなくなったような落ち着きのないように感じました
ハンドリングも今までのシャープさがマイルドになったようにも感じました
約1時間のドライブでしたが運転していて楽しくないような
感覚が変わったからちょっと疲れるフィーリングになったような・・・
車高調の減衰力調整でも色々やってみましたが根本的な部分がしっくりこない・・・
なぜテインは基準でプリロードをかけているか分かったような気がします
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という事でした。
この挙動は、
バンプラバーに相当荷重が掛かっている時の挙動ではないかと予測できます。
>細かな路面の凹凸でも車体が揺れるというか
→バンプラバーがサブバネとして働いて、硬いバネの動き。 ボヨボヨ ゴツゴツくる
>なにか締まりがなくなったような落ち着きのないように感じました
>ハンドリングも今までのシャープさがマイルドになったようにも感じました
→落ち着きがない挙動はバンプラバーに乗ってると、うねるような路面では、ポンポンと突き上げる感じになるからではないかと予想します
>ただし良くなった点もありました
>調整前、バンプ後車体が上下に揺れるリバウンドがかなり改善されました
>揺れた後の収まりが良くなったので調整の方向性が見えたと思います
>リバウンドの改善が一つのねらいでしたから
→ということですが、これも本当だと思います。ダンパーの減衰力不足は縮みストロークを少なくしてやれば、一応は補う(?)ことが出来るからです。
単に縮みのストロークが足りないんだから、バンプが少なくなることで、リバウンドも少なくなる。
このテインの足も最初のセッティングで、既に、バンプタッチまでのストロークは数ミリというセッティングだと思います。そして、減衰力が少し足りていない。減衰力が足りない足は、縮みストロークが増えると乗り心地が悪くなったりもします。フワフワと大きく動く。(まあ伸びも関係しますが・・・)
(縮みストロークを増やすとは、全長調整式車高調の場合、プリロードを掛ける。またはネジ式でしたら車高を上げたとき、なとがそれにあたります。)
結局、ほぼ最初のセッティングに戻されたようですが、なんにしてもマズイのは、
「プリロード、プリロード」というだけで、
ストロークについてはまったく考えていない点にあります。
なので、少し、ストロークに目を向けていただければ・・と思います。
セッティングは、ストローク→バネレート→減衰力、の順がいいとおもいます。
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