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2023年03月14日 イイね!

BMW R1250GS

BMW R1250GSR1250GSはフラットツインを搭載したGSシリーズの最新版。我が家の2009年型R1200GSは2010年型でマイナーチェンジ、エンジンをSOHCからDOHCに変更。2013年に水冷フラットツインへフルモデルチェンジ、さらに2019年に1250へとモデルチェンジしました。R1250シリーズは基本的に車体は水冷R1200シリーズと共通で、エンジンと外観デザインの小変更なのでマイナーチェンジと言えるかもしれません。

さてウチの2009年型から見て3世代分進化したR1250GS。借りた個体はプレミアムスタンダードというローダウン仕様でした。まだ下ろしたての新車でODOは800km弱、タイヤはブリヂストンのA41を履いていました。ローダウン仕様は日本向けを想定した仕様のようで、サスペンションストロークを短くした上でシートも薄めのシートになっているようです。BMWによればローダウン仕様と通常仕様の販売比率はデータ上ほぼ半分半分らしいですが、身長173cmくらいを境に変わるそうな。シートは高さを2段階でセット出来るのですが、低い方にセットするとローダウン仕様では166の私でもかなり足が着きます。なるほどね…。確かに安心感があるけど、低過ぎてライティングポジションを取ると膝の曲がりが大きく疲れそうなので高い方にセット。それでも我が家のGSの低い方にセットした時よりも足着きは良いくらいですね。一方でハンドルバーは相変わらずかなり広い。広過ぎる。そしてシート形状は前後の自由度が高くなく、後ろの方はエッジが気になります。更に気になるのはハンドルのスイッチです。ウインカーが一般的になったのは良いのですが、左側はインフォテインメントを操作するホイールがあります。



これが操作しづらい。上下に転がすだけならまだしも、選択したり元に戻るのに左右に倒す。左右に倒すなんて論理的に使いやすい設計とは全く思えない。ソフトのメニュー、構成とも併せて非常に分かりにくい上に使いにくい。しかもホイールがあるおかげでウインカースイッチが遠くなってしまっている。そんなわけでやはりBMWのエルゴノミクスは相変わらず私には合わないですね。購入したらまたエルゴノミクスは全部変えることになりそうです。スイッチはどうにもならないですが。。。

初見からあまり印象が良くないのですが、走り出すと良いのがBMW。この日は1日借りているので、中央道で河口湖を経由して伊豆方面を目指しました。街中ではトルクの太さと適度なレスポンスが印象的。KTMのスーパーアドベンチャーSと同じくらいトルクがあると思いますが、SASがガツガツ来る角のあるレスポンス、トルクの出方なのに対して比べマイルドにトルクを出します。おそらく相当クランクマスやフライホイールが重いのではないですかね。湿式多板になったクラッチは最新型ならではの軽さで半クラも扱いやすい(というか普通)。なので全体的に非常に乗りやすいですね。ただステアリングヘッド周りに重さというかマスを感じます。ステアリングダンパーが効き過ぎてるのかと思いましたが多分マスですね。重さを感じます。この辺がウチの空冷と20kg違うところかも。(※6/19追記:重さはステアリングダンパーのようです。。。)

高速に入ると素晴らしい安定感と快適性に膝を打つ思い。ビシっとした直進性の高さとロールの軽さの両立はフラットツインならでは。単に重心が低いだけでなく縦置きクランクのジャイロの小ささを感じます。トルクが太く谷も無いので追い越しなどは非常に楽、かつ思い通り出来て気持ち良いです。また振動が極めて少ないのも特徴でしょう。空力(防風性)が非常に良いのと併せて速度を上げても快適にクルーズ出来、この辺は流石の完成度。未だに一つ抜けてる感があります。走りながら片手で高さを変えられるスクリーンも操作性が良くて良いですね。一方でパワーの面はどうやらまだ全開になっていない?ようで頭打ち感がありました。最初の点検を受けるまでは何らかの制限が入ってるようですね。

