2020年、時間が過ぎるのも早いもので、1月も既に中旬から下旬へと向かおうとしています。
本当に今シーズンは雪が降りませんね。2月辺りにドカ雪がやって来そうな予感ばかりして、不安で満杯の白兎です。
皆さん、如何お過ごしでしょうか。
何してる?でも上げましたが、昨日は相棒Lupusの六ヶ月点検でした。
その合間に、巷で話題の(既に遅いかもしれませんが)SKYACTIV-Xの試乗をして参りました。
当初はMAZDA3で事前予約していたのですが、当日を迎えると……。
X搭載のMAZDA3が、ない。
担当者さんに聞いたところ、「あ、出払っちゃってますね」とのこと。
「ん?予約したはずなのに?」と最初こそ思いました。
試乗車だから仕方ないかと思う一方、一報入れた意味が蔑ろにされた、と思わざるを得ませんでした。
お世話になっているDなのでとても口には出来ませんでしたが、内心は。
杜撰、だな
と訝しささえ覚えました。
ところが、そんな器の小さい私の思いを跳ね除ける言葉が掛かりました。
「CX-30のSKYACTIV-Xでしたら、試乗できますが、どうしましょう?」
偶然であり願いもしなかった、とさえ思える瞬間でした。
SKYACTIV-Xだけでなく、まだ乗ったこともなかったCX-30に乗れる絶好の機会。
まさに、憧憬。
二つ返事でよろしくお願いします、とLupusを預け。
乗ってまいりました。
CX-30。SKYACTIV-X搭載モデル。
どのような性能、乗り心地や運動性を見せてくれるのか……正直、楽しみでした。
いつもの試乗コースを、走ってきて思うこと。それを一言で表すなら。
なんだこれ、めっちゃ面白い。
マイルドハイブリッド、スーパーチャージャー搭載。一応の立ち位置はハイオク仕様となりますが、それではとても表現し切れない乗り味でした。
まず、動力。
相棒はディーゼルなので、トルクにものを言わせて無理やりにでも車体を引っ張る力強さがあり、ターボも合わさって高揚感を覚えさせる加速を持っています。
一方で、 ディーゼル唯一の欠点たる、発進時のアクセルに対する反応の鈍さがあるのも事実です。それを改善したいという思いに刈られ、三年間、私はLupusを自分色に染める為に弄り弄って参りました。
SKYACTIV-Xは、それに匹敵する。
もしかしたら、それ以上の力強さを持っている。そんな印象を抱きました。
アクセルワークに対する従順な反応、即応性。それなのに、ディーゼル並の加速を齎しました。
「なんだ、これは?」と助手席に営業担当さんが同席しているにも拘らず、思わず口走ってしまいました。
苦笑いされました(・_・;)
発進時の加速を終えた後。
今度はガソリン車のように、スムーズに、気持ちよく加速していく。スピードが、思いのまま乗っていく。
公道故にそこまで踏み込めませんでしたが、ディーゼルにはないスムーズさと軽やかさ。
ディーゼル車なのか、ガソリン車なのか、ハイブリッド車なのか。
乗っていて、本当にわからなくなる程の、変幻自在な動力。
それぞれが持つ良さを、状況に応じて変化させ、最適化して駆け抜けていく感覚。
思わず「おっほww」と笑ってしまいました。
それ位、乗っていて楽しくて、面白くて。
何よりも、こんな走りを実現した技術。興味深い。
動力が楽しく、面白い一方。
CX-30というクルマ。これもまた素晴らしい。
MAZDA3をSUV化したというだけあり、車高が高く視界良好。
その分上がった車高からは想像できなかった、カーブ時の踏ん張りの強さ。
そして、外部から入る音を遮断する静粛性。
この静粛性。ただ静かというだけでないという所が関心させられました。
所謂「不快感」を覚えるノイズをシャットアウトして、必要な路面状況やエンジン音は運転者に伝える技術。
イヤホンで例えるなら、ノイズキャンセラー搭載型、と言えばいいのでしょうか。
個人的にSUVは踏ん張りが効かないので好みでない車種ですが、これは違う。
他もそう。CX-5も、8も。居住性を優先して走りを犠牲にしていない。
動力も車体も、高いレベルで仕上がっている。ノーマルなのに、弄りに弄ったLupusを遥かに上を行っていました。
正直なところ……嫉妬しました。
たった三年で、クルマはこうも進化するのか、と。
ただ、全てに満足したという訳ではありません。
まず、価格がべらぼうに高騰していること。
試乗して味わった素晴らしさは、確かに高次元です。が、最早大衆が手を出せる域を超えてしまっている、という率直な思いが先走りました。
もう一つが、ハイオク仕様ということ。燃料が高騰している現在でそれを強いるには、あまりにも現実的ではない。
技術的に仕方がないとしても、ハイオク限定にせずとも、なんとかできたのではないか……と素人ながら感じざるを得ませんでした。
そして、試乗云々以前のお話し。
依頼した訳でもないのに、
相棒の査定額を勝手に出されたこと。
それを加味して、MAZDA3の見積もりを出されたこと。
これは流石に、享受できませんでした。
担当者さんいわく、XもMAZDA3、CX-30も、売れ行きは芳しくないとのことです。
嘆き、に近いものを感じました。
勿論、マツダという会社に務める一社員の思いや意向はわかります。
ですが、私はそれ以上に。
今乗っている相棒を出汁にして、新車を買わせる?
クルマに対する愛着や拘りは、鑑みないのか?
……そっか。と点検後の状況を聞きながら短くため息をつきました。
技術やテクノロジーは、常に進化し続ける。クルマもその例外ではない。
今回試乗したCX-30、そしてSKYACTIV-Xの素晴らしさは存分に堪能し、惚れたことは紛れもない事実です。
ですが。
クルマに対する意志。それを無下にすると思わせること。それだけは、どうしても許すことができない。
マツダ車乗りの一個人の私が偉そうに言えることではない、と自負しているつもりです。
が、私はそういったことに対しては、余りにも愚直で、バカ正直です。
今回の試乗を通し、マツダに対して「そこまで言うなら、もういい」と見限った訳ではありませんし、これからもマツダ車を乗っていきたいと願っています。
でも。
値段や価値といった数字では表せないものを、Lupusと共に私は得てきました。
思い出だけでなく、私の生き様を変えてくれたと言っても過言ではない相棒は。
損得勘定では、決して計れない。計らせたくないし、計らせたりはさせない。
周りからどう言われても、私は、相棒を大切にしたいと強く願っています。
エンジンを載せ替えたり、シャーシがイカれてどうしようもなくなるまで。
願わくは、いつまでも、共に。
いつになるかわからない、乗り換えという決別の時が来たとしても。
私はその最後の最後まで、相棒を誇れる自分でありたい。