これまで私の中ではW220のS600Lに対する評価がどうも厳しくなっていましたが、ここ1ヶ月程乗り込んでみていくつか気がついた点があります。
以前から低速でのターボラグとターボがかかってからの半端ない加速の2段モーションがどうもあまり心地良くなかったのです。最近Darkknightさんから頂いたS600Lの過去のリポート記事を読むと、評論家も全く同じようにこのターボラグと加給されてからの無機質な加速に対する違和感を指摘されておりました。
しかしながら最近ではアクセルワークに馴れたのか、低速でのフィーリングに違和感がなくなってきました。ターボの加給もアクセルワークで自然なフィーリングとなるように自分の右足が微妙な調整を自然に行っているのがわかります。もともとエンジンをかけた瞬間の音であったり、加速時に吠えるV12の音にただならぬ迫力があり、乗り出してからのアクセルフィールさえ良ければいい車なのにと思っていたので、最近は凄く心地がよいのです。
それにしても0-400mが12.8秒というのは信じられない数値です。2トン超えの後輪駆動のビックセダンの数値とは思えませんが、ターボ加給が全開となったときの加速感はあまりにも凄くて逆に気持ち悪いぐらいです。雑誌では無機質な加速とありましたが、わかる気がします。50m先まで瞬間移動という感じで、無味乾燥。よくこんな車を作ったなあと思います。
多くの雑誌では評論家により「W140が出たときはその巨大さが世間の顰蹙を買い、W220が小型化された」ということが山ほど書かれております。果たして本当にW140は顰蹙を買ったのでしょうか? 評論家が作り出した風評のようにも思えますが、W221になるとまた巨大化しております。W220より全長で4cm、高さで4cm、幅2cm、そしてホイールベースにいたっては8cmの長くなっている。W140のサイズに戻ってますが、エコカーがますます推奨される時代に、この巨大化を批判する評論をまず聞くことがないのはなぜなのでしょうか? 不思議です。
W220という車はW140の悪評(?)を挽回しようと小型化してBMW的なスポーティーさ、スタイリング、パーソナル感を出したまでは良かったのですが、今振り返ってW140やそれ以前のW126などのような圧倒的な評価を得たとは思えません。このあたりがどうも中途半端な境遇なのですね。可哀想な存在です。
しかもW220 S600Lのトラブルにまつわる評価は最悪で、相場も異常に安い。
しかし、トラブルの元凶はイグニッションコイルなどの部品個体の問題であったり、ABCラインのホースの耐久性の問題であったりで、ATやエンジンなどといった機関そのもののトラブルは極めて少ないようです。
また最近乗り込んでつくづく思えるようになりました。500馬力を受け止めるためのブレーキや足回り(ABC)を含めた重厚な装備、革や天井の素材を含めた内装の質感、オーディオシステムの質などこの車を特別なものとするための様々な作り込みが乗っていて随所に感じられ、多幸感を催すのです。
実はS600Lはこれまでどうもフィーリングがピンと来なくて売りに出そうと思っていました。
それを前提に衝動で別の車を買ってしまいました。が、ごく最近S600Lに感じるフィーリングの良さを再認識した今、売るのがどうしても惜しくなり、結果的に増車となってしまっている状況なのです。駐車場も借りてしまいました。
今度買った車は、またまた面白そうな個体です。いずれアップ致します。
このスタイルの是非は意見の分かれるところですね。
前オーナーが残したものですが、メンテが行き届き素性の良いことがわかります。
この換気(歓喜)シートは夏には極めて重宝。扇風機の風によりシャツが汗でべたつくことはまずありません。
Posted at 2013/11/27 17:19:37 | |
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