一般道路に降りて伊豆の山を目指すと、ここまでで薄々感じてはいたのですがかなり路面のギャップを拾うのが気になります。GSの脚はオフロードを想定した長めのサスストロークを持っていて、しかもテレレバーとパラレバーはサスが良く動くので荒れた舗装でも何事もなかったかのようにギャップを吸収するのが特徴で、そこがGSで1番気に入っているところ。しかしこのローダウン仕様ではその良さがかなり減ります。普段GSではギャップを気にせず躊躇なく寝かして行けるところが、吸収しきれず底付きしてしまい暴れるので行けない。。。サスストロークが短い分、切り返しなどは「よっこらしょ」感が少ないのは良いのですが、コレじゃ普通のロードのバイクとほとんど変わらないじゃないか…。おそらくストロークが短いだけじゃなく、プリロードがかなり低い。動的車高が低いのでバンク角も浅く、簡単にブーツやステップを擦ってしまう。更に悪いことに装着しているブリヂストンA41のドライグリップが低く、深めに寝かすだけで前後とも滑り始める。そこから開けるとアンダーステア気味に前後とも滑りそのまま開けると最後はオーバーステア。穏やかな滑り方だしバランス的には安全ではあるのですが、開けていけない。そんなわけでワインディングはちょっとストレスが溜まりました。端的に言って楽しめなかったのです…。

これならGSじゃなくても良いじゃないか…。車高を落としてオフロードや荒れた舗装が苦手になってしまったランクルやレンジローバーみたいなものだ。。。もちろん、短いサスで充分という人もいるでしょう。でも私はロングストロークならではのどんな状況でもガンガン行けるGSのオールラウンダーぶりが気に入っていたので、そこが無くなると魅力半減なのです。

それにしてもストロークは短くてももう少しやりようがあるんじゃないか。短いとは言え普通のバイクよりはストロークは長い。せめて前後ともプリロードを適切にかけたい。しかしフロントはプリロードを変えられない。リアは電動でプリロードをかけられますが、これもAutoかMinかMaxしか選べない極端さで、Maxにするとリアのプリロードは目いっぱいかかってフロントはかからないので前後バランスが崩れてしまいます。まぁプリロードをかけたら足着きは悪くなるわけで、そうなったらローダウン仕様の意味がないんでしょう。それにGSはサスペンションだけで3つの仕様が選べるわけで、ローダウンが嫌なら選ばなければ良いだけ。しかし、試乗前は実はローダウン仕様に少し期待していたのです。私の使い方としては酷道と呼ばれる狭くて荒れた舗装路を良く走るものの、オフロードには入らないのでオフロード対応のサスまでは必要ありません。ロード寄りのオールラウンダーとしては意外にローダウン仕様が合うのではないか、と。しかし結論としてはローダウン仕様はそういう方向性じゃなかったようです。

というわけで試乗した個体はエンジンはまだ慣らし段階でシャシーはローダウン仕様でしたが、しかしR1250GS全体のイメージは掴めました。いくつかのポイントを挙げるとこんな感じです。

●エンジンは好印象。充分なトルクと振動の少なさが良い。空冷よりかなり元気なキャラにはなったけど、それでもまだツーリング向き。
●縦置きクランクのロールの軽さ
●シャシーは剛性が高いが適度なしなやかさもある
●重量はやはり気になるが、思ったほどではなかった
●ツーリング向きに良く考えられた快適装備の充実度が良い
●信頼性が高い
●デザインがカッコいい
●ライディングプレジャーはやっぱり少なめ(それもまたGSの個性か)
●エルゴノミクスは相変わらず自分には合わない

真っ当に進化したんだな、と思いました。オールラウンドツアラーとして完成度が高く穴が少ない。相変わらず売れているのも納得です。


ただ・・・


R1250GSは今や300万。300万出して今のGSから乗り換えたとして、何がどう変わるんだろう・・・。多分少し快適になる。少し疲れにくくなるかもしれない。かなり速くもなるから、快適性と併せて考えればより長い距離を走れるようになるかもしれない。それでもツーリングの楽しさ自体は多分それほど変わらないんじゃないかとも思う。そう考えるとなかなか踏ん切りがつかない。実用車なだけに、「楽しい!」「カッコいい!」「これ乗りたい!」 ・・・とかならないのよね・・・。それにSuper Adventure Sという選択肢もある。DUKEは乗った瞬間楽しい、これ欲しい、と思ったし、CBは見た目と音でこれ欲しい、とこれまた直感的に思ったんだけど・・・。

Posted at 2023/03/14 20:26:09 | コメント(1) | トラックバック(0) | BMW | 日記
2020年11月24日 イイね!

