
二年連続で同じタイトルにした、ハンガリーGP感想文です
基本的にはポジション重視の戦略をとるサーキットのハンガロリンクです
仮にコース上で追い抜くには約2秒のタイム差が必要と言われます
なので、絶対的に前に居座る方が有利なのですが、今回は様相が異なりました
その内容は2004年のフランスGP、ミハエル・シューマッハが行った4回ピットインによる逆転劇を思い出させる結果でした
29周目から、ファイナル70周までの予選ラップと云える走りを行うミッションを完遂したミハエル・シューマッハ
今回のハミルトンはそんな感じでした
ミハエル・シューマッハはマニクールのフランスGPで行ったのですが
今回のハミルトンは、壁の無いモナコであるハンガロリンクで出来たのか
結局状況を利用したチームの戦略なのですが・・・

まずは予選ですね

F1史上100人目のポールシッターです
持ってますね

スピードだけで見てみると、けっして早くないのですが・・・
これは銀矢も同じです
フェルスタッペンは常に銀矢の二人に負けている状況です

予選ベストセクターで見ると
セクター1,2共にボッタスに0.8秒遅れる状況でしたが
セクター3で逆転します
これは、セクター3までタイヤを持たせられたか、どうかではないかと推測します
タイムの上昇の仕方がハミルトンと同じなので、前半に重きを置くか、後半に重きを置くかの違いかと
ハミルトンにしては、フェルスタッペンと同じやり方で、セクター1,2の借金を返せなかった感じですね
で、壁の無いモナコであるハンガロリンク、これで二戦連続優勝が見えたと思いました・・・
危ないとするとスタートぐらいですね

タイヤ履歴を見る限り、基本的には1STOPなサーキットです

スタートで並ぶ三台

逃げ切るフェルスタッペン

今回の重要ポイント
ハミルトンとボッタスの争い
ここでの争いにより、ボッタスは順位を下げ、ルクレールと接触します
それによりフロントウィングを痛め、後方に沈みます

重要ポイント2
TOP2の後ろの跳ね馬
今回の跳ね馬、タイヤの摩耗に苦労しました
まぁ得意と云えるサーキットではないのですが、最終的に約60秒2位より遅れます
TOP2が三回ピットインしても前に出れます

重要ポイント3
マクラーレン
マクラーレンはザイルツ代表に代わってから、年間4位確保に動いています
なので、タイヤマネージメント及びポジションキープの戦いを徹底します
そのため、OLDソフトタイヤで28周を走り切ります
タイヤ周回数では、最長は33周のヒュルケンベルグですが、こちらはNEWソフトですね
スタートからタイヤマネージメントをやりますので後ろには
長いトレインが出来、
前は膨大な空間が発生します
この三つの要素が、今回のハミルトンの逆転劇を演出した要素です
まずはボッタスとサインツで言いますと
今回、TOP2に匹敵できる可能性が有ったのは、予選3位のボッタスです
ルクレールとの接触により、5周目にピットインしたために、サインツトレインに
埋まることになりました
これにより本来、ハミルトンにプレッシャーを掛けるはずのボッタスが
消え去ります
そして、跳ね馬の二台、ロングランに問題を抱えたために、1周1秒近いペースで引き離されました
これによりハミルトンはフリーストップを二回連続行える権利を獲得することが出来たのです
しかし、そんなことをしても、2秒早くないと抜けないサーキットです
抜くにはピットによる戦略がベストなのですが
タイヤ選択の段階で隠された要素がありました

今回のタイヤ選択です
高温状態の続く欧州において、ハードタイヤの重要性は上がっております
特に戦略を練る分においては、どのくらいの摩耗が起こるかは重要な要素です
なので、チームは二台の持ちタイヤを分けて、テストをするのですが
RBRはそれは必要ないと判断しました
確かに、タイヤの持ちがいい車ですが・・・
テストするのとしないのでは・・・
しかもGPウィークは雨が降ったりやんだりの天候でした
しかし

ドイツGPでの惨敗を受けて、銀矢は確実な仕事をしてきました
雨の間隙を縫って、ハードタイヤで12周のロングランを慣行しております
このデータを基にフェルスタッペンのハードタイヤが45周前に摩耗し切ると読み切りました
まぁそれは、自分たちも同じなので、1stタイヤを6周多く伸ばしたりしてます
本来ならこの6周分のライフで終盤フェルスタッペンの攻略を行うのですが
先ほどの三要素の結果、ハミルトンはフリーストップの権利を得ておりますので
大胆に勝負に出ました

この人ですね、読み切ったのが
で、チームは弱気なハミルトンに鞭を打ちます

運命の48周目のピットイン

1秒以内に詰め寄った時点で、フェルスタッペンがLAPダウンカーにぶつかる時点で勝負を掛けます
3位ルクレールまで41秒GAP
ピットストップは20秒+静止時間です
本来なら、フェルスタッペンとの間は23秒以上開くはずなのですが
次の周のGAPは19.231秒
アウトラップを1.36秒で走ります
ちなみにフェルスタッペンのアウトラップは1.39秒ですので、
約3秒早いですね
そこから1.19秒ペースで追い上げます
GAP19秒の段階でRBRとフェルスタッペンには、ピットイン選択は有りません
前に出られたら、確実に負けなサーキットですから
逃げるしかない
ここで、ハードタイヤのデータが無い差が出ます

1-2秒のラップタイム差の結果、コース上でのオーバーテイクに成功します
余談ですが

同じくタイヤで苦しんだルクレールをベッテルがオーバーテイク

通算81勝、チームの戦略とそれをハイペースラップでやり遂げたハミルトンの勝利です
体調不良から復帰出来てるか分からない状態で、20周以上の予選ラップを成功させたハミルトン
信じきれない状態で、チームに何度も弱気を見せましたが、それをカバーしたチーム
どこぞの赤いチームとは、えらい違いですは・・・
見た目には、ギャンブルなのですが、データに基づいたシッカリした戦いでした
たまには、こういうレースも大変楽しくて良いですね
