もう10年以上大物メンテ以外は自分で作業を行う事を心がけてきましたが,何度やっても慣れないものとか,自分なりの方法論が定まらないというのはあるもので,自分の場合駆動系オイルの交換手法は間違いなくその一つになります.
というのも,エンジンオイルと違って車種によって作業性や工具の類が大きく変わりますし,オイル粘度の関係から季節によって(またその時の快適度によって)作業の面倒な度合いが変わるというのも大きな要因です.
今まで試したものと言えば,
1.オイルサクションガン
2.オイルシリンジ
3.オイルサーバー
4.じょうご自然落下式
5.電動ドリルポンプ式
などであり,それぞれ人によって好みがあると思います.
ただ私の場合はほぼ失敗の歴史といっても過言ではなく,結構な投資という名の無駄遣いをしてきているのも事実です.
それぞれ見てみると,
1.オイルサクションガン
こんなやつですね
人にもよると思いますが,自分の場合これが一番”相性が悪い”やつでした.
実際これまで2つ別のものを購入していますが,どちらも2回と使った事はありません.
一つめは1回目の途中で壊れ(シールが不完全なのかダダ漏れで手がべたべた),2つめはそれなりのものをチョイスしたのですが低粘度のオイルでもとにかく固くて使い勝手が悪く,2回目の使用では注入部のホースが使えなくなってしまいました.本来小型のものは無理な姿勢で使う駆動系オイル交換に望ましいのですが,自分は2回も失敗したのでもう使わないと思います(注:もともと注意書きにもLSDのような高粘度のオイルには使えないと記載があるものが多いので,ミッションオイルも粘度とか季節とかによっては上手く使えるかもしれませんが,自分にとってはできればデフオイルにも使いたいなど,トータルで期待に合わなかったという事で)
2.オイルシリンジ
こんなやつですね
1のサクションガンより一般的に値が張ることもあり(5000円超な感じ),10年以上は使っています.
性能的には安定していて機能上も問題ないのですが,ボトルからオイルをくみ上げてミッションに入れてを何度か繰り返さなければならない時にどうしても途中でぽたぽたしてしまいがちで,かつ機器の長さがいかんせん長いためにごく狭いリジッドラックで上げた車体下では取り回しが大変です(小さいやつは回数が増えるのでそれはそれで大変).
とはいえ,結局困った時には使っていて安定した地位を保っているのは何だかんだいっても信頼しているのかもしれません.
3.オイルサーバー
2のサクションガンでどうしても(特に冬場に)姿勢に無理が出来るので,少しでも楽にできればと数年前に導入したのがその手では定番のトキコオイルサーバーです.
こちらはもっとも高額なもののひとつですし,性能・評判共に定番ですので当然がっかり感はありません.ただ結論から言うとこれは現在使っておらず倉庫にしまい込んだまま・・
原因はホースの長さが結構あって取り回しに結構気を使うなどがありますが,何気に面倒なのが元々ペール缶からの組み上げを想定しているせいか,吸い上げる際小さいオイルボトルに直接挿す事が出来ず一度別容器に移す必要があるなど,自分の使い方に今一つマッチしないからというのがありました.今思えばちょっともったいなかったかも・・
4.じょうご自然落下式
BRZで使い始めたやり方で,こちらも愛用している方が多い方法です.
準備系やコントロール性で優れていて,BRZのミッションオイル交換ではずっとこれを使っていました.最初のホース取り回しやじょうごの固定,そして何より上から入れて下からのぞいてを繰り返すという体の動きがあるなどメリットばかりではないのですが,一度交換を始めると途中でこぼす可能性がほぼないことから結果的に時間が読みやすいなどある意味安心して使えました.
NDで使わなくなったのは単純にホースの長さが足りなくなって届かなくなったからですので,他の方法が飛びぬけて良くなければここに戻ってくる可能性は高いです
5.電動ドリルポンプ式
今回あらたにトライしたのがこちらです
詳しくは
今回の整備手帳に記したのでそちらも見て頂ければと思いますが,こちらもデフオイル交換中心に愛好者が多いと聞きますし,実際私がこれを初めて見たのはジムカーナ会場でデフ交換をするY選手とかS選手でした.恐らく上記に書いたような各方式のデメリットはほぼ無いように思われたのですぐにでも試してみたかったのですが,必要な部品がわからないことから躊躇していました.特に電気ドリルの代わり(ポンプにはチャックが付いている)をどうするかが理解できていなかったのですが,ここに来てインパクトレンチに装着することでチャックを使えるようになるアダプターを入手できたことで晴れて使ってみた訳です.
で,どうだったかというと確かに楽でした.手動では避けられないポンプのストロークが必要ないので作業性がぐっとあがったことや,狭いミッションフィラーにちょうど入るL字アダプターが見つかった事から,とても使い勝手は良いです.
残念ながら今回は吸い上げ側のオイルボトルに挿せるようホース径のチェンジアダプターを使ったものの,読みが甘くてちゃんと固定しなかったことから抜けないように押さえながら使うという自業自得的な苦労はありましたが,ここを改善すると常用できるポテンシャルを感じました.しばらくはこれを使ってみたいと思います(ちなみに投資額はポンプやインパクト変換チャックなど含めて3,500円くらい)
こんな感じでこれまで長い旅を続けてきましたが,NDに関しては少し見えてきたので自分にとっての定番が見えてきたらまたご参考までに書いてみたいと思います.