BMW M340i XDrive / M440i XDrive

BMW M340i XDrive / M440i XDrive数年ぶりにBMWの営業さんから電話がありました。またしても担当営業さんが交代しているので、あらためての様子伺いです。一通り近況を(もちろんクルマの)すぐに買い換えることはないことも含めてお話したのですが、何か試乗したいクルマはないかと訊かれました。最新の3シリーズは乗っていないので、出来れば6気筒モデルに乗れると有り難いと伝えたところ、用意出来ますということで久しぶりにBMWを試乗させて頂くことに。

用意されたクルマはM340i XDrive。走行距離は1万kmほどを走っており、BS Turanza T001(一応Mが付くグレードがTuranza??)はそれなりに減っていました。とは言え、最近のクルマのスペック等をチェックしなくなって随分経ち、試乗記もほとんど読まなくなってしまったので、3L 直6のシングルターボ(ツインスクロール)に8ATと4WDを組み合わせ、C43と似たスペックのクルマということくらいしか分かっていませんでした。



乗り込んでドラポジを合わせてインテリアを眺めると、前のF30型と比べて全体的に質感が上がっているのを感じます。しかしM340iでもダッシュボードやドアトリムの上の方はソフトパッドであり、ソフトパッドにステッチが入れられています。しかもダッシュボードの方はパッドが薄くプラスティッキーな感じが丸出し。ステアリングコラム調整が電動じゃないのは許せても、1000万近くするクルマでこの仕上げ方はちょっと萎える。

走り出すと、相変わらずぶっといMスポのステアリングに少し重めのアシストでBMWっぽさを感じます。そして小回りが利きません。(スペック見たら最小回転半径はC43と同じ5.7mでした。)試乗ルートは私にお任せとのことだったので街中中心で裏道のような狭いところから片側3車線の多少踏めるところまで走らせました。まず感じるのは静かで乗り心地が良いこと。ハーシュネスは丸められていてCOMFORTモードでもダンピングが効いています。1万kmの走行でタイヤはかなり減っているのを確認していたので、この乗り心地には驚きました。しかもランフラットなんです。そしてエンジンは心地良い6気筒。フロロロロ〜と軽快なハミングを奏でています。そして踏み込むとウォオオオオオオン、と直6ならではの澄んだ、しかしターボらしい太めの音質で回ります。トルクもパワーも充分で速いです。が、過剰な感じではないですね。一方、ステアフィールは薄めです。交差点やちょっとしたコーナリングで感じるのはライントレースが思った通りに綺麗に出来ること。それからブレーキはコントロールしやすいですね。ただし停止直前は自動ブレーキホールドやらアイドリングストップやらでカクっと停まりがち。全部切るとスゥーッと停まれます。

乗り心地はC43よりM340iの方が明らかに良いです。エンジンは世間の評価は違うかもしれませんが、C43の方が良い印象です。出力はほぼ同等のはずですし、M340i は直6らしい音や粒の細かい回り方を感じさせるもののとてもフラットなトルクの出方で、C43の方が中高回転域で弾けるように回るフィーリングが気持ち良いので。この辺はC43のショートストロークはやっぱり違うんだな、と思うところです。ツインターボですしね。逆に低中速トルクはM340iの方が上なのかもしれません。

C43かM340iかは総じて好みの問題ではありますが、私はC43の方が良いな、と思いました。そうしてお店へ帰るところで、実はM440iも試乗出来るので時間があれば乗って欲しいとのこと。大して変わらないんじゃ?いや、低くて幅が広いので乗り味が違います、とのことで続けて試乗させて頂くことにしました。

そして・・・出た〜〜〜〜この顔・・・・・w



いやぁ無理w。どんなに凄いクルマでもこの顔のクルマを買いたくはない。え?1000万超えるの?1000万以上も払ってカッコ悪いと感じるクルマを買えるほどお金持ちじゃないです・・・。



