寅さん

いつまでたってもその人気は落ちませんが、私は寅さんは人情の人というより、究極の社会不適格者として認識していました。
のぼせ上って一般人にからむなんてこともざらですしね。

ところが、最近また「土曜は寅さん」が新たに始まり、初めて第一作から見ています。
すると、初期の寅さんはまあ多少ずれている感は相変わらずですが、ちょっと見る目が違ってきました。
特に先々週やっていた第三作。
寅さんの手引きで駆け落ちする若者たちの女の子のお父さん。もうよれよれで満足に口もきけないのですが、どうやら元寅さんの同業者。
二人を慌てて追い出して駆け落ちさせた後、改めてそのよれよれの大先輩に寅さんが仁義を切るのですが、それがかっこいいことかっこいいこと。
片膝を立て

「遅ればせの仁義、失礼さんでござんす。

わたくし、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。
渡世上故あって、親、一家持ちません。
かけだしの身もちまして姓名の儀、一々高声に発します仁義失礼さんです。

帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎。
人呼んでフーテンの寅と発します。

西に行きましても東に行きましても、とかく土地土地のおあにいさん、おあねえさんに御厄介かけがちなる若造でござんす。

以後面体お見知りおかれまして、恐惶万端引き立って、よろしくお頼み申します」と。しびれましたねえ・・・。

寅さんシリーズが大人気になり、本来の寅さんの姿がゆがめられてしまったように思った次第です。

ま、その社会不適格者の寅さん。私は大好きなんですけれどね。

占いの本こそ売りませんが、今日は東に、明日は西に。
私の仕事も、寅さんと大差ない気がします。笑