整備手帳や
パーツレビューに上げた通り、C63のタイヤを交換しました。こんなに早く(1年2ヶ月)純正タイヤを交換するのは初めてかも? まぁ今までのクルマは1年のうち4ヶ月ほどはスタッドレスを組んでいたのでその違いが大きいのだとは思いますが、でも一年ちょっとで交換は少しサイクル短いですね。って我ながらAMGなのにショボいこと言ってますねw。パーツレビューに上げた通り、選んだのはファルケン、FK510です。最終的な理由は結局安かったので。(笑) C63の使い方を鑑みての選択ですね。ファルケンは元々はオーツタイヤのブランドですが、現在は欧米向けにダンロップブランドで販売出来ない住友ゴムが(ダンロップの商標はグッドイヤーが持っており、欧米ではGYがダンロップを製造・販売)自社ブランドとして製造・販売しているブランドです。従ってタイヤ開発体制は日本のダンロップと同じという言い方も出来るでしょう。そしてこのFK510はファルケンのフラッグシップです。プレミアムタイヤと銘打っており、スポーツ性と快適性を両立させた・・・らしい。タイヤパターンを見ると、前回のブログで挙げた他製品と比べてシー・ランド比が高く、ブロックが細かめで多少コンフォート志向なのが分かります。
以前のブログで書いた通り元々OEのSPORT MAXX RTに不満はなく、リアグリップの改善はしたいけどサイズをそのままで劇的に改善出来るわけもないので、性能的にバランスが取れたタイヤを選ぼうと思っていました。FK510は様々なインプレを見ていくとどうやら穏やかな特性のタイヤであることは間違いなさそうで、ケースの柔らかさが特徴のようでした。なのでスポーツ系のオーナーからは高く評価されていないのが目立ちました。私はどちらかというとしなやかでバランスが取れたタイヤを好みますから傾向的には好みのようなのですが、心配なのは果たしてC63に合うのか、という点です。C63は今まで書いてきた通り高いシャシー剛性、ボディ剛性を持っており、かつ重いクルマです。タイヤが柔らかすぎるとバランスが崩れる可能性があるのですね。そうした懸念を考慮するとミシュランが無難というか正解なのは確実なのですが、値段も安いしモノは試しということで・・・。
さて実際にタイヤを外してちゃんとトレッドを見てみると、リアはもちろん、フロントも思ったより均等に減っているようでした。いずれにしてもスリップサインが出る直前で、完全に寿命です。リアは綺麗に減っておりあと2,000km位は使えそうですが、なんと左リアはイン側にタッピングスクリューが刺さっていました・・・。綺麗に刺さっていたのでエアは全く抜けておらず、気付きませんでした。結果的には良いタイミングでの交換でした。
タイヤは価○.comで調べて購入、いつもの店で交換せずに購入したその店舗で組んだもらったわけですが・・・。何が問題なのか分かりませんが、ウェイトがアウト側だけで50-80gも付いています・・・。イン側は10g程度ですが。軽点をバルブに合わせるように組むセオリーに近い組み方ではあるのですが、逆に言えばユニフォーミティを合わせて組んでいるわけでもないのにこの重さ・・・。ユニフォーミティを合わせて組んでいるはずのOEの時のウェイトが20g前後だった(通常ユニフォーミティを合わせて組んだ方がウェイトは多い)ことを考えるとちょっと多過ぎる。タイヤ自体のバランスが良くないのかな・・・。実走行ではバランスは綺麗に取れているので作業的には問題ないのですが、グレーのホイールにメッキ仕様のウェイト使うのはちょっと勘弁して欲しい・・・。ちょっと気になるのでユニフォーミティ合わせで組み直すことを検討してみます・・・。
さて組んだ直後の第一印象ですが、見た目がかなり違います。フロントもリアも意外なほどショルダーが角ばってます。丸くて柔らかいのが特徴だと公式Webサイトに書かれていたので少し意外でした。あらためてTIRE RACKでスペックを見てみると、SPORT MAXX RTと比べてリアは0.1インチ広いだけですがフロントは0.6インチ。つまり1.5cmほどトレッドが広いのですね。なるほど納得の違いです。