乗り込んでリアシートを見ると、ヘッドルームはきつそうですね。E92の時代は実は割としっかり4人乗れるパッケージングだったのですが、ルーフを下げたスタイリングを優先してここは妥協したようです。試乗コースはお願いして高速も走らせてもらうことにしました。そして店を出る段階でびっくり仰天。全然違う・・・!凄く良い! ステアリングは軽くフィールは豊かになり、乗り心地まで良い。真っ直ぐ低速で走るだけでこちらの方が全然気持ち良い。ボディ剛性も高いです。ボディの違いとしてはホイールベースは同じで全高は50mm低く、トレッドはフロントは同じでリアが20mm広いだけらしい。しかし走らせていると低くワイドなフィーリングがあり、かつしっとり走ります。これは断然クーペの方が良い。エンジンは当然変わらないのですが、排気音はクーペの方が聴かせるセッティングですね。(もしかしてこれも排気音はスピーカー??)

高速のランプウェイで踏んでみるとフロントのトルクの入り方でリアバイアスの4WDを感じるのですが、それだけでなく、踏むと内側に巻いてくるかのようにノーズが入っていきます。詳細解説が見つけられないのですがもしかしたらこのXDriveは左右のトルクベクタリングをやっているのでしょうか??

高速道路でのパワー・トルクも充分ですしラグも感じません。そしてCOMFORTのまま高速域でも大丈夫。C43では(C63もですが)高速域はダンパーをSPORTにしないとダンピングが不足したのですが、M440iは全域COMFORTでも行けます。もちろん引き締めたければSPORTモードにすれば良いのですが、SPORTでも全く不快ではありません。

そんなわけで、M440iはとても良いクルマでした。M340iも悪くはないのですが、M440iに乗ってしまうと差を感じてしまいます。ただしM440iはまだ1,000kmほどしか走っておらず、タイヤはPirelli P ZERO。両車とも空気圧はチェックしていません。なのでフェアな比較とは言い難いですが、とは言え乗った印象は上記の通り。営業さんの印象としてもM330iが新車当時でもM440iとは違ったということでした。

しかし・・・良いクルマだと思ったのに、どこか引っかかるものがある・・・。それは帰りにC63に乗って分かりました。C63の方が圧倒的に生っぽさを感じるクルマだったのです。乗り心地は硬いですが、ステアフィールもあり、エンジンの存在を強く感じ、シャシーのソリッドな感じが気持ち良い。そして何とクルマを軽く感じるのです。M340i / 440iともC63より50kg以上軽く、重量はほぼC43と同じです。しかし思い出してみれば乗り味に5シリーズのような重厚感があり、軽快とは言えないフィーリングでした。これは落ち着きがあって良いという捉え方もあるのですが、スポーツセダンらしさが少し足りない感じがするのです。3シリーズに期待するスポーティさが。具体的にどこが、と聞かれても全体的には良く出来ているので上手く答えられないのですが・・・。

Posted at 2020/11/24 14:12:57 | コメント(3) | トラックバック(0) | BMW | 日記
2020年11月16日 イイね!

12年目のR1200GS

12年目のR1200GS2009年の秋にR1200GSを購入してから11年以上が経ちました。購入した当時はレースからリタイアしてそれほど経っていない頃で、漠然とツーリングがしたかったのです。それまで10年以上、少なくとも月に1回、多ければ月に数回以上サーキットへ通っていたので、サーキットで走らない日までバイクでツーリングをしたいとは全く思わなかったのですが、レースを辞めてバイクで旅がしたくなったのですね。最初のきっかけはアメリカでバイクをレンタルして友人夫妻とツーリングをした時でした。



ツーリングは暑いラスベガスからスタートしたもののグランドキャニオンでは2℃まで下がり(寒暖差25℃以上w)すごく寒かったり猛烈な強風だったり、と色々大変だったのですが、でも旅自体は凄く楽しかったのです。ただ一方でハーレーは自分には合わないな、とも思いました。そして今度はヨーロッパでBMWのR1200RTを借りて1週間ほどアルプスを中心に走りました。

