先週の日曜日、妻のJUKEの点検・オイル交換で日産のディーラーに行きました。
作業の待ち時間がヒマだったので、新型セレナに試乗させていただき、
プロパイロットを体験してきました。
ミニバンのセレナには全く興味はなかったのですが、「やっちゃえ日産!」と
テレビCMで自動運転技術を宣伝しているので、その日産肝入りのプロパイロットの機能が
どんなもので、アイサイトver.3とどのように異なるかに興味がありました。
WEBや雑誌ではプロパイロットが酷評されているので、正直あまり期待はしていませんでしたが、
とりあえず自分で体験して、アイサイトver.3と比較してみました。
試乗車のセレナ
さて、ここでプロパイロットの機能を整理しておきましょう。
まず1つ目の機能は、アクセルとブレーキを自動でコントロールする「先行車追従コントロール」
機能です。
2つ目の機能は、ステアリングを自動でコントロールする「レーンキープ」機能です。
これを、単眼カメラのみで制御しているとのことです。
試乗コースは以下の通りです。
アイサイトver.3同様、プロパイロットも高速(自動車専用)道路での使用を前提としているため、
できるだけそれに近いコース(信号の少ない大きな道路)での試乗でした。
ちなみに、市街地ではプロパイロットが作動しないような制御が入るとのことです。
さて、車に乗り込んでエンジンをスタートさせ、ステアリングの右側にあるPILOTスイッチを押せば
準備完了です。そして、SET-(マイナス)ボタンを押すとプロパイロットが作動します。
プロパイロット作動時の表示
1.「先行車追従コントロール」機能
①加速時
交差点での停止のタイミングが合わず、ゼロ発進からの先行車追従のスムーズさについては
確認できませんでした。
低速からの先行車追従については、比較的スムーズに加速して先行車に追従していきました。
この点は、ほぼアイサイトver.3と互角です。
②巡航時
問題なく、先行車との距離を一定にキープして追従していました。
③減速時
減速についてはやや不自然な感じがありました。先行車が減速・停止すると、走行時の先行車
との距離を保ったまま止まろうとし、そこから徐々に先行車との間隔を詰めて最終的に停止する
という感じでした。この点では、アイサイトver.3の方がより人間のブレーキングに近い感じが
しました。
④一旦停止後の再発信
プロパイロットも一旦停止後の再発進は、SET+(プラス)ボタンを押すかアクセルを踏むかの
どちらかのアクションをする必要があります。ただし、停止後3秒いないであれば、自動発進
するようです。
さすがに、信号で数分停止後に自動発進はしませんが、アイサイトver.4では自動再発進
機能が搭載されるのか見ものです。
2.「レーンキープ」機能
プロパイロットとアイサイトver.3との最大の違いは、プロパイロットが65km/h以下でも
レーンキープをするところです。
黄色い線には反応しないようになっているとのことですが、減速時(65km/h以下)でもしっかり
レーンキープしていました。
ステアリングの制御ですが、直線、コーナーともステアリングが小刻みに動き、ステアリング
操作に積極的に介入するため、ステアリングに手を添えていると不自然な動きに感じました。
どうやらこれは自動運転間隔を演出するために意図的にやっているようです。
アイサイトver.3は、ステアリングがこのように小刻みに動くことはないので、安定感があるように
感じます。
また、レーンキープが作動するコーナーのRの大きさですが、プロパイロットもアイサイトver.3も
ほぼ同じでした。試乗コースを自分のレヴォーグで走行して確認した結果、同じコース
(同じコーナー)であれば、アイサイトver.3のレーンキープも作動していました。
なお、プロパイロットは約5秒間ステアリングから手を離すと警告が表示され、それを無視すると
約10秒でレーンキープ機能が解除されるとのことで、CMのような完全な手放し運転は
できません。
総括
・プロパイロットとアイサイトver.3の最大の違いは65km・h以下でのレーンキープをするかしないか。
・雑誌やWEBで酷評されているほどプロパイロットは酷いものではないが、STOP AND GOの
アクセル・ブレーキ制御、レーンキープ時のステアリング制御は、アイサイトver.3の方がやや
優れているのではないかと感じました。
日産は、このセレナ以降、プロパイロットを各車種に展開していくとのことです。
しかし、日産は自動運転をアピールして宣伝が上手いですね。一般の人は騙されるんじゃ
ないでしょうか?
一方、スバルはバカ正直で宣伝が下手というか、アイサイトver.3で65km/h以上での
レーンキープを2年前に確立していたにも関わらず、それを宣伝しないで、ぶつからないクルマ
を大々的にアピールしていたので、一般の人には、アイサイト=ぶつからないクルマとして
浸透しているのではないでしょうか?
スバルは、2017年にアイサイトver.4で65km/h以下でのレーンキープ機能を追加するとのこと
ですが、停止状態から自動追従発進機能も追加してくるのか見ものです。
おそらく、レヴォーグのD型にアイサイトver.4を搭載してくるのでしょう。
いずれにせよ、アイサイトやプロパイロットのように、自動車メーカーが競争して技術を
高め合ってくれるのは、消費者としてはありがたいことです。