走っての印象ですが、まず柔らかい。乗り心地の向上が凄いです。衝撃の角がかなり丸められ、ハーシュネスがかなり減りました。それから静か。明らかにロードノイズは低くなりました。ハイグリップタイヤはステアレスポンス、トレッド剛性を求める傾向もあるので最近は溝が少なくブロックが大きめな傾向なのですが、FK510のパターンを見るとシー・ランド比が高く、ハイグリップ系ではなかなか見ないくらい溝が多いです。それもあって静かなんですね。なので総じてSPORT MAXX RT、PILOT SPORT系よりコンフォート寄りです。非常に快適です。ただ、ケース剛性が高くないからだと思いますがダンピングはもう一つかな。前後とも35扁平という薄さなのにダンピングの弱さを少し感じます。
ステアフィールは普通の街乗り、高速レベルでははっきり色褪せており、SPORT MAXX RTが100だとしたら70くらいの伝わり方です。この辺は電動パワーステアリングとのマッチングもあるのでしょうね。C63の電動PSセッティングとは今ひとつ合っていないように思います。なので高速での進路管理は少しやりにくくなりました。穏やかと言えば聞こえは良いですが、結果的に反応が鈍いのでステアリング操作がオーバーシュートしてしまいがちなんです。極論するとステア操作で蛇行しちゃうというか。(あくまで大げさに言えば、です。慣れてきたら普通に走らせることが出来ます。)ところが意外なのは、ワインディングなどで荷重をかけるとしなやかな中にしっかりフィールが伝わってきて、オーバーシュートなどしなくなります。ワインディングではやっぱり少しダンピングが足りない感じがあるんですが、しなやかなので荷重コントロールもしやすく、グリップ限界も掴みやすいです。そして何よりグリップが結構高いんです。フロントは15mmも実トレッド幅が広がったのもあると思うのですが、SPORT MAXX RTですらグリップ限界まで持っていくのが怖いくらい限界が高かったのに、さらに限界が上のような気がします。また、リアのグリップも上がりました。横グリップも上がりましたし、トラクションも明らかに上がっています。これもケースの柔軟性故なのかもしれませんね。それから評価の高いポイントの一つのウェットですが、これは素晴らしいです。耐ハイドロ性能も素晴らしく、深い轍などでも排水性が良く接地感があります。そしてさらにコーナリング時のグリップも高く、安心感はSPORT MAXXが100なら130以上かも。ここでもケースとトレッド面の柔軟性が効いていると思います。今まで経験したタイヤで一番ウェットが良いかもしれません。ミシュランよりも。今日も仕事帰りは土砂降りで東名はところどころ深い水たまりがあるレベルでしたが、極めて高い安心感を持って走れました。
というわけでC63/C43でハンドリング重視の方はミシュランの方が良いかと。コンフォート性が欲しければFK510は合うでしょう。替えた当初はもっと辛口な感じのインプレッションだったんですが、距離を走らせていくとどんどん良さを感じるようになり、今ではトータルでSPORT MAXX RTより良い、私の今の使い方に合っていると言えます。しかし、本来のC63のキャラクター、運動性を考えればもう少しシャープなタイヤの方が合っているようにも思います。なので走らせ方を別としてクルマとのマッチング自体はやはりミシュランPS4Sがベストなのではないでしょうか。シャシー設計、セッティングが要求するケース剛性がもう少し高いように感じるんです。まだ数100kmしか走っていないので、ある程度減ってトレッド剛性が上がった時の印象はまたいつか書こうと思いますが、今のところの印象をまとめるとこんな感じです。
●ケース剛性、トレッド面とも柔らかい
●ドライグリップが高い
●コンフォート性能が高い。
●相反することとして街乗りや高速など荷重があまりかかっていない状況でのステアフィールは落ちる。
●ワインディングでは十分なフィードバックがあり、しなやか
●ウェットグリップは非常に高く安心。
●C63とのマッチングという点では、もう少しケース剛性があった方が良いように思われる。
パイロットスーパースポーツは本当に全方位で性能が良いのでインプレのしがいがないのですがw、FK510はなかなか面白かったので長々とインプレを書いてみました。
Posted at 2019/06/10 21:04:07 | |
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Mercedes | 日記