この時にR1200RTを、というかBMWを気に入り、ツーリングバイクならBMWだ、BMWを買おう、と決めて数カ月後にオーダーしたのです。他メーカーはほとんど考えませんでした。アドベンチャーバイクというカテゴリーが今ほどは確立されていなかったのでライバルが少なかったというのもありますが、R1200RTでBMWのツーリング性能に惚れた、といったところです。では何故GSだったのか。一つはGSの方がRTより軽量でスポーティだったこと、もう一つはロングストロークのサスペンションが日本のワインディングに合っていると思ったからです。この時唯一悩んだのが当時UPDATEされたBMWの4気筒、K1300GTでした。



これはヨーロッパで友人が借りたK1200GTの印象がR1200RTより良かったためなのですが、しかしR1200GSを試乗するとロングストロークのシャシーの良さと思いがけないスポーティさで一気にGSになりました。

特徴をあらためて書いてみると、まずパッケージングとしてフラットツインを低く縦置きにして、チェーンではなくシャフトドライブとしていること。クランクシャフトが縦置きなのでロール方向にジャイロが発生するのですが、ドライブシャフトをクランクシャフトと逆回転で回しているので実は走っているとジャイロを感じません。停止時に空吹かしするとバイクが左右に揺れるので誤解されやすいですが、これはトルクリアクションで走行中のジャイロはまた別です。次にシャシーで特徴的なのはフラットツインで採用されている有名なテレレバーとパラレバーですね。



テレレバーは姿勢変化を抑え、サスに余計なモーメントを入れずに仕事をさせる。パラレバーはシャフトドライブのトルクリアクションによるリアの強過ぎるアンチスクワット(というか車体リフト)を抑える機構です。私は昔ヤマハのVmaxでレースをやったことがあるのですがw、Vmaxのシャフトドライブはそれはもうトルクリアクションが凄く、加速時にかなりリアがリフトした記憶がありますが、R1200GSではこういった動きは全くありません。

まとめると、

・重心が低く
・ジャイロの影響が小さく
・ピッチング変化が少なく
・シャフトドライブのトルクリアクションも少ない
・これらによってサスがとても良く動く

という特徴のバイクとなり、これらが独特のBMWフラットツインの乗り味、ツーリング性能を作っていると言えるでしょう。これらはテレレバー/パラレバーが採用された2004年以降、水冷となった現在に至るまでBMWフラットツインモデルに共通する乗り味なのです。

一方、2013年以降の水冷モデルは随分変わりました。R1200RTとR1200GSは空冷、水冷とも乗ったことになりますが、水冷に共通するのは一つはシャシー剛性の大幅な向上です。比較にならないほどしっかりしました。もう一度上の空冷のシャシーのイラストを見て頂きたいのですが、実はフレームが前と後ろで繋がってません。エンジンを中心に前後にフレームを分けています。DUCATIのパニガーレなんかもこんな感じですが、BMWの場合はとにかくフレーム自体が華奢で、剛性よりしなりを重視していたのか?という感じだったんですが・・・

水冷ではこんな感じ。



前後フレームが繋がり、しかもヘッドパイプとスイングアームピボットを直線的に繋げているんですね。もっと普通の構成になった、と言えるかもしれません。バーティカルフローとなったエンジン、クランクケースとトランスミッションケースを通常のバイクと同じように一体化、潤滑する設計。こういった点も含めて宗旨変えくらい変わっていますが、しかし大きな特徴は変わらず受け継いでいます。

水冷GSは少し前に友人のバイク(足の長いスポーツサス仕様)に乗せてもらったのですが、シャシー剛性の向上とパワーにびっくりしました。



ワインディングで乗ったのですが、めっちゃくちゃ速い。それにシャシー剛性が高いから安定していて安心して開けれます。ただ、のんびりとツーリングするバイクという雰囲気はだいぶ薄れた感がありました。バイクに急かされている感が否めません。

R1200GSを購入してから11年が経ち、その間ボクスターやCクラスを買ったためバイクの方は走行距離が伸びなくなってしまいましたが、とは言え31,000km。今まで所有してきたバイクやクルマで、これほど長い期間所有したバイクもクルマもありません。大きな理由は、結局の所これほどの万能性を持ったバイクが未だに多くないことです。しかし、GSに乗っていて特に最近感じるのが・・・

