宅配便の中継倉庫を訪れた後、さらに10数km程度進んで、次のアルバイト先に行きました。コンビニエンスストアの惣菜を手掛ける、食品加工業者です。ここは、学校1年目の7月に働きました。初めてのアルバイト先です。
最初のアルバイトですから、当然、職種の選び方や申し込み方などもわかりませんでした。私はてっきり、勤務開始の前日に応募か面接をするものだとばかり思っていました。しかも私が通った学校は、前期末試験が終わる日にちが他校よりも遅く、アルバイト情報誌を購入したのは7月下旬になってから、面接に行ったのはさらにそのあとでした。
今でこそ、コンビニエンスストアの弁当や惣菜は一種のライフラインともいえます。しかし当時はまだ、それらの地位は低く、インスタント食品と同等か少し上程度でした。例えば事務職の人の昼食なら、優先順位は
1.レストラン、食堂で仲間と会食
2.弁当店で購入し、自席や会議室、公園などで仲間と会食
3.出入りの弁当店から仕出し弁当
4.ファストフード店で
だったと思います。コンビニで弁当を買って食べるのは、何らかの事情でお昼時に食事ができなかった時だけだったのかもしれません。ちなみに、パンと牛乳だと「学生の食事か!」と、笑されたようです。
さて、この会社は24時間稼働で、私は、夜9時頃から翌朝6時頃まで労働していたと思います。交代制で、前半は中国の方と、後半は近所のおばさんたちと働きました。私が担当したのは、弁当の付け合わせになるような小鉢の担当でした。バットに入れられた料理を、次々流れてくる容器に決められた重さだけ入れる仕事でした。料理は重量計で正確に量るのですが、容器がベルトコンベヤーで流れる速度が非常に速く、一発で重量を合わせないと間に合いません。しかし、中国人の方もおばさんも担当社員も、親切にしてくれました。
この仕事で記憶に焼き付いているのは、衛生管理です。
手は二度洗いし、逆性石鹸とアルコールも使用したような気がします。手にはぴったりしたゴム手袋をはめ、さらに袋状の手袋を上からはめ、さらに殺菌します。そして、作業中に袋状の手袋が破れてしまったら、社員に報告するように言われました。
その他は、「髪の毛が出ない帽子」「マスク」「白い制服とゴム長靴」を着用し、エアシャワーで埃を取るようになっています。
私は、「手を洗えば素手でも構わない」と思っていましたが、そんなことはないのですね。「二重に手袋をするのだから、手は洗わなくても良い」とも思いましたが、これも間違い、ウィルスはゴムやビニールを通り抜ける可能性があるようです。
これまで学校などでは、作業について「しっかりやる」「ちゃんとやる」など、「先生によって副詞で表現されたことを自分なりに解釈し行動する」ことが求められました。
しかし、科学的に行動するとは、「副詞を使わずに、具体的な作業指示をする」ことだとわかりました。
また、コンビニエンスストアの調理品は、調理時の衛生管理を行うことで賞味期限を確実にしていることもわかりました。細菌やウイルスは、付着後ねずみ算式に増えます。すなわち、調理時に入り込む数を減らさない限り、早期に傷んでしまうのです。
この仕事以降、私のコンビニエンスストアの惣菜に対する信頼性は、絶対的なものになりました。家で作った弁当など、怖くて食べられません。現実にも、
仕事中に寄ったそば屋で作り置き小鉢が痛んでおり、私以外の者が中毒でダウンしたことがありました。
そしてこの会社、コンビニエンスストアの惣菜売り上げが拡大したからか、工場は拡大の上北関東の二か所に移転、私が勤務した頃の場所は売却し、本社機能も5km程度離れた場所に移転、もとの場所は個人の住宅が建っていました。
短い期間しか勤務しなかった会社ですが、繁栄しているようで、うれしかったです。
ブログ一覧 |
仕事 | ビジネス/学習
Posted at
2022/03/28 22:25:38