「重い」

走れば軽いハンドリングも、物理的にはやはり軽くはないわけで、特に私は背が166cmと低いこともあって(なのにソロではハイシートを使用)停まったり渋滞での取り回しが億劫なんですね。ノロノロ動く渋滞でタンデム+フルパニアとなると、もうとんでもなく疲れます。なので軽いツーリングバイクが欲しい・・・。加齢と共に重さ、大きさがハードルになってきて、ダウンサイジングしたくなってきたのですね。とは言え、軽さが重要ではあるけれどタンデム性も重要なので、排気量は750-900くらいは欲しいところ。KTMはDUKEとエンジンが同じなので除外w。

トライアンフTiger900GT



ヤマハ Tracer900GT



カワサキ Ninja1000SX



BMW F900XR



BMW S1000XR



などなど。

なかでもTracer900GTとTiger900GTは一時期結構真剣に悩みました。しかし、考えれば考えるほど今のGSが良いんですよ・・・。シャフトドライブは4000kmのツーリングでも調整要らず。テレレバーでタンデムでのブレーキングも安定、そしてサスの動きが良くストロークが長いので乗り心地も良い。パワーこそ大したことないけど、低速トルクはミドルクラスでは望めない太さで今の水冷GSと比べても劣っていない。

なので、今のGSにもう少し手を入れてこれからも乗ることにしました。改善点は、まずは死ぬほど尻が痛くなるシートw。BMWの標準のシートは、これほど良いツーリングバイクなのにどうしてってくらいシートがダメ。なのでソロ用には純正オプションのハイシートにしているわけですが、タンデムではその高さでは全く支えられないのでこれも純正オプションのローシートを使っています。ハイシートは足付きが悪い以外はハンドリングも軽快だし痛みもそれほどではないのですが、ローシートが最悪。座面を丸くエグっているので圧力分散が出来ない上、ポジションも前後にずらせない。少なくともタンデム用のシートは良いシートを買わなければ。それからブレーキ。タンデム時の制動力がもう少し欲しいので、パッドを変えようと思います。パッドだけでは多分不充分なので、タイヤも割り切ってロードのタイヤに。実際90%以上はオンロードでしか走らせていないので。これだけでブレーキングもコーナリングも良くなる気がします。

そんなわけで、巷ではすっかり見なくなってきた空冷R1200GSにこれからも乗り続けます・・・

Posted at 2020/11/16 19:26:11 | コメント(2) | トラックバック(0) | BMW | 日記
2018年10月08日 イイね!

新型3シリーズ雑感

新型3シリーズ雑感新型BMW 3シリーズ G20、なんか非常に地味なモデルチェンジに感じますね。5シリーズ同様、スタイリングがキープコンセプトなので当然ですけどね。フォルムはどこから見ても3シリーズらしくて良いのですが、連続性のないキャラクターラインやバンパーの加飾、ホフマイスターキンクのすっきりしないデザインなどレクサス的なゴチャゴチャ感が特にM-Sport仕様で顕著・・・。





BMWデザインは迷走中なんでしょうか・・・。シャシーはG11 7シリーズから導入されたCLARプラットフォーム。なのですっかりフロントはダブルウィッシュボーンになるものだとばかり思っていたのですが、ストラットのまま。パワートレインも現在発表されているのは2リッター4気筒のガソリン、ディーゼルとM340iに搭載される3リッター6気筒ガソリンのみ。(プラグイン・ハイブリッドが追加されることはアナウンスされてますが・・・)

プレスリリースを読むと、全方位に渡ってリファインされていることは読めるのですが、でもこれといったトピックがないのです・・・。


本当に? これで今後7年間くらいのライフサイクルにおいてCクラスや各ライバルに対抗すると・・・?


3シリーズは長らくDセグメントのトップでありベンチマークであり続けていましたが、メルセデスがW205をリリースした後は少なくとも販売面では世界的にCクラスの後塵を拝していました。ハンドリング・シャシー面においてはジャガーがXEをリリース、高い評価を得ています。アルファ・ロメオもジュリアをリリースし、こちらもスポーツ志向のクルマになっています。3シリーズの代名詞と言えるスポーティなハンドリングはジャガーXEが3シリーズを超えたと言われており、見た目品質や快適性はCクラスの方が・・・と厳しい状況にありました。



そんな中で出てくる新型3シリーズに、実はちょっと期待しています。目玉となるような飛び道具も無く、先代と違って更にライバルがひしめき合う中、新しい3シリーズが狙うのはあくまでもBMWらしいスポーティ・サルーンというコンセプトだそう。ジュリアのようにスポーツに特化するのではなく、街乗りやツーリングも快適で、攻めれば応えるスポーツ性。そのバランスの高みを目指す。逆に言えばBMWに期待されるハンドリングと快適性のバランスが実現出来ていなければ、ビジネス上、大ゴケする可能性も結構ある。プレスリリースではこう謳っています。

The seventh generation of the sports sedan moves the game on once again in terms of driving dynamics, not to mention premium quality and innovation, in its segment.

7世代目となるスポーツセダンは、そのセグメントに求められるプレミアムな品質と革新を備えるのはもちろんのこと、ドライビング・ダイナミクスという視点において再びゲームを動かします・・・。

もちろんプレスリリースですし、言うだけなら誰でも出来ます。でも、見方を変えればあえてダブルウィッシュボーンを使わず、軽量化を重視したとも言えますし、実際に各アーム類などコンポーネントの軽量化にも腐心している様子。そしてダンパーは新しいパッシブ可変のダンパーを使うらしい。プレスリリースだけではその仕組みまでは詳しくは分かりませんが、その結果、快適性を損なわずにダンピングレートは20%高められている、と。要するに地味な改良なんです。それで再びベンチマークになるようなシャシーを実現した、と。

これは期待するしかないでしょう。G30 5シリーズの仕上がりからすると疑いがないわけではないんですがw、他に売りがあまりない中でライバルに届かない走りでリリースするはずがない・・・。そもそもW205はハンドリングでも快適性でも相当優秀です。XEはそこにアナログ的なというかアコースティックなというか、そういう自然なフィールが伴っています。それらを超えるのかどうか楽しみです。

・・・でも本当にこれから先7年、これで大丈夫なんだろうか・・・?

Posted at 2018/10/08 10:50:24 | コメント(2) | トラックバック(0) | BMW | 日記
2017年07月21日 イイね!

G30/31 5シリーズ

G30/31 5シリーズ久しぶりに、最近試乗したクルマについて書いてみようと思います。まずはG30型、新型5シリーズです。元々F10の5シリーズは気に入ってましたので、G30が出た時に営業さんから試乗の案内を頂いていたのですが、523dや523iだというので540iが試乗車で入るのを待つことにしていました。が、540自体のデリバリーがまだなのか一向に試乗車に下りる気配がないようで、とりあえず530iの試乗車が出来たのでまずはそれに乗ってみてくださいとのことで行ってきました。

ショールームでクルマを見てみると、デザイン自体はキープコンセプトといった感じでそれほど大きな変化とは感じませんが、グリルが大きくなり押し出し感が強くなってますね。リアのデザインもF10と大きく変わりません。しかし全体的にF10より見た目の品質は上がった感じを受けました。おっ、と思ったのはグリルシャッターですね。何とCd値 0.22を達成しているG30、様々な空力対策が取られているようです。ピラー/フレームとルーフパネルの接合部分は溶接処理ではなく樹脂のカバーですが、メルセデスのようにボディカラー問わずブラックということはなくボディ同色です。(こんなの軽自動車ですらやってることですけどね・・・)

全体の質感の高さはインテリアも同様で、各スイッチ類のタッチを含めて品質の高さを感じさせますね。メーターがフル液晶になっていますが、丸いメーターの枠だけは残されていて、どデカい画面がどーん、というEクラスよりは違和感がないデザインです。まぁこの枠のせいで表示パターンも限られるのだとは思いますが・・・。

さて試乗車ですが、試乗車はセダンではなくツーリングでした。トリムはM Sport。まずは乗り込んでドライビングポジションを合わせると、いつものようにすんなり決まります。ただ視界は少し落ちたかもしれません。ステアリングは・・・ウッ・・・久しぶりのBMWテイスト・・・。相変わらず太い。太過ぎる。そしてグリップが柔らかい・・・。Dシェイプになっていないだけメルセデスよりマシかもしれませんが。



さていよいよスタートですが、いきなり驚いたのがウインカーレバーで、何とついにBMW式の操作後にホームポジションに戻るのをやめてしまい、レバーが出した方向で固定?される(どう表現したら良いのやら?)ようになっていました。私はBMW式に論理的整合性があると思っていたので驚きでした。因みに先日トヨタ・パッソに乗ったらこっちはBMW式になっていて、これはこれで驚いたんですがw。

走り始めてすぐ印象的なのは、まず軽快だということ。仕様によっては100kg前後軽くなっているという話なのですが、4気筒ということもあって随分軽快感があります。F10でも重いというほどでもなかったと記憶していますが、明らかに一回り軽い感じを受けます。4WSとも相まってちょっと早いペースで交差点を曲がると違和感を覚えるほど軽快にクルっと回り込みます。で、衝撃的だったのはステアリング・・・。これが個体差なのか何なのか分かりませんが、明らかにステアフィールが薄くなっています。操作力そのものも軽い。単純にまっすぐ走らせようとしても修正舵がオーバーシュートしそうになる程フィールが薄い。この辺の感覚も軽快感に繋がっているかもしれませんが、フィールの無さ、軽さ、これはもうメルセデス的と言っていいかもしれない。スポーツモード等は試さなかったのでまた変わるかもしれませんが、それにしても雑誌やネットのインプレとは随分違う印象。

そしてこれは随分静かなクルマです。ここはかなり力を入れたみたいですね。もしかしたらEクラスより静かかもしれません。エンジンの音はもちろん、ロードノイズやウインドノイズも全般的に極めて低いです。今回は高速道路に乗っていないので高速域でどうか分かりませんが、M Sportの太いタイヤでしかもワゴンボディでこれだけ静かならセダンのLuxury仕様は相当・・・と思わせます。

※7/22 追記
乗り心地はM Sportと考えれば総じて良いと思います。ホイールベースがなんと2975mmと非常に長いので不要なピッチングが出ません。この個体はマイレージが600km程度と慣らしも終わっていないレベルだったのですが、M Sportなので大きなストロークはバンプラバーで規制されて上下動を許しますが、初期のダンパーの動きが良くハーシュネスが抑えられています。メルセデスはW205もW213も慣らしが終わるまではかなりダンパーが渋いので、この辺は随分違う印象です。

パワートレインですが、530iはガソリン2リッター4気筒ターボのハイブースト仕様で、252ps, 350Nm。これはMINIにも搭載されている最新のモジュラーエンジンで、ボアxストは何と82.0 x 94.6というかなりのロングストローク。これにいつものZF製8HPが組み合わされています。この位のスペックなら性能的には過不足ないハズで、実際そうでした。もちろん252ps / 1700kg なりに、です。興味があったのは94.6mmというロングストロークのターボ車が上までどう回るのか。実際に踏んでみると、B48B20Bはハイブースト仕様なので途中で頭打つ感じもなく上まで綺麗に回りますね。粒の粗さも感じさせません。もちろん6気筒よりは明確に粒感は劣りますが。

今回の試乗は短い時間で高速やワインディングを試せていないのですが、G30/G31型の最初の印象としては残念な感じです。何よりBMWに期待するハンドリング、ステアフィールが随分メルセデス寄りになったように感じること。W205、W213は最後の味付けはBMWほどスポーティさを前面に出さないものの全体としてはBMW寄りになってきているように感じるのですが、まさかBMWの看板がこうなるとは・・・。これは540iのセダンでもう一度確認しなくてはいけませんね・・・。

Posted at 2017/07/21 09:47:39 | コメント(1) | トラックバック(0) | BMW | 日記

プロフィール

「@Sekiai さん 初めて見ました!こんな動きだったんですね。ツインシャシーとは知ってはいたものの、どういうことなのか全く分かっていませんでした。」
何シテル?   08/09 09:35
10年以上続けていた2輪レース活動を休止し、のんびりとバイク/クルマ生活を楽しんでます。今はやる方ではなく観る方に変わりましたが、モータースポーツは2輪・4輪問...
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